かき‐しぶ【柿渋】
柿渋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/16 21:53 UTC 版)
柿渋(かきしぶ)は、渋柿の未熟な果実を粉砕・圧搾し、それを発酵・熟成させて得られる抽出液[1][2]。赤褐色の半透明の液体でタンニン(カキタンニン)を多量に含む。ただし、後述のように柿渋は熟成によってカキタンニンそのものとは異なる性質も有する[2]。2020年には、奈良県立医科大学により、渋柿から取れる柿渋に、新型コロナウイルスを無害化させる作用があることが発見された[3][4]。
- ^ a b c 小川一紀「ブドウ、カキに含まれる機能性成分」『食品と容器』第53巻第12号、2012年、736-740頁、NAID 40019509614。
- ^ a b c d e f 鍛治雅信. “かわのはなし(7)”. 東京都立皮革技術センター. 2020年7月6日閲覧。
- ^ a b “渋柿から取れる「柿渋」入り飴やラムネでコロナ不活化!?”. ABCニュース (2020年9月15日). 2021年5月14日閲覧。
- ^ a b “奈良県立医科大学柿渋の新型コロナウイルスに対する研究成果の製品化共同開発事業-公募要領-”. 2021年5月14日閲覧。
- ^ 大島康義「植物タンニンの化学:最近の展望」『日本農芸化学会誌』第32巻第7号、日本農芸化学会、1958年、A81-A88、doi:10.1271/nogeikagaku1924.32.7_A81、ISSN 0002-1407、NAID 130001231521。
- ^ 本田豊 (2008年). 絵が語る知らなかった江戸のくらし. 遊子館. p. 100ページ. ISBN 4-946525-90-4
- ^ a b 島本整「日本文化に根付いた柿渋の化学」『化学と教育』第64巻第7号、日本化学会、2016年、348-349頁、doi:10.20665/kakyoshi.64.7_348。
- ^ “柿渋にコロナ不活化させる効果、奈良県立医大が確認…カギは濃度とウイルスとの接触時間”. 2020年10月15日閲覧。
- ^ “MBT柿渋の新型コロナウイルスに対する研究成果について”. 奈良県立医科大学. 2021年5月14日閲覧。
- ^ “柿タンニン(柿渋)による新型コロナウイルス感染症動物モデルでの重症化予防および感染伝播抑制効果を証明”. 奈良県立医科大学 (2021年12月13日). 2022年3月31日閲覧。
- ^ “【新型コロナ|一覧】注意喚起情報一覧(更新中)”. 「健康食品」の安全性・有効性情報. 国立健康・栄養研究所. 2022年3月31日閲覧。
- ^ “新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする商品等の表示に関する改善要請及び一般消費者等への注意喚起について”. 消費者庁 (2022年2月18日). 2022年3月31日閲覧。
- ^ “伊勢型紙おおすぎ - 柿渋を希釈する場合の水について”. 2018年6月8日閲覧。
柿渋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 05:32 UTC 版)
詳細は「柿渋」を参照 渋柿の汁を発酵させたものが柿渋である。萼を除いた青い未熟果を砕いてすり潰して水を加え、2 - 3日ほど放置後、布で汁を搾ったものを生渋(きしぶ)という。柿渋は、生渋をビンなど密封できる容器に詰めて半年から1年ほど冷暗所に置いて保存・熟成して作られるが、古いものほど珍重される。 柿渋は、紙に塗ると耐水性を持たせることができ、和傘や団扇の紙に塗られた。柿渋の塗られた紙を渋紙と呼ぶ。また、防腐用の塗料としても用いられた。石鹸の原料ともなる(柿渋石鹸)。民間療法では柿渋を柿漆(ししつ)と称して、高血圧症予防に1日量で柿渋10 ccに水100 ccを加えて薄めて飲んだり、猪口1杯をそのまま飲んだりする利用法が知られる。また湿疹、かぶれのときには、柿渋を水で3倍ほど薄めてガーゼに含ませ、患部に湿布する用法が知られている。
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