作中の兄妹関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 14:40 UTC 版)
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の記事における「作中の兄妹関係」の解説
兄の京介自身は読者に対し、しばしば妹との不仲を強調し、同意を求め、自分は妹の桐乃を嫌っているし、同様に桐乃も自分を嫌っているはずだと説明する。京介が嫌っているはずの桐乃のために奮闘する理由は複雑だが、たとえ大嫌いな妹であっても大切な家族であり、兄として庇護すべき対象として捉えていることを語っている。著者の伏見はこうした京介の動機について「桐乃のことは嫌いなんですけど妹のことは大好き」なのだと説明している。 一方でこの語り手は妹の本心を掴みかねており、語り手の主観では兄を嫌っているように見えている桐乃が、本心では兄のことをどのような感情を抱いているのかは明確にされないまま物語が進んでいく。この真相に関しては執筆開始時点では伏見と編集者の三木の間で見解が分かれており、三木が桐乃はいわゆるツンデレではなく本心から兄を嫌っているという解釈に基づいて意見を出す一方、伏見は桐乃が内心では最初から兄に対して好意を持っているようにも解釈できるような描写を意識して第1巻を書き進めた。その後の展開では、当初の構想になかった形での関係性の変化も盛り込まれ、実際に桐乃が抱いている感情がどのようなものであるのかは、他の登場人物との人間関係にも関係するなど、作中における謎解きの一つとして書き進められていく。 著者の伏見は、本作で描かれている内容はあくまで信頼できない語り手である京介の主観に沿った、真実とは大きな乖離があるものであることを明かしており、読者が作中には語り手の勘違いが含まれていることを踏まえて読むことで楽しめるような部分を盛り込んでいるという趣旨の説明をしている。 漫画版やアニメ版では、原作で描かれていた語り手の心理描写が省略されている一方、原作中では明らかではなかった桐乃の表情の変化や、桐乃からの視点なども描かれている。アニメ版の脚本を担当した倉田英之は、桐乃は口には出さないものの内心では兄にべた惚れであると解釈しており、原作の読者やアニメ版の視聴者からもそのように解釈されることもある。 アニメ第2期エピローグのキスについて、監督の神戸洋行は「最後のキスがどういう意味を持つかは視聴者の判断にお任せする」とした上で、「この二人はまだ何かありそうな気がする」と述べている。
※この「作中の兄妹関係」の解説は、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の解説の一部です。
「作中の兄妹関係」を含む「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の記事については、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の概要を参照ください。
- 作中の兄妹関係のページへのリンク