企業別組合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 22:06 UTC 版)
企業別組合(enterprise union、company union)は事業所もしくは企業を単位として、職種に関わらず、そこに属する労働者を一括して組織する形態である。 日本では大部分の組合がこの形態をとっている。欧米諸国では使用者が組合に対抗するために結成した企業別組織(黄色組合)との闘争という歴史から、企業別組合はほとんどみられない。産業別組合と比較すると、当該企業の実態に合った労使交渉が行われる反面、団体交渉の成果が当該企業内のみに留まるため、交渉に企業間競争を促す力が弱い。組合が企業意識に支配されやすく、企業間競争が激化するにしたがって、他の労働組合と連帯して行動するよりは、使用者と協力して企業の繁栄に努めるという行動をとりがちになる。その結果、労働条件の平準化という組合本来の機能の発揮において大きな限界をもつことになる。また、企業別組合においては、失業者を含む産業分野の労働者全体への関心が稀薄になる。 日本の企業別組合においては、組合員の資格を当該企業の従業員(特に、正社員であって一定以上の役職者でないこと)に限るとすること(いわゆる逆締付条項)を規約で定める組合が多い。 ジェイムズ・アベグレンが著書『日本の経営』(1958年)で、企業別労働組合を終身雇用、年功序列とともに、「日本的経営の三種の神器」であると示した。
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