一般意味論体系の他の観点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/19 20:47 UTC 版)
「一般意味論」の記事における「一般意味論体系の他の観点」の解説
様々な要素があるが、以下にあげる3つは特に重要である。 「時間結合」Time-binding:情報や知識を世代を超えて加速度的に伝達する人類の能力。コージブスキーはこの能力が人類特有のものであり、動物と人間を隔てている能力であるとした。動物も知識を伝えないわけではないが、人間のように加速度的な伝達はできない。動物は以前の世代と同じように行動するが、人間はかつて狩猟採集によって食料を得ていたのが、栽培や養殖を行っている。 「目標レベルにおける沈黙」Silence on the objective levels:単語はそれが表す事象そのものではないことから、コージブスキーは言語を用いないで内外の環境を経験することを重要視した。この訓練をしている間、実践者は外見上も内的にも物静かとなる。 仮定的属性による意味づけよりも関連する事実による拡張を重視する。 一般意味論の大部分は、現実のやりとりを妨げる精神的な性癖をやめるための訓練技術と覚え書きから構成される。3つの重要な覚え書きとして、「非A」Null-A、「非I」Null-I、「非E」Null-Eがある。 非Aとは「非アリストテレス」non-Aristotelianismである。一般意味論では現実が決して(アリストテレス的)二値論理で表現しきれないことを強調する。 非Iとは「非同一性」non-Identityである。一般意味論ではいかなる事象も同一ではないとし(測定限界を超えたところで異なっている可能性があるため)、「現在実行している分析の目的から見て十分類似している」と考えるのが好ましいとされる。 非Eとは「非ユークリッド」non-Euclideanismである。一般意味論では我々の宇宙がユークリッド幾何学では正確に説明できないことを強調する。 これらの覚え書きの根底にある目的は、現実の現地と我々の概念的地図をうまく対応させ、あらゆる地図に制限があることを思い出させることである。そういう意味では、非Aは単に哲学的なものを否定しているのではなく、非アリストテレス的論理の実践を意味している。コージブスキーはこれらがリンクしていると考えた。我々が影響しあう事象の複雑な性質は、本質や定義からの推論では手に負えないことが多い。そのことが不確実さを生むが、一般意味論では非アリストテレス的論理が有効とされる。
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