メカニズムの推定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 06:31 UTC 版)
測定される物理量間の関係は非線形最小二乗法等の手法でなんらかの曲線に回帰されることが多い。以下は統計ソフトであるカレイダグラフに登録されている定義済み一般回帰曲線の数式のカテゴリーの一覧である 。他の統計ソフトでも 同様の関数がライブラリとして登録されている。このように、様々な現象を表現するうえで扱いやすく、かつ現象の特徴をよくあらわした関数としてよく使われるものが100種類ほど存在する。 1.酵素動力学 (Enzyme Kinetics) 2. 指数減少 (Exponential Decay) 3. 指数増加 (Exponential Growth) 4. 指数上昇 (Exponential Rise) 5.双曲線 (Hyperbola) 6. IC50/EC50 7. 対数 (Logarithmic) 8. ピーク (Peaks) 9.多項式 (Polynomial) 10. 累乗 (Power) 11. 有理式 (Rational) 12. シグモイド (Sigmoidal) 13. 波形 (Waveforms) 14. 収穫高の増加/作付け密度 (Yield Growth/Density) 15. その他の定義 (Miscellaneous Definitions) 曲線の形状そのものがいろいろな意味を示唆し、定型的な解釈を持つ曲線もいくつかある。例えば、人口の増加/科学反応が資源/基質の枯渇により飽和することを示すS字曲線、女性の労働力率の場合で用いられるM字曲線(女性の労働力率が結婚・出産期に当たる年代に一旦低下し,育児が落ち着いた時期に再び上昇するという)ことを表す 不良品の発生や時間経過に従って個体数の減少に関しては、バスタブ曲線やone-hit curve, two hit curve等の生存曲線,故障率曲線が適宜使われる 。 滑らかな曲線はなんらかの常微分方程式の解となっているが、常微分方程式を見てみるとその曲線を描く原因の推定メカニズムがわかることが推定できることがある。 たとえばS字曲線の一例としてよく知られる、シグモイド関数の微分方程式は「指数関数を解とする微分方程式の比例項に、解曲線の値の増大に依存して減少する作用を加味する」ことで得られることから、本来は指数関数的に増加する現象において、増加に伴った阻害が生じたと解釈される。また、one-hit-curve は、1つの原因に伴う故障発生率をλ回/秒とした場合、時刻tにおける未故障の装置の台数がF(t)=exp(-λt)となることを意味するがこの考え方を利用してある種類のがんの未発症率の年齢依存性から、そのがんの原因が1つの遺伝子に起因しているのではないかと推定することが出来る。
※この「メカニズムの推定」の解説は、「IMRAD」の解説の一部です。
「メカニズムの推定」を含む「IMRAD」の記事については、「IMRAD」の概要を参照ください。
- メカニズムの推定のページへのリンク