ミラージュF1CR
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「ミラージュF1 (戦闘機)」の記事における「ミラージュF1CR」の解説
フランス空軍向けの戦術偵察機型。ミラージュIII R/III RDの後継戦術偵察機として開発された機体で、副次的に対地攻撃にも投入可能。空中受油プローブ付きのミラージュF1C-200をベースに以下の改良が加えられている。 高精度の航法・攻撃・偵察システム(Système de Navigation et d’Attaque et de Reconnaissance - SNAR)を搭載。 レーダーを、グラウンドマッピング/コンターマッピングモジュールを追加装備したシラノIVM-Rに変更。 機首下面に偵察用カメラ窓を設置。 左舷側のDEFA 30mm機関砲を撤去し、赤外線ラインスキャナーを搭載するスペースを確保。 ミラージュF1CRの1号機は1981年11月20日に初飛行し、フランス空軍は64機を新規に発注。1983年9月には第33偵察航空団(フランス語版)での作戦準備が整った。 偵察装備 ミラージュF1CRには、以下の偵察装備を搭載可能。 Omera 33/TRT-33 - 垂直下方撮影カメラ。レンズは焦点距離150mm、300mm、600mmの3種類を選択可能。 Omera 40/TRT-40 - パノラミックカメラ。左右方向180度までを撮影可能。 Super Cyclope - 赤外線ラインスキャナー。収集したデータはリアルタイムで地上基地へ送信可能。 Raphael TH - 側方監視レーダー(Side Looking Airborne Radar:SLAR)ポッド。最大100kmまでの距離をレーダー画像で偵察する。 ASTAC(英語版) - 電子偵察用ポッド。各種レーダーの場所と種類を偵察する。 RP35P - 写真偵察ポッド。焦点距離75mm、150mm、200mm、600mmのカメラを搭載可能。 Desire - 電子光学ポッド。デジタル式のビデオ撮影装備で、最大で610mmの高解像度光学撮影が可能。また、撮影した映像はリアルタイムで地上基地へ送信可能。 上記の偵察装備のうち、TRT-40パノラミックカメラとTRT-33垂直カメラは二者択一で機首下面のカメラ窓部分に、Super Cyclope 赤外線ラインスキャナーは左舷のDEFA機関砲部分にそれぞれ内蔵されるが、それ以外の偵察ポッド(ドイツ語版、ハンガリー語版)は胴体中心線下ハードポイントに択一で搭載される。
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