ヘンリー・スミスとその関係者
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「乙嫁語り」の記事における「ヘンリー・スミスとその関係者」の解説
ヘンリー・スミス 本作の語り部であるイギリス人青年。彼の旅先で暮らす乙嫁たちの物語が展開されるという、狂言回しの役割を担っている。 物語当初ではエイホン家に居候していた。物語の舞台であるユーラシアの民族・文化に強い興味を持つ旅行家。 紋章入りの金無垢の懐中時計を結納金がわりにぽんと出すなど、かなりの資産家の出。家督は長男である兄が継いでいるため、自身は好きなことをさせてもらっていると語っている。 押しに弱くお人好しだが、ロシアの脅威が迫り、命の危機が懸念される中でも記録を残すべく旅を続ける、強い信念の持ち主でもある。2巻のエピソードでは、とっさの機転でアミルとカルルクの危機を救っている。 2巻の最終話でエイホン家を去り、当初の目的だったアンカラへと向かった。途中、カラザの町でタラスと出会い恋心を抱くが、風習に引き裂かれて別離を余儀なくされる。また文化の違いから、親しい人々に心中を理解してもらうこともできず、複雑な思いを胸に抱えたまま旅立つこととなった。 しかし、次に訪れたムナクの村でも、自分を医者として頼る人々を見捨てられず、結婚式への興味を口実に滞在を引き延ばすなど、持ち前の優しい性格は変わらない。 ペルシアでは土地の富豪の客となるが、女性が姿を見せない風習のため、富豪の夫人に挨拶せずにいることが気がかりだったりと、やはり文化の違いに戸惑いを覚えている。 アンカラで友人ホーキンズの元に辿り着くが、そこで再婚相手の男性に送られて来たタラスと再会、改めて婚約を交わした。 アリ アンカラまでのスミスの案内人。口が達者で世渡り上手な青年。 自身の結婚のための結納金を稼ぐことを目的とし、高給を目当てにスミスの案内役に就いた。旅のナビゲートのほか、通訳や交渉役も兼ね負う重宝な人物だが、スミスの世知長けない様子に呆れる場面もしばしば。 ホーキンズ アンカラでスミスの到着を待つ壮年のイギリス人男性。スミス夫人(ヘンリー・スミスの母親)に安心して貰おうと手紙を出したり、使いを様子に見させに向かわせたりと手を尽くす。スミスとの再会後は、ロシアの南下で近々中央アジア一帯が戦場となる情勢をスミスに警告し、同時に帰国を勧めた。スミスとはパブリックスクール時代からの付き合いで、彼より7 - 10歳ほど年上の模様。 ニコロフスキ アンカラに住む現地人で、ホーキンズの知己。イギリス軍に雇われてクリミア戦争に従軍した際、ホーキンズに命を救われたことに恩を感じ、彼の助けとなるよう無償で雑務を引き受けている。ホーキンズと再会し、新たな旅に出ることになったスミスの護衛兼道案内として、同行を申し出た。
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