ヒステリシス
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ヒステリシス(Hysteresis)とは、ある系の状態が、現在加えられている力だけでなく、過去に加わった力に依存して変化すること。履歴現象、履歴効果とも呼ぶ。
- 1 ヒステリシスとは
- 2 ヒステリシスの概要
- 3 概要
ヒステリシス曲線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/13 15:03 UTC 版)
「ストナー-ヴォールファールト模型」の記事における「ヒステリシス曲線」の解説
容易化軸と磁場とのなす角度θの1つの値について、式(3)は2つの解を持つ。これらの解はφでパラメトライズされた解曲線をなすが、この解曲線を求めるには単にφを変えながら式(3)をhについてとけば良い。 曲線はφ が 0 から πまでと、π から 2πまでを動く間は連続的であり、φ = 0 と πで解はh = ±∞に対応する特異性を持つ。 磁化の磁場方向の成分はMs cos φであるが、曲線をプロットする際には規格化されたmh = cos φを用いることが多く、磁場の方も規格化されたhを用いてプロットされることが多い。図2はそのようなプロットの一例である。(赤と青の)実線は安定な磁化方向を表している。−1/2 ≤ h ≤ 1/2を満たす磁場においてこの2つの実線は共存し、この磁場の範囲では安定な磁化方向が2方向存在することがわかる。この範囲でヒステリシスが生じるのである。挿入図には縦軸に平行な3つの直線上でのエネルギー曲線を示した。これらの図の中で赤と青の点は安定な磁化方向をもつ点、つまり極小点を表す。また本図において赤と青の破線が縦方向の破線と交わる点はエネルギーが極大となる磁化方向を表し、2つの極小点の間のエネルギー障壁を決める。 通常の磁気ヒステリシスの実験では、hを大きな正の値から絶対値の大きい負の値まで動かす。図の青い曲線はこの時の磁化方向の変化に対応する。h = 0.5に達すると赤い曲線が現れるが、この時点では青い線で表される磁化方向の方が磁場の向きに近いためエネルギーは赤い線で表されるものより低い。hが負の値をとると今度は赤い線で表される状態の方が青い線の方よりもエネルギーが低くなる。しかしエネルギー障壁が存在するため直ちには赤い線の状態に飛び移ることができない。磁場がh = -0.5に達するとエネルギー障壁はなくなり、それ以上の磁場を負の方向に増やすと青い曲線は存在できなくなるので、赤い線の方に飛び移ることになる。この飛び移りの後で、磁場を正方向に増やしてもh = 0.5で青い曲線に飛び移るまでは磁化は赤い曲線上の値を保つ。プロットの際はヒステリシス・ループのみが表示されることが普通で、熱ゆらぎの効果を考慮しない場合にはエネルギーの極大値については考えない。 ストナー-ヴォールファールト模型は磁気ヒステリシスをもつモデルの古典的な例である。ヒステリシス曲線は原点まわりの180°の回転に対して対称で、状態の飛び移りがh = ± hsでおこる。このhsは反転磁場(switching field)として知られている。
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