トキソカラ症
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トキソカラ症(英: toxocariasis, toxocarosis)とは犬回虫(Toxocara canis)や猫回虫(Toxocara cati)を原因とするヒトの寄生虫病。ヒトは感染源からの含幼虫卵(L3幼虫まで発育している)を摂取することにより感染する。トキソカラ症には主要な臓器に影響を与える内臓幼虫移行症と眼や視神経に影響を与える眼幼虫移行症の2つの主要な型がある[1]。
- ^ Despommier D. (2003). “Toxocariasis: clinical aspects, epidemiology, medical ecology, and molecular aspects”. Clin Microbiol Rev 16 (2): 265–272. doi:10.1128/CMR.16.2.265-272.2003. PMID 12692098.
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トキソカラ症
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「トキソカラ症」も参照 感染している仔犬の体内の雌虫の産む卵は、仔犬の糞便中に混ざって仔犬の体外へ出る。卵が受精卵であった場合、およそ2週間ほどで受精卵が成熟し、幼虫包蔵卵となる。幼虫包蔵卵を、固有宿主であるイヌが摂取した場合はほぼ無症状であるが、他の哺乳類が摂取してしまった場合、幼虫が体内を移行し(暴れ)重篤な症状を引き起こす。人間が幼虫包蔵卵を摂取した場合に起こる病態をトキソカラ症と呼ぶ。 犬回虫は下記の2つの主要な型に分類される寄生虫病であるトキソカラ症を引き起こす 眼幼虫移行症 (Ocular larva migrans; OLM)犬回虫の寄生は失明の原因となる眼幼虫移行症を引き起こす。眼幼虫移行症は微小な犬回虫の幼虫が眼に迷い込んだ際に発生し、網膜の炎症と瘢痕形成を引き起こす。平均して、毎年700人が眼幼虫移行症により永続的な視力障害を呈している。眼幼虫移行症の治療は難しく、通常は眼の傷害の進行を防ぐ処置が採られる。 内臓幼虫移行症 (Visceral larva migrans; VLM)犬回虫幼虫の稀な重度感染により内臓幼虫移行症は引き起こされる。内臓幼虫移行症は器官や中枢神経系に幼虫が迷入することにより引き起こされる。幼虫の体内移行により発熱、咳、喘息、肺炎を含む症状が引き起こされる。内臓幼虫移行症の治療は抗寄生虫薬と抗炎症療法が併用される。
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