てん‐ぐさ【天草】
テングサ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/25 02:43 UTC 版)
テングサ(天草)は、紅藻類テングサ科 Gelidiaceae の海藻で心太、寒天の原料になるものの総称。石花菜(せっかさい)とも呼ぶ。
- ^ 大野正夫 著「海藻肥料(大野正夫)」、堀輝三・大野正夫・堀口健雄編 編(PDF) 『日本藻類学会創立50周年記念出版:21世紀初頭の藻学の現況』日本藻類学会、山形、2002年、128頁 。2014年2月18日閲覧。
- 1 テングサとは
- 2 テングサの概要
テングサ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 06:06 UTC 版)
テングサは、トコロテンや寒天の原料となる海藻である。トコロテンは室町時代には京都や奈良の都で流通していた。幕末頃から明治期以降は、とくに寒天の材料として商品価値が高まった。袖志の海女の主要な採集物で、解禁日(ヤマノクチ)以降なら自由に採集することができた。袖志の労働歌には「海女節」とは別に「テングサトリの唄」が残されている。 テングサには「ホングサ」「マグサ」「タヌキ」の3種類があり、もっとも質の良い「ホングサ」は潮の流れが激しい経ヶ岬突端の水深4メートル付近に多く生え、根が堅かった。息の長い熟練の海女は5~6メートルを潜ることができたが、息の短い者は3メートルが限界で、海女の技量はテングサの収量を左右した。他村に子守や機屋奉公に出ている娘は、テングサ採りの時期が近づくと村に戻り、海で練習を積んだという。 採ったテングサはその日の内に乾燥し、「よそ行き」の場合は俵に詰めて袖志に送り、袖志で競売にかけられ、大阪府や長野県等から業者が買い付けに来た。7月1日に入札を行い、採取に出かける前から今年のテングサをいくらで買い取るか事前に相談する商人もいた。 テングサ採りの最適期は6月上旬から7月の土用の入りまでで、1回目の「ヤマノクチ」は6月の凪の日をみて約1週間行われた。その後6月末頃までに農作物の植え付けやサナボリを済ませると2回目の「ヤマノクチ」が開き、土用の入りまでがテングサ採りシーズンだった、「よそ行き」は盆前まで行われることもあり、盆には海女たちも袖志に帰った。 このテングサ採りは、安価な輸入品の流通によってテングサの価格が暴落する1950年(昭和25年)頃まで行われた。昭和17~18年頃が最終だったと記憶する海女もいる。 二十反のな 帆をまきあげて サッサノ 沖を眺むる 淋しさよ サッサノコラサ 船の船頭がな 色黒やせて 船の櫓櫂が 苦にゃなるか サッサノコラサ うぐいすはまたな 都の鳥で サッサノ 春は来て鳴く 青山にゃ サッサノコラサ — テングサ採り歌
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