ダークマターとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > ビジネス > 新語時事用語辞典 > ダークマターの意味・解説 

暗黒物質


ダーク‐マター【dark matter】

読み方:だーくまたー

暗黒物質


ダークマター

目に見えないダークマターは質量からしか予測できない

ダークマターとは宇宙にある見えない物質のことで、ミッシングマスとも呼ばれてます。光も電波発するとがないため、可視光線赤外線X線でも見えませんが、質量からその存在予測される物質です。銀河系団の質量は、構成する銀河明るさから推定される値よりも、各銀河運動から求めた質量のほうが10100倍大きいことが50年ほど前からわかっていましたまた、渦状銀河では、星の数から期待される質量より、回転速度から求めた質量のほうが大きく見えない物質個々銀河から宇宙全体わたって存在することが明らかになったのです。ダークマターは銀河形成宇宙閉じているかどうかといった問題解決向けて重要な役割担っていますが、正体はまだよくわかっていません。

なぞに包まれるダークマターの構成要素

私たちのまわりにある物質陽子中性子などのバリオンよばれる物質からできています。普通の星もこのバリオンからできています。ダークマターはバリオンではないといわれ、その正体について質量持ったニュートリノ説や超対称性粒子説、モノポール(磁石N極、あるいはS極いずれかのみの持った素粒子)説、原始ブラックホール説、アクシオン宇宙のひも(コスミック・ストリング)説などが考えられています。

ビッグバン宇宙論を支えるダークマターの存在

ビッグバン宇宙論では、宇宙質量9095%をダークマターが占めると考えられています。1993年1月X線天文衛星ROSATは、地球から約1億5,000万光離れたNGC2300グループ呼ばれる銀河集団取り巻ガス雲観測しました。このガス雲温度は1,000直径は約130万光年、質量太陽の5,000億倍に相当します。このガス雲はダークマターではないか考えられており、ビッグバン理論支え有力な論拠となってます。


暗黒物質

(ダークマター から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/12 04:28 UTC 版)

暗黒物質(あんこくぶっしつ、: dark matterダークマター)は天文学的現象を説明するために考えだされた仮説上の物質


注釈

  1. ^ ツビッキーはかみのけ座銀河団までの距離を 50 Mpc と推定したが、当時知られていたハッブル定数の不正確さのために、この距離の推定値は現代の推定値の2分の1である[10][11]
  2. ^ 暗黒物質が不安定であり膨張している可能性を論じたアンバルツミャンの論文は査読を通過しなかった[14]
  3. ^ 1992年WMAPCMBの観測以前は、ハッブル定数は 50 - 100 km/s/Mpc というおおまかな値が与えられていた。なお、2014年までの理論では、ハッブル定数は過去から一定ではなかった(宇宙の加速)とされている。
  4. ^ ビッグバン仮説に修正を迫る観測事実としては2013年に発見されたヘルクレス座・かんむり座グレートウォールU1.27の発見がある[32]。ビッグバン直後の均質な宇宙において初期揺らぎから最初に銀河が生まれ、発生した銀河が規模と数を増しつつ宇宙へ拡散し、銀河団、超銀河団、宇宙の大規模構造へと進化したとするボトムアップ説を採用するビッグバン仮説では比較的初期の宇宙(現在から100億年前、宇宙誕生から38億年後)にヘルクレス座・かんむり座グレートウォールのような全長100億光年にも達する超巨大な構造が形成されるに至ったメカニズムが理論の修正なくして説明不能である[33]。逆に比較的初期の宇宙に100億光年に達する巨大構造が形成されていたという事実は大規模構造となる巨大なガスのかたまりが最初に生まれ、その次に超銀河団のもととなる塊が分裂し、銀河団、個々の銀河へとスケールダウンするように小さい構造が作られたとするトップダウン説を採るプラズマ宇宙論に有利な観測結果と言える。

出典

  1. ^ アンリ・ポアンカレ 著、吉田洋一 訳『科学と方法』岩波書店、1927年9月5日、243頁。 
  2. ^ Kapteyn, Jacobus Cornelius (1922). “First attempt at a theory of the arrangement and motion of the sidereal system”. Astrophysical Journal 55: 302–327. Bibcode1922ApJ....55..302K. doi:10.1086/142670. 
  3. ^ Oort, J.H. (1932). “The force exerted by the stellar system in the direction perpendicular to the galactic plane and some related problems”. Bulletin of the Astronomical Institutes of the Netherlands 6: 249–287. Bibcode1932BAN.....6..249O. 
  4. ^ Sanders 2010, p. 16.
  5. ^ a b Bertone & Hooper 2018, p. 045002-4.
  6. ^ Zwicky, F. (1933). “Die Rotverschiebung von extragalaktischen Nebeln”. Helvetica Physica Acta 6: 110-127. https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/1933AcHPh...6..110Z. 
  7. ^ Zwicky, F. (1937). “On the Masses of Nebulae and of Clusters of Nebulae”. The Astrophysical Journal 86: 217. Bibcode1937ApJ....86..217Z. doi:10.1086/143864. ISSN 0004-637X. 
  8. ^ Sanders 2010, pp. 13–14.
  9. ^ a b Sanders 2010, p. 13.
  10. ^ a b c d e f g Sanders 2010, p. 14.
  11. ^ Bertone & Hooper 2018, p. 045002-5.
  12. ^ Sanders 2010, pp. 14–15.
  13. ^ Holmberg, Erik (1940). “On the Clustering Tendencies among the Nebulae.”. The Astrophysical Journal 92: 200. doi:10.1086/144212. ISSN 0004-637X. 
  14. ^ a b c d e f g Bertone & Hooper 2018, p. 045002-6.
  15. ^ Schwarzschild, M. (1954). “Mass distribution and mass-luminosity ratio in galaxies”. The Astronomical Journal 59: 273. Bibcode1954AJ.....59..273S. doi:10.1086/107013. ISSN 00046256. 
  16. ^ Burbidge, G. R.; Burbidge, E. Margaret (1959). “The Hercules Clusters of Nebulae.”. The Astrophysical Journal 130: 629. Bibcode1959ApJ...130..629B. doi:10.1086/146752. ISSN 0004-637X. 
  17. ^ Limber, D. Nelson (1962). “Kinematics and Dynamics of Clusters of Galaxies”. Problems of Extra-Galactic Research, Proceedings from IAU Symposium no. 15: 239. Bibcode1962IAUS...15..239L. 
  18. ^ Penzias, A. A. (1961). “Free Hydrogen in the Pegasus I Cluster of Galaxies.”. The Astronomical Journal 66: 293. doi:10.1086/108555. ISSN 00046256. 
  19. ^ Rood, Herbert (1965). The Dynamics of the Coma Cluster of Galaxies (Ph.D. thesis). The University of Michigan.
  20. ^ Woolf, N. J. (1967). “On the Stabilization of Clusters of Galaxies by Ionized Gas”. The Astrophysical Journal 148: 287. Bibcode1967ApJ...148..287W. doi:10.1086/149148. ISSN 0004-637X. 
  21. ^ Turnrose, Barry E.; Rood, Herbert J. (1970). “On the Hypothesis that the Coma Cluster is Stabilized by a Massive, Ionized Intergalactic Gas”. The Astrophysical Journal 159: 773. Bibcode1970ApJ...159..773T. doi:10.1086/150354. ISSN 0004-637X. 
  22. ^ Meekins, John F.; Fritz, Gilbert; Chubb, Talbot A.; Friedman, H.; Henry, Richard C. (1971). “Physical Sciences: X-rays from the Coma Cluster of Galaxies”. Nature 231 (5298): 107–108. doi:10.1038/231107a0. ISSN 0028-0836. 
  23. ^ Rubin, V. C. et al. (1980). “Rotational properties of 21 SC galaxies with a large range of luminosities and radii, from NGC 4605 /R = 4kpc/ to UGC 2885 /R = 122 kpc/”. The Astrophysical Journal 238: 471. Bibcode1980ApJ...238..471R. doi:10.1086/158003. ISSN 0004-637X. 
  24. ^ 宇宙の暗黒物質の空間分布を初めて測定 ─ “ダークマターの中で銀河が育つ”銀河形成論を観測的に検証」『すばる望遠鏡』、国立天文台、2007年1月7日http://subarutelescope.org/Pressrelease/2007/01/07/j_index.html2020年1月16日閲覧 
  25. ^ 銀河形成&宇宙論”. 筑波大学宇宙物理理論研究室. 2012年1月21日閲覧。
  26. ^ "N°7-2013: Planck reveals an almost perfect Universe" (Press release). 欧州宇宙機関. 20 March 2013. 2014年7月1日閲覧
  27. ^ Frenk, C.S.; White, S.D.M. (2012). “Dark matter and cosmic structure”. Annalen der Physik 524 (9-10): 507-534. arXiv:1210.0544. Bibcode2012AnP...524..507F. doi:10.1002/andp.201200212. ISSN 00033804. 
  28. ^ a b c d 蓑輪眞, 「暗黒物質直接探索の現状」『日本物理学会誌』 60巻 8号 2005年 p.609-615, 日本物理学会, doi:10.11316/butsuri1946.60.609
  29. ^ E. Kolb, M. Turner The Early Universe
  30. ^ a b Andersen (2008). ApJL 683: L183. Bibcode2008ApJ...683L.183A. 
  31. ^ Bihain (2016). A&A 589: A26. Bibcode2016A&A...589A..26B. 
  32. ^ Universe's Largest Structure is a Cosmic Conundrum”. Discovery Communications, LLC. (2013年11月19日). 2014年9月24日閲覧。
  33. ^ Fractal dimension as a measure of the scale of homogeneity”. Oxford University Press (2010年7月1日). 2014年9月24日閲覧。
  34. ^ a b c d e 中山和則, 「暗黒物質直接検出の現状と展望 (解説)」『日本物理学会誌』 66巻 9号 2011年 p.675-682, doi:10.11316/butsuri.66.9_675
  35. ^ a b c 中村輝石, 身内賢太朗, 「NEWAGE: 方向に感度をもつダークマター直接検出実験」『日本物理学会誌』 71巻 7号 2016年 p.469-473, doi:10.11316/butsuri.71.7_469
  36. ^ 蓑輪眞, 暗黒物質(ダークマター)の探し方 (PDF) 東京大学大学院理学系研究科物理学教室
  37. ^ 「ダークマター」の正体に迫れるか? 宇宙の謎を巡る研究に方向転換の動き WIRED.jp 2019年2月11日
  38. ^ D. B. クライン, 暗黒物質ニュートラリーノを追う 日経サイエンス 2003年6月号
  39. ^ DAMA/LIBRA実験を検証できなかったCOSINE-100〜暗黒物質を巡って深まる混迷 放射線ホライゾン 2019年01月25日
  40. ^ 重力波望遠鏡を利用して暗黒物質の正体に迫る新手法を考案 2019年09月18日 京都大学。



ダークマター(暗黒物質、暗黒エネルギー)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 05:00 UTC 版)

宇宙の法-エローヒム編-」の記事における「ダークマター(暗黒物質暗黒エネルギー)」の解説

宇宙空間存在する反物質で、暗黒エネルギーとして地球物質破壊するもの。

※この「ダークマター(暗黒物質、暗黒エネルギー)」の解説は、「宇宙の法-エローヒム編-」の解説の一部です。
「ダークマター(暗黒物質、暗黒エネルギー)」を含む「宇宙の法-エローヒム編-」の記事については、「宇宙の法-エローヒム編-」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ダークマター」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ダークマター」の関連用語

ダークマターのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ダークマターのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
新語時事用語辞典新語時事用語辞典
Copyright © 2024 新語時事用語辞典 All Rights Reserved.
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
JAXAJAXA
Copyright 2024 Japan Aerospace Exploration Agency
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの暗黒物質 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの宇宙の法-エローヒム編- (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS