ソンムの戦い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/12 04:58 UTC 版)
ソンムの戦い(ソンムのたたかい、仏: Bataille de la Somme、英: Battle of the Somme、独: Schlacht an der Somme)は、第一次世界大戦における最大の会戦である。1916年7月1日から同11月19日までフランス北部・ピカルディ地域圏を流れるソンム河畔の戦線において展開された。連合国側のイギリス軍・フランス軍が同盟国側のドイツ軍に対する大攻勢として開始し、最終的に両軍合わせて100万人以上の損害を出したが、連合国軍はわずかな土地を獲得したにとどまり、ドイツ側は後退を最少におさえた。
- ^ Sheldon 2005, p. 398.
- ^ Sheffield 2011, pp. 194, 197.
- ^ a b c Philpott 2009, pp. 602–603.
- ^ Doughty 2005, p. 309.
- ^ a b Harris 2008, p. 271.
- ^ Wendt 1931, p. 246.
- ^ リデル・ハート著、上村達雄訳『第一次世界大戦』〈上〉、p.404 では18個師団と書かれてあるが、これでは数が合わない。
- ^ Elis,John & Cox,Michael. The WORLD WAR 1 DATABOOK, Aurum Press. 1993/2001, p.272.
- 1 ソンムの戦いとは
- 2 ソンムの戦いの概要
- 3 背景
- 4 文化における影響
ソンムの戦い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 05:37 UTC 版)
「西部戦線 (第一次世界大戦)」の記事における「ソンムの戦い」の解説
詳細は「ソンムの戦い」を参照 ヴェルダンの防衛に成功したフランス軍であったが、その人的損失は莫大な量にのぼった。そのために翌1917年春に計画されていたソンム川付近での攻勢計画は、イギリス軍が主体となることに変更された。フランス軍および東部戦線で苦戦を続けるロシア軍の負担を軽減するために、イギリス軍による攻撃が予定されていることは敵味方のいずれにも明らかであった。激しい雨が止んだ後7月1日にピカルディのイギリス軍師団は右翼のフランス第6軍と共に前進を開始し、ソンムの戦いが開始された。7日間にもおよぶ砲撃が行われたが、よく整備されていたドイツ軍陣地の塹壕はほとんど破壊されず、地下の待避壕に待機していたドイツ軍兵士の損失も極めて少なかった。この攻撃によって英陸軍史上最大の損失が発生し、一日の攻撃で57,000人の死傷者が出たと記録されている。 ヴェルダンにおける空戦を研究したフランス軍は新たな戦闘機をソンムでの戦闘に導入した。連合国軍はソンムにおける制空権確保に成功し、これを受けてドイツ軍では個人的技量にたよっていた空戦技術からチームを組んだ集団戦技へと改革し始めた。 参加師団の再編の後に戦闘は7月から8月を通して続けられ、ドイツ軍の増強にもかかわらずイギリス軍は多少の成功を見た。8月になるとヘイグ将軍は突破は不可能となったと結論し、戦略を少数の分隊からなる戦術に転換した。 ソンムの戦いの終盤において注目されたのが、世界初の戦車の登場である。終盤戦においては、13個のイギリス軍師団と4個フランス軍軍団が参加した。攻撃により場所によっては3.2キロから4.1キロ程度の前進に成功したが、これに戦車が寄与するところは大きくなかった。これは用意された戦車の絶対数が不足していたことと、整備不良によっている。10月から11月上旬にも戦闘は継続され、多数の死傷者を出し続けた。ソンムの戦い全体で見ると、前線を5マイル程度前進させた見返りとして60万人もの犠牲者が発生した。これに対してドイツ軍の死傷者は46万人であった。 ソンムの戦いが契機となって新たな歩兵戦術が考案された。7月1日に発生した手ひどい損害にもかかわらず、ある師団では目標地点への到達に成功していたことに注目したイギリス軍司令部では、数十人の兵から構成される小隊が戦闘単位として有用であると結論づけた。数十人からなる兵士集団の組織的運用はドイツ軍およびフランス軍においては既に実行されていることであったが、ソンムの戦いにおけるイギリス軍の最小戦闘単位は120人で構成される中隊であった。一年後には10名程度の兵士が単位として運用されることになった。
※この「ソンムの戦い」の解説は、「西部戦線 (第一次世界大戦)」の解説の一部です。
「ソンムの戦い」を含む「西部戦線 (第一次世界大戦)」の記事については、「西部戦線 (第一次世界大戦)」の概要を参照ください。
固有名詞の分類
- ソンムの戦いのページへのリンク