ジョン・H・グレン
名前:ジョン・H・グレン(John H., Glenn)
性別:男
国名:アメリカ
生年月日:1921年7月18日(オハイオ州ケンブリッジ)
所属宇宙機関:アメリカ海兵隊
飛行実績:マーキュリー計画(マーキュリー6号=フレンドシップ7/アトラスD)、スペースシャトル計画(STS-95/ディスカバリー号)
ジョン・H・グレンは、1962年2月20日にアメリカで初めて、地球の軌道を回った宇宙飛行士です。彼の乗ったフレンドシップ7号・マーキュリー宇宙船は、改造型アトラス大陸間弾道ミサイルで、ケープカナベラルから打ち上げられ、地球を3回、まわりました。しかし、その飛行はトラブルの連続でした。そのひとつが、宇宙船の自動操縦装置の故障です。そのため、最後の2周は手動で操縦しなければなりませんでした。さらに、宇宙カプセルの熱しゃへい装置(大気圏に再突入する宇宙船の過熱を防ぐ被覆)の故障です。このため、普通は切り離されるはずの逆推進ロケットは、大気圏の再突入の際につけられたままでした。
このようなトラブルをおこしながらも、グレンの乗った宇宙カプセルは無事、地球に戻ることができました。
アメリカの人々は、このようにして帰還したグレンを英雄として称賛しました。そして、その偉業によって、グレンは議会で演説したり、他国でも彼を迎えるさまざまな祝賀パレードが催されました。
マスキンガム大学工学部科学学士を修めた後、海兵隊のパイロットとして第2次世界大戦と朝鮮戦争に参戦した経歴を持っています。最近ではオハイオ州の上院議員を務めていましたが、1998年1月、グレンは再び宇宙へ向かう機会を得ました。1998年10月29日に打ち上げられたスペースシャトル、ディスカバリー号(STS-95)では、日本の向井宇宙飛行士らとともに史上最高齢(77歳)でペイロード・スペシャリストとして乗り込み、老化に関する研究などをおこないました。
1.同じロケット、衛星に乗った宇宙飛行士はいるの?
グレンはフレンドシップ7号、アトラスD(マーキュリー6号/1962年2月10日打上げ)に乗った際は単独飛行でした。1998年10月29日に打ち上げられたスペースシャトル、ディスカバリー号(STS-95)では、日本の向井千秋宇宙飛行士を含む6名のクルー(C.ブラウン、S.リンゼイ、S.ロビンソン、S.パラジンスキー、P.デュケ、向井千秋)と36年ぶりの宇宙飛行をともにしました。
2.宇宙でどのようなことをおこない、どんなことに成功しているの?
マーキュリー宇宙船に乗ったグレンの任務は、宇宙での人間の状態を調査することでした。マーキュリー計画ではそれまでに無人の宇宙船、サル2匹とチンパンジー1匹を乗せて宇宙飛行実験をおこなっており、人間による宇宙飛行の準備を進めていました。グレンの宇宙飛行はトラブルの発生の連続で、大気圏への再突入の際や、手動で操縦をするという苦労はあったものの、彼の任務は成功したといえるでしょう。彼の36年ぶり、2度目の宇宙飛行となったスペースシャトル・ミッション(STS-95)では、老化現象に関する基礎的な研究に貢献しました。
3.どれくらいの時間、宇宙を飛んでいるの?
マーキュリー6号の飛行時間は、4時間56分でした。スペースシャトル・ディスカバリー号では、8日21時間44分でした。
ジョン・ハーシェル・グレン
(ジョン・H・グレン から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/12 14:23 UTC 版)
ジョン・ハーシェル・グレン・ジュニア(John Herschel Glenn Jr., 1921年7月18日 - 2016年12月8日[1])は、アメリカの元海兵隊戦闘機パイロット、宇宙飛行士、政治家。1962年にアメリカ人として初の軌道宇宙飛行を行った。
- ^ a b “元宇宙飛行士ジョン・グレン氏が死去 米国人で初の地球軌道周回”. AFPBB News. (2016年12月9日6時7分) 2016年12月9日閲覧。
- ^ Glenn & Taylor 1999, pp. 204–206.
- ^ Vogel, Steve (1998年6月7日). “Pax River Yields a Constellation of Astronaut Candidates”. The Washington Post (Washington, DC). オリジナルの2016年12月20日時点におけるアーカイブ。 2016年12月8日閲覧。
- ^ “The History of Naval Air Station Patuxent River, Maryland”. United States Navy. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月10日閲覧。
- ^ “Jim Stockdale, Glenn's tutor at Pax River”. The National Aviation Hall of Fame. 2017年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月15日閲覧。
- ^ Glenn & Taylor 1999, pp. 208–210.
- ^ Glenn & Taylor 1999, pp. 212–220.
- ^ “Biographical Data”. Johnson Space Center (1999年1月). 2016年12月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月9日閲覧。
- ^ 2021年にブルーオリジンの宇宙船ニューシェパードで弾道飛行をおこなった82歳のウォリー・ファンクが「最年長の宇宙飛行」の記録を更新し(““宇宙”から帰還したジェフ・ベゾス、その「10分10秒」の旅と無重力体験の価値”. Wired. (2021年7月21日) 2021年7月22日閲覧。)、同年10月には俳優のウィリアム・シャトナー(当時90歳)がニューシェパードで弾道飛行を経験してさらに記録を伸ばしたが(“「カーク船長」シャトナー氏が90歳で宇宙旅行実現、「深遠な体験」”. ロイター通信. (2021年10月14日) 2021年11月19日閲覧。)、軌道宇宙飛行については依然としてグレンが最年長記録である。
- ^ “President Obama awards John Glenn with Medal of Freedom, nation's highest honor”. collectSPACE.com (2012年5月29日). 2012年6月3日閲覧。
- 1 ジョン・ハーシェル・グレンとは
- 2 ジョン・ハーシェル・グレンの概要
- 3 文献
- 4 外部リンク
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