シガテラ毒とは? わかりやすく解説

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シガテラ毒 [Ciguatera toxin(s)]

 熱帯または亜熱帯域のサンゴ礁棲息するや貝を摂食すると、しばしば激し神経性の食中毒をおこすことがある。とくに知覚障害特徴で、いわゆる"ドライアイス・センセーション"とよばれるドライアイス触れたときのような感覚になる。シガテラとは従来カリブ海シガという巻貝が原因した食中毒指していた。その後種々の魚介類によっても同じ症状食中毒がおこり、とくにウツボカマスカンパチヒラマサハタフエダイブダイハギなどの魚類による中毒多発した。これらの魚類をシガテラ毒とよんでいる。ただし、死亡例少ない。
この中毒の原因となる毒はシガテラ毒とよばれ、ポリエーテル化合物のシガトキン(ciguatoxin: CTX)と、海洋生物の中で最強毒性があり、きわめて複雑な構造であるマイトトキシン(maitotoxin : MTX)が知られている。シガテラ毒にはシガトキシン多く含まれ、それはガンビエルトキシン(ganbiertoxin:GTX)という毒をもっている渦鞭毛藻ガンビエルジスカス・トキシカスを摂取し魚体内でシガトキシン変化するといわれている。

シガテラ

(シガテラ毒 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/08 05:30 UTC 版)

シガテラ (ciguatera) とは、熱帯の海洋に生息するプランクトンが産生する毒素に汚染された魚介類を摂取することで発生する食中毒Gambierdiscus toxicus などの有毒渦鞭毛藻が原因であることが多い。「シガテラ」の呼称は、キューバに移住したスペイン人が、この地方で「シガ」 (cigua) と呼ばれる巻貝のチャウダーガイ (Cittarium pica) による食中毒の事を "ciguatera" と称したことに由来する。長い間、魚介類の毒化機構は不明であったが、1977年東北大学などの研究チームは、渦鞭毛藻類による Gambierdiscus toxicus が原因物質であることを確認し[1]生体濃縮で毒素を蓄積した魚介類の摂食が原因であることを明らかにした。シガテラ中毒とおぼしき記述は、1774年のキャプテン・ジェームズ・クックの航海記にもみられる[2]


  1. ^ シガテラと底生渦鞭毛藻阿嘉島臨海研究所(AMSL) (PDF)
  2. ^ 寺尾清、シガテラ(魚介類中毒)に関する第3回国際会議 -学会だより- 千葉医学雑誌 Vol.66 no.6 page.382-382 (1990-12-25), NAID 110006182989
  3. ^ シガテラ中毒 - メルクマニュアル家庭版
  4. ^ Blythe D, de Sylva D (1990). “Mother's milk turns toxic following fish feast”. JAMA 264 (16): 2074. doi:10.1001/jama.264.16.2074b. PMID 2214071. 
  5. ^ 貝毒以外の海洋性自然毒 厚生労働省
  6. ^ 大城直雅、稲福恭雄、『マリントキシンによる食中毒(シガテラ) 』 「公衆衛生」2009年5月号 73巻 5号 2009/5/15 p.333-336 doi:10.11477/mf.1401101550
  7. ^ a b シガテラについて』沖縄県、2016年4月14日。2017年10月15日閲覧
  8. ^ 鳥取部和弘、イシガキダイ由来のシガテラ毒による食中毒 食品衛生学雑誌 Vol.40 (1999) No.2 PJ227a-J228
  9. ^ 安元健:シガテラ 南方産魚類による食中毒 化学と生物 Vol.10 (1972) No.6 P.369-375
  10. ^ 谷山茂人: 本州で発生したパリトキシン様中毒とシガテラ日本水産学会誌, Vol.74, pp.917-918 (2008)
  11. ^ 東京地判平成14年12月13日 - 判例時報1805号14頁、東京高判平成17年1月26日 (PDF)


「シガテラ」の続きの解説一覧

シガテラ毒(-どく、英: ciguatera toxin)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/13 06:02 UTC 版)

魚類用語」の記事における「シガテラ毒(-どく、英: ciguatera toxin)」の解説

熱帯・亜熱帯地域生息する魚類食べて起こる食中毒総称。その固有のではなく有毒プランクトン産生され食物連鎖通じて蓄積されたもの。主な毒性を持つ物質としてシガトキシン(英: ciguatoxinCTX)とアルテリンなどが分離されている。バラフエダイバラハタドクカマスドクウツボなどの内臓筋肉存在する致死率低く、手や口の周り感覚異常運動失調などの神経系障害引き起こす。その他下痢嘔吐、ドライアイスセンセーション(英: dry-ice sensation)、関節痛倦怠感などを引き起こす

※この「シガテラ毒(-どく、英: ciguatera toxin)」の解説は、「魚類用語」の解説の一部です。
「シガテラ毒(-どく、英: ciguatera toxin)」を含む「魚類用語」の記事については、「魚類用語」の概要を参照ください。

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