シガテラ毒 [Ciguatera toxin(s)]
この中毒の原因となる毒はシガテラ毒とよばれ、ポリエーテル化合物のシガトキン(ciguatoxin: CTX)と、海洋生物の中で最強の毒性があり、きわめて複雑な構造であるマイトトキシン(maitotoxin : MTX)が知られている。シガテラ毒魚にはシガトキシンが多く含まれ、それはガンビエルトキシン(ganbiertoxin:GTX)という毒をもっている渦鞭毛藻ガンビエルジスカス・トキシカスを魚が摂取し、魚体内でシガトキシンに変化するといわれている。
シガテラ
(シガテラ毒 から転送)
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シガテラ (ciguatera) とは、熱帯の海洋に生息するプランクトンが産生する毒素に汚染された魚介類を摂取することで発生する食中毒。Gambierdiscus toxicus などの有毒渦鞭毛藻が原因であることが多い。「シガテラ」の呼称は、キューバに移住したスペイン人が、この地方で「シガ」 (cigua) と呼ばれる巻貝のチャウダーガイ (Cittarium pica) による食中毒の事を "ciguatera" と称したことに由来する。長い間、魚介類の毒化機構は不明であったが、1977年東北大学などの研究チームは、渦鞭毛藻類による Gambierdiscus toxicus が原因物質であることを確認し[1]生体濃縮で毒素を蓄積した魚介類の摂食が原因であることを明らかにした。シガテラ中毒とおぼしき記述は、1774年のキャプテン・ジェームズ・クックの航海記にもみられる[2]。
- ^ シガテラと底生渦鞭毛藻阿嘉島臨海研究所(AMSL) (PDF)
- ^ 寺尾清、シガテラ(魚介類中毒)に関する第3回国際会議 -学会だより- 千葉医学雑誌 Vol.66 no.6 page.382-382 (1990-12-25), NAID 110006182989
- ^ シガテラ中毒 - メルクマニュアル家庭版
- ^ Blythe D, de Sylva D (1990). “Mother's milk turns toxic following fish feast”. JAMA 264 (16): 2074. doi:10.1001/jama.264.16.2074b. PMID 2214071.
- ^ 貝毒以外の海洋性自然毒 厚生労働省
- ^ 大城直雅、稲福恭雄、『マリントキシンによる食中毒(シガテラ) 』 「公衆衛生」2009年5月号 73巻 5号 2009/5/15 p.333-336 doi:10.11477/mf.1401101550
- ^ a b 『シガテラについて』沖縄県、2016年4月14日。2017年10月15日閲覧
- ^ 鳥取部和弘、イシガキダイ由来のシガテラ毒による食中毒 食品衛生学雑誌 Vol.40 (1999) No.2 PJ227a-J228
- ^ 安元健:シガテラ 南方産魚類による食中毒 化学と生物 Vol.10 (1972) No.6 P.369-375
- ^ 谷山茂人: 本州で発生したパリトキシン様中毒とシガテラ日本水産学会誌, Vol.74, pp.917-918 (2008)
- ^ 東京地判平成14年12月13日 - 判例時報1805号14頁、東京高判平成17年1月26日 (PDF)
シガテラ毒(-どく、英: ciguatera toxin)
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「魚類用語」の記事における「シガテラ毒(-どく、英: ciguatera toxin)」の解説
熱帯・亜熱帯地域に生息する魚類を食べて起こる食中毒の総称。その魚に固有の毒ではなく、有毒プランクトンで産生され、食物連鎖を通じて蓄積されたもの。主な毒性を持つ物質としてシガトキシン(英: ciguatoxin、CTX)とアルテリンなどが分離されている。バラフエダイ、バラハタ、ドクカマス、ドクウツボなどの内臓や筋肉に存在する。致死率は低く、手や口の周りの感覚異常や運動失調などの神経系障害を引き起こす。その他下痢や嘔吐、ドライアイスセンセーション(英: dry-ice sensation)、関節痛、倦怠感などを引き起こす。
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