アマモ場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/27 17:06 UTC 版)
アマモは沿岸砂泥域における主要な一次生産者である。同属のコアマモと同様、遠浅の砂泥海底に「アマモ場(ば)」あるいは「藻場(もば)」と呼ばれる大群落を作る。アマモ場は潮流を和らげ、外敵からの隠れ場ともなるため、魚類や頭足類の産卵場所、または幼稚魚や小型動物の生息場所となる。また、富栄養化のもととなる窒素やリンを吸収し、水質浄化の面でも重要な役割を果たしている可能性がある。 アマモのバイオマスを直接消費する動物はジュゴンやハクチョウなど限られているが、アマモの葉はその生育期間に次々に更新し、大量の枯死した葉が生じる。この枯死したアマモの葉は、微生物によって分解し、デトリタス(デトライタス)と呼ばれる様々な微生物が繁殖した有機物片となる。このデトリタスが貝類や甲殻類のような様々な底生動物(ベントス)の餌となり、これらの底生動物は魚類などの餌となる。 アマモ、またはその近縁種に依存する生物群としては以下のようなものがいる。 海藻 - 無節サンゴモ、オゴノリなど 頭足類 - イイダコ、ヒメイカ、ダンゴイカなど 貝類 - シワホラダマシなど 魚類 - シロウオ、アミメハギなど 甲殻類 - 端脚類各種、クルマエビ科各種、コシマガリモエビ、ツノモエビ、ホソモエビ、スジエビモドキ、ホッカイエビ、マメコブシガニ、ガザミなど 昆虫類 - 砂浜海岸に生息するハマベゾウムシ、ゴミムシ類 爬虫類 - アオウミガメ 哺乳類 - ジュゴン
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