p-トルエンスルホン酸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/19 08:12 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動p-トルエンスルホン酸[1] | |
---|---|
4-メチルベンゼンスルホン酸 | |
別称 トシル酸 p-トルエンスルホン酸 PTSA | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 104-15-4 無水, 6192-52-5 一水和物 |
| |
特性 | |
化学式 | C7H8O3S |
モル質量 | 172.20 g/mol 190.22 g/mol (一水和物) |
示性式 | CH3C6H4SO3H |
外観 | 無色または白色固体 |
融点 |
106-107 °C |
沸点 |
140 °C at 20 mmHg |
水への溶解度 | 67g/100 ml |
酸解離定数 pKa | -2.8 |
構造 | |
分子の形 | 四面体 |
危険性 | |
主な危険性 | 皮膚を刺激 |
Rフレーズ | R36/R37/R38 |
Sフレーズ | S26 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
製法
トルエンを、濃硫酸あるいは発煙硫酸の作用によりスルホン化させて合成する。このときに副成するオルト体は、サッカリンの原料となる。
用途
有機溶媒に可溶な強酸であること、共役塩基の陰イオン(トルエンスルホナートアニオン、CH3C6H4SO−
3)の求核性が低いことなどから、有機合成において酸触媒として多用される。
水酸化ナトリウムで中和するとナトリウム塩が得られ、そこへ五塩化リンを作用させると塩化パラトルエンスルホニルが得られる。
パラトルエンスルホン酸のピリジニウム塩である、パラトルエンスルホン酸ピリジニウム(pyridinium p-toluenesulfonate、略称 PPTS)も、穏和な酸触媒として有機合成で用いられる。
パラトルエンスルホナートアニオンは、その負電荷が非局在化されており安定で求核性も低い性質から、優れた脱離基でもある。アルコールのヒドロキシ基を求核種で置換したい場合に、ヒドロキシ基をいったんパラトルエンスルホン酸エステル(トシラート)に誘導し、それから求核剤を作用させてトシル基と求核種を置き換える経路が用いられる。
また、直接第Xa因子阻害薬の1種であるエドキサバン、抗アレルギー薬のスプラタストなどの医薬品は、パラトルエンスルホン酸との塩の形にして製剤化されている。
出典
- ^ Merck Index, 11th Edition, 9459.
- 1 p-トルエンスルホン酸とは
- 2 p-トルエンスルホン酸の概要
- 3 関連項目
固有名詞の分類
芳香族化合物 |
イソインドリン フタル酸ジイソノニル P-トルエンスルホン酸 キサンテン メタクロロ過安息香酸 |
- p-トルエンスルホン酸のページへのリンク