THE TOKYO TOWERS 広告、販売

THE TOKYO TOWERS

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/22 10:05 UTC 版)

広告、販売

分譲住戸販売時に、電通が中心となり、THE TOKYO TOWERSへのブリッジキャンペーンである I LOVE NEW TOKYO キャンペーン が展開された。イメージキャラクターに米国の俳優リチャード・ギアを起用し、広告費として不動産広告史上空前の30億円が投じられた。このキャンペーンにおけるギアのフィーは、チベットの民主化を支援する基金である The Gere Foundation に寄付された。

都心回帰の傾向に加えて、地価高騰の兆しや金利先高観を背景に2005年平成17年)7月の発売から約4カ月間で約9割が「記録的と言えるスピード」で成約し、翌年10月に完売した。特に2005年(平成17年)8月には単月で1,101戸を販売し、同月の首都圏におけるマンション供給数の約20パーセントを THE TOKYO TOWERS 1物件が占めた[7]

事業主であるオリックス不動産が、THE TOKYO TOWERSを中心にデザイン性の高い代表物件を「都市・街の象徴=ランドマーク」として紹介した映像「ORIX LANDMARKS」は、2008年(平成20年)度ニューヨークフェスティバル国際広告賞にて銅賞(Bronze World Medal)を受賞した。

賃貸住戸部

総戸数2,794戸のうちミッドタワーの3階から30階までの813戸を高級賃貸住宅として設定。エントランスは賃貸住戸用と分譲住戸用とで分けられ、共有施設も低層棟をのぞいて賃貸住戸専用施設として設ける。

賃貸住戸部は当初都市再生機構の持ち分とされていたが、2005年平成17年)12月に同機構が事業譲渡先を公募し、アリコジャパンならびにオリックスが構成員となる投資ファンドへの売却が決定された。

計画から着工までの経緯

THE TOKYO TOWERS の事業は、ミサワホームが構想していたミサワシティプロジェクトを前身とし、ミサワホームの経営状態悪化から2004年(平成16年)1月住友商事への譲渡が決定されたものである。

  • 1991年(平成3年) - ミサワホームが日本食糧倉庫が所有する勝どき6丁目の土地1万坪を、不動産流通子会社(MRD)に日本食糧倉庫を吸収合併させる企業買収により取得する(高層棟部が該当地である)。この買収では、後に事業を引き継ぐ住友商事が競合であった。
  • 2000年春 - コスモスイニシアが計画していた勝どき6丁目マンションが地域住民の反発から建設中止となり、事業用地をミサワホームが取得する(低層棟部が該当地である)。
  • 2000年(平成12年)8月 - 勝どき開発株式会社から東京都に(仮)勝どき六丁目開発事業の環境影響評価調査計画書が提出される。高さ200メートル、総戸数2,500戸、駐車場2,300台、居住施設+事務所、2002年(平成14年)6月着工の2005年(平成17年)5月竣工という計画であった。
  • 2001年(平成13年)
    • 4月 - ミサワシティ株式会社(勝どき開発から改名)から東京都に、(仮)勝どき六丁目開発事業の環境影響評価書案が提出される。高さ192メートル、総戸数2,800戸、駐車場2,000台、居住施設+商業・業務施設、2002年(平成14年)6月着工の2005年(平成17年)5月竣工という計画であった。
    • 7月 - 東京都による再開発地区計画、中央区による市街地再開発促進区域の都市計画の決定を受ける。
  • 2002年(平成14年)
  • 2003年2月 - ミサワホームが特別目的会社(SPC)にUFJ信託銀行に信託していた事業地の信託受益権を譲渡、野村證券を主幹事に社債600億円を発行し生損保等の機関投資家に販売する方向に(日経新聞)。2棟で900億円の事業費調達が困難な状況だった。
  • 2003年(平成15年)
    • 11月 - 都市基盤整備公団(現在の都市再生機構)が具体的な事業支援内容を表明する。支援は保留床の処分スキームにとどまり、事業費調達の課題は残ったままだった。
    • 12月 - ミサワホームによる個人施工から、複数の出資企業から成るSPCミサワ都市開発による会社施工の事業に転換する。
  • 2004年(平成16年)
    • 1月 - ミサワホームは経営状態の悪化から事業の継続を断念し、事業地周辺の再開発に取り組み、かつて同事業地取得にも名乗りを上げていた住友商事への事業(SPCの株式)譲渡に基本合意する。
    • 3月 - 住友商事への事業譲渡が完了する。譲渡価格は一説によると簿価850億円に対し153億円である。簿価に対しては破格値であるが、会社経営用資金調達の担保に入れられていたためこの価格で譲渡するのが精一杯だったとも言われる[8]
    • 11月 - 東京都より、勝六再開発株式会社(出資者:住友商事、都市再生機構、オリックス不動産東急不動産の4社)が施工者となる勝どき六丁目地区市街地再開発事業の施工認可を受け、首都圏初の再開発会社施行方式による再開発事業となる。
    • 12月 - 東京都より、再開発事業権利変換認可、民間都市再生事業大臣認定を受ける。
  • 2005年(平成17年)1月 - 着工。
  • 2008年(平成20年)1月 - 竣工。

  1. ^ 高層棟2棟、低層棟1棟で構成されるが建築基準法に基づく「総合設計による一団地認定」を受ける。また、地下2階から地上3階にかけて互いに連結する建物構造のため、区分所有法上も1棟の建物となる。
  2. ^ JFE 技報No. 21(2008年8月)「エネルギー吸収デバイスを用いた超高層建物の制振構造」
  3. ^ 防災科学技術研究所による実大実験(鉄骨造実験研究 制振構造建物実験、長周期地震動を受ける高層建物のダンパー補強と室内対策に関する震動台実験)にて、長周期地震動などに対し超高層建築では制震構造に揺れを抑える効果があると確認
  4. ^ HORITECH /堀江 徹の成功するリニューアル/照明・音響デザイン [1]
  5. ^ 財団法人日本建築センター BCJ-CAS0002-NC(c)
  6. ^ 建築画報社「VA建築画報330 特別号 環境・エネルギー問題への取り組み 日本の提案 2008」
  7. ^ 不動産経済研究所 首都圏マンション市場動向(2005年8月)
  8. ^ 阿部和義「トヨタホームとミサワホームの住宅問題の背景」
  9. ^ シータワーの概要にはシーサイドアネックスを含む。






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