SMAW ロケットランチャー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/07 10:00 UTC 版)
概要
SMAWは、発射筒の後部に弾薬ケースと発射管を兼ねたチューブを取り付ける構造になっている。チューブは使い捨て式で、多目的な用途に合わせて多様な種類が開発供給されており、適宜選択して使用できる。発射筒はファイバーグラス強化樹脂製で、下面にグリップや撃発装置、左側面には照準装置、右側面にはスポッティングライフル、後端には弾薬チューブと連結するためのコネクタが付属する。
イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ(IMI)社のB-300を元にマクドネル・ダグラス社が開発した。
従来のロケットランチャー
第二次世界大戦以来、ロケット擲弾発射器は歩兵自身が携帯できる軽便な火器として活躍してきた。最も期待されるのは成形炸薬弾の貫徹力を生かした対戦車・対トーチカ兵器としてである。
しかし、炸薬入り弾頭を数十-数百メートル先まで直接照準で投射できる能力は何かと重宝され、現場の需要に応える形でそれに留まらない多目的な火力支援にも活用されており、柔目標や陣地に対してもよく使用される。
発射される弾頭も、任務の多様化に合わせて榴弾や煙幕弾などが開発され、かつての歩兵砲に近いニッチを獲得するに至った。
分化するロケットランチャー
戦車の装甲の高性能化に対抗して、対戦車兵器としてのロケットランチャーも大型・複雑化を遂げている。一部は対戦車ミサイルとして誘導能力を有する。
しかし、これらのロケットランチャーは、戦車以外の目標に発射するにはいささか大型で高価になり過ぎてしまった。敵の籠もる建造物や銃座などを破壊するために1発数百万-数千万円の対戦車ミサイルが撃ち込まれる光景は珍しく無いが、その不経済さは明らかであった。
一方で、M72 LAW軽ロケットランチャーは対戦車用途には明らかに力不足だが、とても小型で軽く、そして、安価であった。そのため、歩兵が気軽に携帯し、軽車両や建造物に対して使用する多目的ロケットランチャーとしてのニッチを獲得した。M72は現在でも使用と生産が続けられている。SMAWはこの系譜である。
SMAW ロケットランチャー
アメリカ海兵隊は、上陸・外征部隊という性格上、歩兵が十分な火力支援を得られない事が多い。そのため、歩兵部隊自身が携帯できる火力支援兵器を要求した。それがSMAW ロケットランチャーである。
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