RQ-4
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/13 05:32 UTC 版)
RQ-4の特徴
機体
高高度を長時間飛行するため、全長の3倍近い全幅とアスペクト比の極めて大きなテーパー翼を持った、グライダーのような外形をしている。胴体後部に単発のターボファンエンジンおよびV字尾翼を装備し、機首上部の盛り上がった部分には衛星通信用のアンテナが収められている。翼は炭素繊維複合材でできている。有人機の場合、緊急時の乗員の脱出のための射出装置を上部方向に設置する必要があり、脱出時に乗員を吸い込むことを防ぐために上部にエンジンの吸気孔を設置することができず、上部がデッドスペースになる。これに対して、無人機である本機は、吸気孔を上部に設置可能で、下部を地上探査のために有効に活用することが可能となっている。また運用上、胴体の影となって生ずる乱流吸気によるエンジンストールをもたらしかねない、高迎角飛行を考慮する必要が無い事も、このレイアウトを可能にしている。
偵察機器類
RQ-4は、機内に合成開口レーダー(SAR)、電子光学/赤外線(EO/IR)センサーを搭載し、各センサーは広域に渡っての捜索・監視活動が可能で、高解像度のスポット・モードを使用することもできる。
合成開口レーダーはSARストリップ・モードで1m、SARスポット・モードでは30.5cmの解像度を有する。地上移動目標識別(GMTI)モードでは、20-200kmの範囲内を最低4kt[1]の速度で飛行し、移動目標の識別を行う能力を有している。
EO/IRセンサーは、1mの分解能で約4万平方mi(約10万平方km)に渡っての捜索・監視活動が可能で、0.3mの分解能で最大1,900のスポット画像を取得する能力を備えている。目標の探知精度は、半数必中界(CEP)が20mとされている。
ブロック30ではASIP(航空機搭載信号情報収集)機材の搭載により画像偵察に加えてSIGINT任務に使用することも可能になり、最新型のブロック40はMP-RTIP(マルチプラットフォーム・レーダー技術挿入計画)レーダーを搭載した地上監視/指揮用のモデルとなっている。
- ^ 要出典
- ^ グローバルホーク2機目到着 青森・三沢基地 2014.5.28産経ニュース
- ^ 米無人機「グローバルホーク」を撮影、日本配備へ課題も 2014年5月28日TBS Newsi
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固有名詞の分類
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