Macintosh 128K
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/19 05:03 UTC 版)
アップグレードサービスの用意
Apple社は「公式」の、ただしかなり高額の、アップグレードサービスを用意していた。Macintosh 128Kには、以下のいずれのキットも、単独でも組合せでも、追加することができた。全てのアップグレード作業はApple社のプロの技術者が担当した。
- Macintosh 512Keへのアップグレード
ロジックボードを128Kタイプから512Kタイプへ交換する、というもの。
他にも、Apple社は「800KBフロッピーディスク用のキット」を用意しており、そこには512Kロジックボードへの更新と、128KROMへのアップグレードも含まれていて、つまりそちらでもMacintosh 512Keへとアップグレードできた。
- Macintosh Plusへのアップグレード
ロジックボードを「128K」から「512Ke」へアップグレードして、同様に筐体も入れ替えて、結局Macintosh Plusへとアップグレードすることもできた(ただしこの場合、純正のMacintosh Plusとは出力端子の配置が異なるものとなる)。Macintosh Plusの拡張キーボードも選択できた。
開発者らの署名
1982年初頭に作られたMacintoshの筺体の金型には、筐体の内側、つまりユーザからは見えない面に、開発関係者のビル・アトキンソン、アンディ・ハーツフェルド、スティーブ・ジョブズ、バド・トリブル、ジェフ・ラスキン、スティーブ・ウォズニアック、ジョアンナ・ホフマン、ジェリー・マノックら47名の署名が彫られていた[12]。
過熱と対処法
当機は放熱が十分でなく、過熱問題がつきまとった。
スティーブ・ジョブズは静穏なコンピュータを好んでおり[13]、本機の開発時、ジョブズの判断で、騒音の元になる冷却ファンを取り付けることが見送られたという経緯がある。たしかにそのおかげで静かな製品とはなったが、そのかわりに熱問題が伴ってしまったのである。
たとえば夏季などに筺体内部のFDDドライブ等がひどく発熱してしまい、一部では挿入したフロッピーディスクのラベルが茶色く焦げ気味になる事態まで起き、当機は「The beige toaster(ベージュ色のトースター)」というあだ名までつけられてしまった。
Larry Pinaが当機の問題点を解消するためのDIY方式の安価な改修法の、総計数百ページにもおよぶ以下のマニュアルを公表・出版した。
- ^ a b Linzmayer, Owen W. (2004年). Apple Confidential 2.0. No Starch Press. pp. 113. ISBN 1-59327-010-0
- ^ “The Macintosh Product Introduction Plan”. 2009年7月18日閲覧。
- ^ a b 「キヤノン販売、米アップルの「マッキントッシュ」を69万8000円で12日発売。」『日経産業新聞』1984年4月10日、4面。
- ^ 当時の日本円で約59万円。
- ^ Macintosh 128K: Technical Specifications
- ^ System Software: Configs for Mac 128K, XL, 512, & 512KE (7/94)
- ^ History of computer design: Apple Macintosh
- ^ トリビア:マッキントッシュシリーズを通してマウスは「ワンボタン」であることが継承されてゆく。
- ^ トリビア:これはDTPの72PPIの規格の元になった。
- ^ これが当機の弱点、欠点となった。ただしアップル社純正の(だが高価な)アップグレードサービスも用意されていた。(後述)
- ^ マッキントッシュ礼賛 1987, p. iii.
- ^ “シリコンバレー101(550) Macintoshプロジェクトチームの同窓会で実感、ぶれないAppleのスゴさ” (日本語). マイナビニュース 2018年6月27日閲覧。
- ^ 1985年にジョブスがAppleを去った後、1987年に発売されたMacintosh SEでは冷却ファンが取り付けられた。後にジョブズが復帰しファンを除去してリリースしたPower Mac G4 Cubeで再び熱問題を起こすこととなった。
- 1 Macintosh 128Kとは
- 2 Macintosh 128Kの概要
- 3 主構成
- 4 アップグレードサービスの用意
- 5 ギャラリー
- 6 参考文献
固有名詞の分類
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