DAIVA
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/03 15:13 UTC 版)
ジャンル | アクティブ・シミュレーション・ウォー |
---|---|
対応機種 |
PC-8801mkIISR FM77AV X1 MSX MSX2 ファミリーコンピュータ PC-9801VM/UV |
開発元 | T&E SOFT |
発売元 | T&E SOFT(ファミコン版:東芝EMI) |
人数 | 1~2人 |
概要
架空の銀河系を舞台とした、7つのストーリーで構成されるスペースオペラをベースにしたシミュレーションゲーム。
1986年当時に国内で販売されていた主要なパソコン6機種とファミコンで販売する事、各機種間でデータの互換性がある事、二人同時プレイが行える事を念頭に制作されており、内容が簡略化されたファミコン版や、各機種のハードウェア仕様に大きく依存するアクションゲームパートを除くと、どの機種版もほぼ同じゲーム内容となっている。
またインド神話(用語)にインスパイアされた壮大な物語設定が用意されている。各機種ごとに設定されたストーリーがその他の機種のストーリーとも相互に関わりを持ち、それを艦隊データのパスワードという形で実際のプレイに反映できるという、当時としては斬新なプロモーションが展開された。
ファミコン版とPC-9801版を除き、星系開発及び艦隊戦のウォーシミュレーションゲームと惑星戦のアクションゲームを内包したゲームシステムを特徴としており、メーカーは『アクティブ・シミュレーション・ウォー』というジャンル名を自称していた。なお、PC-9801版は惑星戦もシミュレーションパートの一部となり、アクションパートは廃止されている。ファミコン版は星系開発の要素をオミットするなどシミュレーションパートが簡略化され、艦隊戦と惑星戦のみとなっている。
『WAR DATA』と呼ばれるパスワードによりプレイヤーの戦力データをそのまま他機種へ引き継ぐ事ができる。これにより他機種から援軍を送り込み、艦隊戦での艦隊増強や惑星戦での2人同時プレイを行う事が可能。
2003年12月11日にボーステックより全機種版をひとつにまとめた『ディーヴァ・クロニクル』が発売された。また、2005年12月23日にはAmusement Center プロジェクトEGG・PLUSから『ディーヴァ全シナリオセット』も発売された。
タイトルである「ディーヴァ」は、サンスクリットで「神」を意味する言葉である「デーヴァ」(Deva)に由来する。
タイトル一覧
※特記の無い限りメディアはフロッピーディスク。
- STORY1 ヴリトラの炎/FLAMES OF VLITRA
- PC-8801mkIISR用。1987年2月発売。ナーサティア双惑星のデモでスーパーレイドックのCrash! Crash!が流れる。
- 主人公はルシャナ=パティー。
- STORY2 ドゥルガーの記憶/MEMORY IN DURGA
- FM77AV用。1987年3月発売。
- 主人公はア=ミターバ。
- STORY3 ニルヴァーナの試練/TRIAL OF NIRVANA
- X1用。1987年2月発売。FM音源ボードに対応しているが、オープニングとエンディング以外の曲はPSGのみで演奏される。
- 主人公はアモーガ=シッディー。
- STORY4 アスラの血流/ASURA'S BLOODFUED
- MSX用(要メインRAM 16KB以上)、2Mbit ROMカートリッジ。1987年4月発売。ゲームデータ保存にデータレコーダが必要。
- 主人公はラトナ=サンバ。
- STORY5 ソーマの杯/THE CUP OF SOMA
- MSX2用(要VRAM 128KB)。1987年3月発売。後にMSX・FAN1993年12-1月号のスーパー付録ディスクのコーナー「oldies」に収録された。
- 主人公はアクショー=ビア。
- STORY6 ナーサティアの玉座/IMPERIAL OF NIRSARTIA
- ファミリーコンピュータ用。1Mbit ROMカートリッジ。1986年12月5日発売(販売:東芝EMI(現・ユニバーサル ミュージック))。
- ゲーム開始時にLEVEL1~4の四段階の難易度を選択出来るが、WAR DATAは最高難度のLEVEL4でしか出力出来ない。
- 二人同時プレイ時は星間移動画面が上下二分割で表示される。
- 主人公はマータリ=シュバン。
- 2022年7月22日より、Nintendo Switch向けのオンラインサービス『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』で配信開始された[1][2]。
- STORY7 カリ・ユガの光輝/LIGHT OF KARI YUGA
- PC-9801VM/UV用。1987年12月発売。CPUが80286以上の機種では動作が保証されず、オープニング後にフリーズする、エンディングに進まなくなる等の異常が見られた。FM音源対応だが、音楽はオープニングと各シナリオのエンディングでしか流れない。
- メインシナリオ『カリ・ユガの光輝』と、他ストーリーでの出来事をベースにしたサブシナリオ『カウトゥーン攻略』『アデルタ宙域戦』『スタロッサ炎上』『ナーサティアへの道』がプレイできる。それぞれ指定された期間内に勝利条件を満たせばクリアとなる。
- 主人公はクリシュナ=シャーク。
当初の広告ではSTORY7の機種名が伏せられており、最初にリリースされたファミコン版から1年遅れの発売だった。
各機種の主人公達はストーリー上で横の繋がりを持ち(MSX2⇔X1⇔MSX⇔PC-8801mkIISR⇔PC-9801⇔ファミコン⇔FM77AV)、他機種版の主人公がイベントシーンに登場する事がある。
幻のオンライン版
(この節の出典:[3])
京都の通信事業者・日本テレネットが展開していた通信ネットワーク「THE LINKS」で稼働するオンラインタイトル「ディーヴァ 〜ドクターアマンドラ(Dr.AMANDORA)〜」が開発されていたが、実現しなかった。対応機種はMSX・MSX2(要RAM 64KB)。ゲーム内容としては、ネットワークを介して8人同時プレイ可能なシミュレーションゲームとなる予定だった。
プレイヤーはまず星系内に存在する16の惑星から、拠点となる任意の惑星を選択し、自軍名と共にホストコンピュータに登録する。すると、ホスト側よりゲーム開催日とスタート時刻が指定され、その日程に従ってプレイ開始となる。
その後は既存タイトルと同様、惑星への司政や艦隊製造や管理を進めつつ、他の惑星を攻略していく。
自軍艦隊は最大4つに分割可能。惑星戦はアクションゲームではなく、艦隊が保有するドライビングアーマーまたはストーミーガンナーを任意の機数投入し勝敗を決する、PC98版を簡略化した様な方式で行う。
また、画面内に他プレイヤーとのチャット機能を行えるウィンドウが備わっている。
基本ストーリー
マウトレーア暦3721年。ヴィシュヌ銀河を駆け抜けた一筋の閃光と共に、主星アルジェナが崩壊。4000年に渡り銀河を統べて来たインドゥーラ帝国、その皇帝『黄金帝』マヌもこのとき身罷られ、帝国は崩壊。銀河には混沌の時代が訪れた。
アルジェナ崩壊の首魁は、元帝国宇宙軍最高司令官シヴァ=ルドラだった。邪神アスラの化身であるシヴァは、帝国の壊滅と混乱に乗じて軍を掌握すると、人工有機体兵器『ヴリトラ』を使役しさらなる殺戮を繰り返しながら、相容れぬ善の象徴ディーヴァを滅ぼすため、ナーサティア双惑星を目指す。
そして、混迷するヴィシュヌ銀河に生きる、立場も境遇も違う7人の男達。彼らもまた過酷な運命に翻弄されつつも、ナーサティア双惑星へと導かれていくのであった。
注釈
出典
- ^ “「ディーヴァ STORY6 ナーサティアの玉座」などの3タイトルがファミコン&スーファミ Nintendo Switch Onlineに登場”. 4Gamer.net (2022年7月22日). 2022年7月22日閲覧。
- ^ “【7月22日追加】『ファミリーコンピュータ&スーパーファミコン Nintendo Switch Online』追加タイトルが配信開始。”. 任天堂 (2022年7月22日). 2022年7月23日閲覧。
- ^ 「やってみたい みてみたい MSX専用通信!」『MSX・FAN』1987年12月号特別付録、徳間書店、1987年11月8日。
- ^ (日本語) 【2022/4/16】浅倉大介が語る ゲーム音楽の世界【GAME×MUSIC】│ヤマハミュージックリテイリング 2022年4月22日閲覧。
- ^ (日本語) 【2022/4/16】浅倉大介が語る ゲーム音楽の世界【GAME×MUSIC】│ヤマハミュージックリテイリング 2022年4月22日閲覧。
- ^ 収録内容はいずれも最初に発売されたものと同一。
- ^ “エンジン、絶版ゲームサントラCD復刻盤「グラナダ」など3タイトルの受注を開始。300人以上で発売決定”. game.watch.impress.co.jp. 2022年4月22日閲覧。
- ^ 例えば自社イベント会場でT&E SOFTのユーザーズクラブに加入した際に、チラシやシール、ポスター等と一緒に手渡された。
- ^ a b TOMMYs'シゲが作った曲
固有名詞の分類
- DAIVAのページへのリンク