非行少年
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/20 08:47 UTC 版)
犯罪少年
犯罪少年(はんざいしょうねん)とは、罪を犯した少年(少年法3条1項1号)をいう。
有責性
犯罪少年と評価するためには、その少年が行為について有責であることを要するかが議論されている。伝統的に、有責性必要説が多数説とされてきたが、有責性不要説に立つ学説、裁判例も有力である。
有責性必要説は、(1)「罪を犯した」(少年法3条1項1号)とある以上、犯罪の成立要件を全て満たすこと、すなわち構成要件に該当する違法な行為を有責に行ったことが必要なのは当然である、(2)保護処分も少年にとって不利益、不名誉な処分であることは刑事処分と大差はないから、これに付するには非難可能でなければならないし、またそうでなければ少年の納得も得られないなどと主張している。
有責性不要説は、(1)立法経過からみても有責性は不要と解すべきである、(2)有責性を要するとすれば、行為時に責任能力を欠き、審判時にこれを回復したような少年(例えば、薬物の濫用により一時的な心神喪失に陥って犯罪行為をなした場合)については、保護処分に付すことができず(心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律3条3項参照)、審判時に回復していれば入院措置(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律29条)もとれないこととなり、適切な処遇を欠くなどと主張している。
訴訟条件・処罰阻却事由
親告罪の告訴や公訴時効(刑事訴訟法257条)などの訴訟条件や、親族相盗(刑法244条1項)などの処罰阻却事由は、犯罪の成否とは無関係であるから、少年保護手続では、訴訟条件を欠いたり処罰阻却事由がある行為についても審判の対象とすることができる。
もっとも、例えば強姦(刑法177条)が親告罪とされた(同法180条)のは被害者の心情に配慮する趣旨であり、このような訴訟条件や処罰阻却事由が設けられた趣旨を没却することがないように調査・審判(あるいはその前提となる捜査)を進めるべきは当然である。この点、少なくとも親告罪については、被害者から告訴を得て送致するのが捜査実務の通例のようである。
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