道路交通情報通信システム 沿革

道路交通情報通信システム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/16 19:22 UTC 版)

沿革

1960年代

1966年(昭和41年):4月、本邦初の試みとして、銀座地区の信号に「面的な交通整理」の目的で電子機器を用いた中央制御機能を試験的に実装。後に東京都内36箇所に制御対象を拡大。今日の交通管制センター発足の嚆矢[7]

1970年代

1973年(昭和48年):首都高速道路交通管制センター設立。通産省工業技術院が「自動車総合管制システム(CACS)」の開発を開始。CACSは交差点近傍の発信装置より交通管制センターより提供される経路誘導情報を周囲の車両に送信するもので、世界初の動的経路誘導システムとされた[8]
1977年(昭和52年):CACSの実証実験を開始。実験の成果は良好であったが、実用化のインフラ整備の主体となる官庁を決定できず、2年後の1979年(昭和54年)に実験を終了する[8]

1980年代

1984年(昭和59年):道路新産業開発機構、CACSの概念を元にした新しいシステム、「路車間情報システム(RACS)」の研究会を発足させる。
1986年(昭和61年):建設省土木研究所・民間25社をメンバーとして、「路車間情報通信システム(RACS)」の実験開発。RACSはCACSの概念を引き継いで発展させたもので[9]、路上に設置されたビーコンを用いて車両との通信を行うシステムであり、カーナビゲーションの機能も限定的に有していた[8]
1987年(昭和62年):財団法人日本交通管理技術協会が主体となり、警察庁の指導のもと、民間15社にて「新自動車交通情報通信システム(AMTICS、アムテックス)」の実験開発。1987年当時の新聞報道に依ると、アムテックスの装置は小型のCRTディスプレイと地図データが入力されたCD-ROMを読み込むCDドライブで構成されており、全国74箇所の交通管制センターから提供される渋滞情報を地図上に表示する他、自車の現在位置、目的地への経路情報なども表示するというカーナビゲーションの機能も包括して有していた。警察庁はアムテックスを渋滞問題解決の切り札として捉えており、1989年(昭和64年)までにシステムを完成させ、翌1990年5月の国際花と緑の博覧会にて実用化する見込みとされ、初期はタクシー運輸業貨物自動車から普及を促進し、実用化後10年で日本全体の車両の1/4から半分に当たる1200万-2100万台への普及を目指すとされた。当時の販売予定価格は初期は1台20万円、普及後は1台10万円程度が目標とされ[10]、当時のアンケートでは購入価格が20万円であればアンケート回答者の70%が購入を希望したという[11]。RACS及びアムテックスの普及の障害となったのは、官庁間の縦割り行政であった。RACSの場合路面へのビーコンの設置自体は道路管理者である建設省が主体となり行えたが、渋滞情報は警察庁より提供を受ける必要があった。逆に警察庁が主導するアムテックスは、無線パケット通信を行うテレターミナルを建設省及び地方自治体が管理する道路上に多数設置しなければならない事が課題とされていた[12]。結局、アムテックスは東京都心や万博会場等で開発が重ねられたものの、後にRACS共々VICSに統合された[13]

1990年代

  • 1990年(平成2年)
03月00 :警察庁郵政省建設省をメンバーとして、「道路交通情報通信システム連絡協議会(VICS連絡協議会)」発足[14]
  • 1991年(平成3年)
10月00 :「VICS推進協議会」発足[14]
  • 1994年(平成6年)
09月00 :「道路交通情報通信システムセンター設立準備室」をVICS推進協議会内に設置[15]
  • 1995年(平成7年)
06月00 :「VICSセンター(仮称)」設立発起人会開催[15]
07月01日:「財団法人道路交通情報通信システムセンター(VICSセンター)」設立[15]
11月00 :第2回ITS世界会議(横浜)でVICS搭載車の試乗会を実施、VICSが実用段階にあることを示す
  • 1996年(平成8年)
04月23日:東京・神奈川・埼玉・千葉4地区で情報提供サービス開始
12月17日:大阪地区で情報提供サービス開始[15]
  • 1997年(平成9年)
04月24日:愛知地区で情報提供サービス開始
11月25日:京都地区で情報提供サービス開始
12月00 :第3回地球温暖化防止国際会議(京都)に際し、VICS搭載車の試乗会を実施[15]
  • 1998年(平成10年)
01月12日:長野地区で情報提供サービス開始
02月00 :長野オリンピック期間中に特別対応[15]
03月31日:兵庫地区で情報提供サービス開始
  • 1999年(平成11年)
04月00 :FM多重放送による情報提供の終日(24時間)サービスの開始[15]
04月06日:福岡地区で情報提供サービス開始
04月06日:広島地区で情報提供サービス開始
05月07日:宮城地区で情報提供サービス開始
05月20日:札幌地区で情報提供サービス開始
11月30日:静岡地区で情報提供サービス開始
12月21日:群馬地区で情報提供サービス開始

2000年代

  • 2000年(平成12年)
03月07日:岡山地区で情報提供サービス開始
04月07日:福島地区で情報提供サービス開始
05月11日:沖縄地区で情報提供サービス開始
06月09日:宮崎地区で情報提供サービス開始
07月00 :沖縄サミットに際し、VICS情報のパネル展示を実施[15]
07月14日:岐阜地区で情報提供サービス開始
07月22日:三重地区で情報提供サービス開始
08月10日:山口地区で情報提供サービス開始
09月22日:茨城地区で情報提供サービス開始
12月14日:旭川地区で情報提供サービス開始
  • 2001年(平成13年)
01月19日:和歌山地区で情報提供サービス開始
02月16日:滋賀地区で情報提供サービス開始
03月09日:奈良地区で情報提供サービス開始
03月22日:栃木地区で情報提供サービス開始
05月03日:山梨地区で情報提供サービス開始
06月18日:新潟地区で情報提供サービス開始
07月19日:石川地区で情報提供サービス開始
08月06日:函館地区で情報提供サービス開始
09月07日:熊本地区で情報提供サービス開始
09月21日:大分地区で情報提供サービス開始
10月19日:室蘭地区で情報提供サービス開始
11月16日:香川地区で情報提供サービス開始
12月07日:愛媛地区で情報提供サービス開始
  • 2002年(平成14年)
01月13日:佐賀地区で情報提供サービス開始
02月22日:長崎地区で情報提供サービス開始
03月01日:鹿児島地区で情報提供サービス開始
05月17日:徳島地区で情報提供サービス開始
06月27日:高知地区で情報提供サービス開始
07月17日:福井地区で情報提供サービス開始
08月21日:富山地区で情報提供サービス開始
09月19日:山形地区で情報提供サービス開始
10月04日:秋田地区で情報提供サービス開始
11月22日:青森地区で情報提供サービス開始
12月13日:島根地区で情報提供サービス開始
  • 2003年(平成15年)
01月24日:鳥取地区で情報提供サービス開始
02月14日:岩手地区で情報提供サービス開始
02月26日:釧路・帯広地区で情報提供サービス開始(全国展開完了)
10月10日:東京・大阪地区で地上デジタル音声放送実用化試験放送による情報提供サービス開始
  • 2004年(平成16年)
02月13日:北見地区で情報提供サービス開始
07月00 :VICS車載機累計出荷台数1,000万台突破[15]
10月00 :第11回ITS世界会議(名古屋)[16]
  • 2006年(平成18年)
03月00 :VICS車載機累計出荷台数1,500万台突破[15]
  • 2007年(平成19年)
04月02日:地上デジタル音声放送実用化試験放送による情報提供サービスを終了
11月00 :VICS車載機累計出荷台数2,000万台突破[15]
  • 2008年(平成20年)
04月00 :VICS第2システムセンター竣工[15]
09月00 :「電波ビーコン5.8GHz帯」の技術開示を実施、説明会を開催
11月00 :VICS・FM多重放送の免許再交付される(518局分)[15]
  • 2009年(平成21年)
03月00 :VICS・FM多重放送による「気象警報」の試行提供開始
09月00 :VICS車載機累計出荷台数2,500万台突破[15]
  • 2010年(平成22年)
01月00 :気象警報情報提供の本運用開始[15]
03月00 :非常災害時用可搬型のFM放送設備を配備[15]
  • 2011年(平成23年)
03月00 :VICS車載機累計出荷台数3,000万台突破[15]
03月30日:ITSスポットサービス運用開始[17]
0000   ただし東北地方、新潟県内と関東地方のNEXCO東日本管内は東日本大震災の影響で延期(全国一斉に運用開始する予定だった)
07月14日:新潟県内と関東地方のNEXCO東日本管内でITSスポットサービス運用開始。
08月12日:東北地方でITSスポットサービス運用開始。これにより全国で運用開始となる。
  • 2012年(平成24年)
04月00 :VICS東京局が東京スカイツリーより放送開始[15]
05月00 :VICS伝送方式の統一を告知[15]
  • 2013年(平成25年)
04月00 :大津波警報の本放送開始[18]
04月01日:一般財団法人へ移行[19]
11月00 :VICS車載機累計出荷台数4,000万台突破
  • 2014年(平成26年)
03月00 :VICS車載機の年間出荷台数が初めて400万台突破
  • 2015年(平成27年)
04月23日 :VICS WIDEのサービスを開始する。[20]

  1. ^ VICS(ビックス)とは - VICSについて|VICS Web Site
  2. ^ a b 浅井建爾『道と路がわかる辞典』日本実業出版社、2001年11月10日、初版、190-191頁。ISBN 4-534-03315-X
  3. ^ 機能と仕組み 一般財団法人 道路交通情報通信システムセンター、2015年2月15日閲覧。
  4. ^ VICSのシステム概要 国土交通省、2015年2月16日閲覧。
  5. ^ https://www.go-etc.jp/etc2/etc2/
  6. ^ 電波ビーコン(2.4 GHz)の今後の扱いについて
  7. ^ 我が国最初の広域信号制御 信号機の歴史 警察の歴史 - 警察庁
  8. ^ a b c 道路交通情報工学(5)―我が国の黎明期の技術開発― - 公益財団法人タカタ財団
  9. ^ RACSとは - オートモーティブ・ジョブズ
  10. ^ 『渋滞回避に新兵器開発 警察庁などの推進協 リアルタイムに交通情報 ハイテク車に表示 実用化は昭和65年』静岡新聞夕刊、9頁、1987年4月10日。
  11. ^ 道路交通情報工学(8)―カーナビ利用の路車間通信― - 公益財団法人タカタ財団
  12. ^ 道路交通情報工学(9)―路車間通信実用化へ― - 公益財団法人タカタ財団
  13. ^ AMTICS(アドバンスト・モービル・トラフィック・インフォメーション・アンド・コミュニケーション・システム)とは - オートモーティブ・ジョブズ
  14. ^ a b VICS 国土交通省、2015年2月15日閲覧。
  15. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s VICSセンター概要 沿革 一般財団法人 道路交通情報通信システムセンター、2015年2月15日閲覧。
  16. ^ 第11回ITS世界会議愛知・名古屋2004 特定非営利活動法人 ITS Japan、2015年2月15日閲覧
  17. ^ 西日本高速道路管内でのITSスポットサービスの開始について 西日本高速道路株式会社 、2015年2月15日閲覧。
  18. ^ vicsサービスに関するお知らせ 一般財団法人 道路交通情報通信システムセンター、2015年2月15日閲覧
  19. ^ vicsサービスに関するお知らせ 一般財団法人 道路交通情報通信システムセンター、2015年2月15日閲覧
  20. ^ 新サービス「VICSワイド」開始…伝送容量2倍に、プローブ活用で交通情報拡充”. Response. (2015年4月23日). 2016年6月15日閲覧。





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「道路交通情報通信システム」の関連用語

道路交通情報通信システムのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



道路交通情報通信システムのページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの道路交通情報通信システム (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2021 GRAS Group, Inc.RSS