赤ひげ スタッフ

赤ひげ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/16 04:18 UTC 版)

スタッフ

以下はノンクレジット。

評価

原作者の山本周五郎をして「原作よりいい」と言わしめた本作は興行的に大ヒットを収め、この年の日本映画の興行収入ランキング第1位となった[注釈 12]。批評面でも高い評価を受け、海外でもいくつかの賞を受賞した。また、キネマ旬報が発表した、1999年(平成11年)の「オールタイム・ベスト100 日本映画編」で第67位、2009年(平成21年)の「オールタイム・ベスト映画遺産200 日本映画篇」で第106位に選出されている[13][14]

なおミュージシャン高橋幸宏は、日本映画で最も好きな作品として本作を挙げている[15]

受賞

部門 対象 結果
ヴェネツィア国際映画祭 1965年 金獅子賞 ノミネート
男優賞 三船敏郎 受賞
サン・ジョルジョ賞 受賞
国際カトリック映画事務局賞 受賞
ゴールデングローブ賞 1965年 外国語映画賞 ノミネート
モスクワ国際映画祭 1965年 ソ連映画人同盟賞 受賞
ブルーリボン賞 1965年 作品賞 受賞
主演男優賞 三船敏郎 受賞
助演女優賞 二木てるみ 受賞
毎日映画コンクール 1980年 日本映画大賞 受賞
男優主演賞 三船敏郎 受賞
キネマ旬報賞 1980年 日本映画監督賞 黒澤明 受賞
フォトグラマス・デ・プラータ 1967年 外国映画俳優賞(Anexo:Fotogramas de Plata al mejor intérprete de cine extranjero 三船敏郎 受賞

脚注


注釈

  1. ^ この『赤ひげ』に出演するまで、加山は俳優を続けようか辞めようか悩んでいたが、本作の出演をきっかけに生涯俳優として生きていくことを決意したという。[2]
  2. ^ 加山の本作品への参加により、1964年は加山の主演シリーズである『若大将シリーズ』の制作が見送られた[3]
  3. ^ 初公開時のパンフレットを読むと、シナリオでもこの若い女の名前は表記がなく、ただ「狂女」と書かれていて、赤ひげは生まれつき「色情狂的体質」であると登に言っていた。
  4. ^ 登はこの際に「この女は先天的色情狂だ」と事もなげに言う赤ひげへの対抗心から、それが誤りであることを指摘するつもりであった。
  5. ^ このシーンは香川京子が言い寄るように加山雄三に身を預けながら、右の袖を左に回して、左手で右からの袖を掴んで引っ張ると、加山雄三の胸と両腕が間に挟まって身動きが出来ず、そして右手でかんざしを首筋に突き刺す場面である。これは黒澤明が3日間で考え出した案で、男が女に身動きが出来ないようにされるという設定で、撮影当時助監督にテストさせると本当に動けなくなって監督はご満悦であったという。
  6. ^ おくにを演じた根岸明美は、10分近い長い台詞を本番1回でOKにした。しかし本人はそのラッシュのフィルムを見ている最中に、撮影中のことを思い出し感極まって、試写室を飛び出してしまった。以来、映画本編を一度も見なかったという。
  7. ^ 二木てるみ頭師佳孝とが逢う場面で、1カット6分という長いカットシーンがある。2人は撮影現場で見ていた者らが涙ぐむほどの名演で、黒澤は百点満点だと絶賛している。
  8. ^ 井戸に向かって施療所の賄婦たちが叫ぶシーンでは、効果を出すために女優たちを鉱山に連れて行って叫ばせた。また、井戸の上から下までパンするシーンでは、水面にカメラが写らないよう特別な工夫がなされている。
  9. ^ このドストエフスキーの作中人物は、やがて同作家の『カラマーゾフの兄弟』中の「無垢な子供の苦しみ」というテーマに発展し、これは黒澤の本作品にもそのまま借用されている。黒澤が原作とは直接関係のないこのテーマを作中に持ち込んだ背景には、前作『天国と地獄』が社会に引き起こした反応に対する黒澤の自責の念があったと見ることもできる。
  10. ^ 森半太夫役の土屋嘉男は、役作りのために減食して4、5キログラムほど体重を落としていたが、撮影の長期化に伴い空腹に耐えられなくなり、三船に相談したところ「隠れて食べればいい」と助言された[11]。その後、黒澤の誕生日会でご馳走を目にした土屋は三船に「監督の目の前でも食う」と宣言して食べ始め、黒澤も自身の誕生日であるため食べるなとは言えなかったという[11]。土屋は『三大怪獣』への出演も予定されていたが、本作品の撮影が長期化したことにより降板している[11]
  11. ^ 杉村春子が演じた憎まれ役である娼屋の女主人・きんが、養生所の賄婦たちに大根で殴られるコミカルなシーンがある。賄婦を演じていた女優たちも既にベテランであったが、杉村はその上を行く彼女達の大先輩に当たる存在で、大根で殴るとき遠慮してしまいNGが連発され、撮影のために用意していた大根がすべてなくなってしまったことがある。
  12. ^ 黒澤はこの作品の制作費の調達のために抵当に入れていた自宅を売却することになった。

出典

  1. ^ キネマ旬報2012、p.220
  2. ^ ラジオ深夜便NHKラジオ第1放送2010年6月8日放送分)「インタビュー・スペシャル 永遠の若大将〜デビュー50周年(1)」「あの作品でですね、黒澤さんが赤ひげ先生で、僕が保本登になっちゃったんですね。本当にそういう感じになったんですよ。保本は養生所に残りますよね。僕は、撮影所というところに残ろうと…完全にダブりました。」と振り返っている。[出典無効]
  3. ^ a b 電撃ホビーマガジン編集部 編「プロジェクト東宝チャンピオンまつり 祭り囃子は遠くに」『ゴジラ 東宝チャンピオンまつり パーフェクション』KADOKAWAアスキー・メディアワークス)〈DENGEKI HOBBY BOOKS〉、2014年11月29日、123頁。ISBN 978-4-04-866999-3 
  4. ^ 1965年4月初公開時の映画パンフレットから「ものがたり」を参照。
  5. ^ 都築2010、p.337
  6. ^ 松田2014、p.149
  7. ^ 「ゴジラ映画を100倍楽しむ100のカタログ 28 『赤ひげ』の代打的中!」『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラ大百科 新モスラ編』監修 田中友幸、責任編集 川北紘一、Gakken〈Gakken MOOK〉、1992年12月10日、130頁。 
  8. ^ 春日太一『天才 勝新太郎』文藝春秋文春新書〉、2010年、[要ページ番号]頁。ISBN 9784166607358 
  9. ^ 都築2010、p.341
  10. ^ 松田2014、p.148
  11. ^ a b c 「土屋嘉男ロングインタビュー」『キングコング対ゴジラ/地球防衛軍』東宝出版事業室〈東宝SF特撮映画シリーズ VOL.5〉、1986年3月1日、148頁。ISBN 4-924609-16-1 
  12. ^ a b c d 東宝 映画データベース「赤ひげ」東宝、2017年3月28日閲覧
  13. ^ キネマ旬報2012、p.588
  14. ^ 「オールタイム・ベスト 映画遺産200」全ランキング公開キネマ旬報映画データベース、2017年3月28日閲覧
  15. ^ キネマ旬報』1996年10月上旬号[要ページ番号]


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