突発性発疹
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/31 07:14 UTC 版)
合併症
- 熱性痙攣
- 日本人の場合、約10%に熱性痙攣の合併がみられる。ほとんどは5分以内におさまり、後遺症を残さない。
- 脳炎
- 発熱中、または解熱して発疹が出現したあとに、意識障害や痙攣の群発(繰り返し起こる痙攣)、重積(30分以上止まらない痙攣)で発症する。
- 髄液細胞数は正常ないし軽度の増加にとどまるが、髄液中にウイルスDNAを検出できることが多い。数日の間痙攣を反復した例でも予後良好であることがある一方、致死的であったり重症後遺症となる例も報告されており、突発性発疹に伴う脳炎の予後を予測するのは困難である。
- ウイルスが直接中枢神経系に侵入している(一次性脳炎)例のほか、感染後の免疫反応により中枢神経が障害される(二次性脳炎)例が存在すると考えられている。
- そのほか、まれにではあるが劇症肝炎、血球貪食症候群、心筋炎など重篤な合併症の報告がある。
- 造血幹細胞移植後の患者や臓器移植後の患者など免疫抑制状態にある患者で、HHV-6の再活性化による中枢神経系疾患症状が出現することがある。発熱、発疹、多臓器不全、ショックなど重篤な症状がみられる危険な合併症である。
予防・治療
ワクチンがないため予防法はないが、基本的には予後良好な疾患であり、特異的な治療は必要がない。解熱剤、輸液など必要に応じて対症療法を行う。熱性痙攣も、数分内におさまって意識が回復する場合には心配がない。
脳炎などの重篤な合併症があり、血清や髄液にウイルスDNAが証明される例では、ガンシクロビルやフォスカルネットの投与が考慮されるが、有効性についての科学的根拠は不十分である。
関連法規
感染症法に基づく4類感染症定点把握疾患[2]
突発性発疹と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
- 突発性発疹のページへのリンク