禁中並公家諸法度 禁中並公家諸法度の概要

禁中並公家諸法度

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/22 13:27 UTC 版)


注釈

  1. ^ 「公家諸法度」は発布当初の名称でもある。
  2. ^ ただし、当時宮中の席次や紫衣の手続を巡って論争があり、朝廷からその仲裁を要請されていた事情も背景にあった。実際に大坂冬の陣の最中の慶長19年12月以降、家康は戦時中にもかかわらず側近の日野輝資や武家伝奏である広橋兼勝三条西実条を大坂の陣中に呼んで「古今礼義式法之相違」に諸公家の意見を集約するように度々促しており、公布直前の5月16日には二条城滞在中の家康から有力公家に原案が提示されてその意見をもとに修正が加えられている[1]
  3. ^ 実際にはこの法度の発布される4日前の7月13日に「慶長」から「元和」に改元されているが、現存する法度の写本は「慶長廿年七月」の日付が記載されている。まさにこの改元において、当法度第8条に規定されている改元権を巡り、朝幕間で諍いがあった。詳細は元和(年号)を参照。
  4. ^ 当時の関白は鷹司信尚であるが、「国家安康」の鐘銘で問題になった方広寺の大仏供養に参列しようとした件を巡って家康に忌避され、慶長19年11月1日の摂関家による家康への挨拶の際に家康から会見を拒否されて以降は謹慎状態となり、大坂の役後に辞表提出に追い込まれており、法度公布直前の7月10日二条昭実に次期関白の内示が出され、同28日に正式に任命されている。つまり、昭実は事実上の現関白の立場として法度に署名している[2]
  5. ^ 法度の内容自体は幕末まで変更されなかったものの、細かい字句については万治4年(1661年)の原本焼失による復元の際に変更された可能性もあるとされる[3]
  6. ^ 原文には、適宜句読点を付した。
  7. ^ ここで言う「学問」は政治の参考になる書や天皇としての心得や作法を記した書である。条文の続きには具体的な書物の名が挙げられているがいずれもの『貞観政要』『群書治要』や宇多天皇が記した『寛平御遺誡』といったものであり、名目上の存在とはいえ天皇は君主であり、あくまでも君主として必要なことを学ぶよう求めている[4]
  8. ^ これには徳川氏が豊臣政権下で豊臣氏宗家の下に位置づけられ、かつ前田・上杉・毛利といった現存外様大名を含む他大名と同格とされた事実の否定・隠蔽を含む。

出典

  1. ^ 橋本、2002年、P540-554
  2. ^ 橋本、2002年、P551-555
  3. ^ 橋本、2002年、P556-565
  4. ^ 藤田覚『江戸時代の天皇』p.16-19
  5. ^ 藤田覚 2018, p. 14‐18.
  6. ^ 橋本、2002年、P590
  7. ^ 橋本、2002年、P590-594
  8. ^ 橋本、2002年、P565-595
  9. ^ 田中暁龍「禁中并公家中諸法度第一条について」『近世朝廷の法制と秩序』(山川出版社、2012年) ISBN 978-4-634-52015-8 P33-43
  10. ^ 矢部健太郎「豊臣「武家清華家」の創出」2001年(『歴史学研究』746号)、後に矢部『豊臣政権の支配秩序と朝廷』(吉川弘文館、2011年)所収
  11. ^ (日本語) 徳川家広さん 禁中並公家諸法度に絡めて日本憲法を語る。ノーカット版。解りやすい歴史の教科書リンクフリー, https://www.youtube.com/watch?v=VTEYGsghtJA 2023年12月22日閲覧。 (リンク映像4m22sから)


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