磐衝別命 後裔

磐衝別命

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 14:40 UTC 版)

後裔

氏族

磐衝別命について『古事記』では「三尾君の祖」、『日本書紀』では「羽咋君・三尾君の祖」として、羽咋氏・三尾氏が後裔氏族と記されている。

  • 三尾氏(みおうじ)
    北近江から北陸地方に勢力を持った地方豪族[3]。本拠地は、近江国高島郡三尾郷(現・滋賀県高島市安曇川町三尾里付近)または越前国坂井郡三尾駅(現・福井県あわら市付近か)と推定されている[3]。『上宮記』逸文にあるように一族は継体天皇の出自に関わっており、継体天皇の妃にも2名が見えることから、その即位への関与が指摘される[3]
  • 羽咋氏(はくいうじ)
    能登国羽咋郡一帯(現・石川県羽咋市周辺)に勢力を持った地方豪族。『新撰姓氏録』では右京皇別に「羽咋公」として記載があり、垂仁天皇皇子・磐衝別命の後と言及されている[原 2]。後述のように「国造本紀」にある羽咋国造の氏族と推定されるが、奈良時代の文献には登場しないため政治的地位は早くに低下したものと考えられている[4]

国造

磐衝別命に関係する国造としては、加我国造(賀我国造)と羽咋国造が見える。

  • 加我国造(かがのくにのみやつこ、賀我国造)
    加賀国加賀郡(現・石川県河北郡一帯)を治めたと見られる国造[5]。「国造本紀」では、雄略天皇の御代に三尾君祖石衝別命の四世孫・大兄彦君が初代国造に任じられたとする[原 5]
  • 羽咋国造(はくいのくにのみやつこ)
    能登国羽咋郡羽咋郷(現・石川県羽咋市一帯)を治めたと見られる国造[6]。「国造本紀」では、雄略天皇の御代に三尾君祖石衝別命の子・石城別王が初代国造に任じられたとする[原 4]

  1. ^ 磐城別王・水歯郎媛について『古事記』に記載はない。『日本書紀』では景行天皇紀に記載があるものの磐衝別命との関係は記されていないが、他の史書から磐衝別命の子とされている。
  1. ^ a b 『釈日本紀』巻13 述義9 第17所収『上宮記』逸文(『国史大系 第7巻』(経済雑誌社、1897年-1901年、国立国会図書館デジタルコレクション)354-355コマ参照)。
  2. ^ a b 『新撰姓氏録』右京皇別 羽咋公条(『群書類従 第十六輯』(経済雑誌社、1898年-1902年、国立国会図書館デジタルコレクション)77コマ参照)。
  3. ^ a b 『先代旧事本紀』「天皇本紀」垂仁天皇条(『国史大系 第7巻』(経済雑誌社、1897年-1901年、国立国会図書館デジタルコレクション)183コマ参照)。
  4. ^ a b 『先代旧事本紀』「国造本紀」羽咋国造条(『国史大系 第7巻』(経済雑誌社、1897年-1901年、国立国会図書館デジタルコレクション)221コマ参照)。
  5. ^ a b c 『先代旧事本紀』「国造本紀」加我国造条(『国史大系 第7巻』(経済雑誌社、1897年-1901年、国立国会図書館デジタルコレクション)221コマ参照)。
  1. ^ a b 宮内省諸陵寮編『陵墓要覧』(1934年、国立国会図書館デジタルコレクション)9コマ。
  2. ^ a b c d 現地説明板。
  3. ^ a b c 『日本古代氏族人名辞典』三尾氏項。
  4. ^ 『日本歴史地名体系 石川県の地名』(平凡社)羽咋郡節。
  5. ^ 『国造制の研究 -史料編・論考編-』(八木書店、2013年)p. 217。
  6. ^ 『国造制の研究 -史料編・論考編-』(八木書店、2013年)p. 220。
  7. ^ a b 『日本歴史地名体系 石川県の地名』(平凡社)羽咋市 羽咋神社項。


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