疥癬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/19 06:08 UTC 版)
疥癬 | |
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分類および外部参照情報 | |
診療科・ 学術分野 | 感染症内科学 |
ICD-10 | B86 |
ICD-9-CM | 133.0 |
DiseasesDB | 11841 |
MedlinePlus | 000830 |
eMedicine | derm/382 emerg/517 ped/2047 |
Patient UK | 疥癬 |
MeSH | D012532 |
GeneReviews |
通常疥癬と角化型疥癬に大別される[1]。
通常疥癬 (普通に見られる疥癬) |
角化型疥癬 (痂皮型疥癬) | |
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ヒゼンダニの数 | 数十匹以上 | 100万から200万 |
免疫力 | 正常 | 低下 |
感染力 | 弱い | 強い |
主な症状 | 丘疹、結節、疥癬トンネル | 厚いあか(垢)が増えたような状態 (角質増殖) |
掻痒感 | 強い | 不定 |
発症部位 | 顔や頭や陰部を除いた全身 | 全身 |
ヒゼンダニ
動物の種類によって、ヒゼンダニの種は異なる。ヒトに対しては、Sarcoptes scabiei var. hominis が関係する。ヒゼンダニの大きさは雌成虫で体長約400μm、体幅約325μmで肉眼では見えない。交尾を済ませた雌成虫は、皮膚の角質層の内部に鋏脚で『疥癬トンネル』と呼ばれるトンネルを掘って寄生する。疥癬トンネル内の雌は約2ヶ月間の間、1日あたり0.5-5mmの速度でトンネルを掘り進めながら、1日に2-3個、総数にして120個以上の卵を産み落とす。幼虫は孵化すると、トンネルを出て毛包に潜り込んで寄生し、若虫を経て約14日で成虫になる。雄成虫や未交尾の雌成虫はトンネルは掘らず、単に角質に潜り込むだけの寄生を行う。
- ヒゼンダニ科ヒゼンダニ属
- イヌセンコウヒゼンダニ Sarcoptes scabiei var. canis
- ウシセンコウヒゼンダニ Sarcoptes scabiei var. bovis
- ウマセンコウヒゼンダ Sarcoptes scabiei var. equi
- ヒツジセンコウヒゼンダニ Sarcoptes scabiei var. ovis
- ヒトヒゼンダニ Sarcoptes scabiei var. hominis
- ブタセンコウヒゼンダ Sarcoptes scabiei var. suis
- ショウセンコウヒゼンダニ属
- ネコショウセンコウヒゼンダニ Notoedres cati
- トリヒゼンダニ科トリアシヒゼンダニ属
- トリアシヒゼンダニ Knemidokoptes mutans
- キョウセンヒゼンダニ科キュウセンヒゼンダニ属
- ウサギキュウセンヒゼンダニ Psoroptes cuniculi
- ウマキュウセンヒヒゼンダニ Psoroptes equi
- ヒツジキュウセンヒゼンダニ Psoroptes ovis
感染
交尾直後の雌成虫が未感染の人体に感染すると、約1ヵ月後に発病する。皮膚には皮疹が見られ、自覚症状としては強い皮膚のかゆみ(アレルギー反応)が生じる。皮疹には腹部や腕、脚部に散発する赤い小さな丘疹、手足の末梢部に多い疥癬トンネルに沿った線状の皮疹、さらに比較的少ないが外陰部を中心とした小豆大の結節の3種類が見られる。
- ^ a b 疥癬とは 国立感染症研究所
- ^ 熊本日日新聞 (2021年7月11日). “ハイエナ?熊本市で目撃多数 正体は皮膚病のタヌキ | 熊本日日新聞” (日本語). 熊本日日新聞. 2021年7月12日閲覧。
- ^ “思想家紹介 戸坂潤(『近代日本思想大系・戸坂潤』平林著の引用)”. 京都大学大学院文学研究科日本哲学史研究室 (2005年). 2022年7月31日閲覧。
- ^ 感染症アラカルト:疥癬 : 診断・治療~感染対策Becton, Dickinson and Company.(2015年3月)
- ^ a b c 疥癬診療ガイドライン(第 3 版)日本皮膚科学会 (PDF)
- ^ 「ムトウハップ(六一〇ハップ)」を生産していた武藤鉦製薬が業務終了へ、すでに工場は操業停止 GIGAZINE 記事:2008年11月25日 閲覧:2015年10月23日
- ^ a b c 谷口裕子、『皮膚科以外の診療科における疥癬患者診療時の注意点』 日本医事新報 2015;4761:66-67.
疥癬と同じ種類の言葉
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