王様のレストラン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/06 13:46 UTC 版)
受賞歴
- 連続ドラマ
- 第5回ザテレビジョンドラマアカデミー賞
- 最優秀作品賞
- 主演男優賞(松本幸四郎)
- 助演男優賞(西村雅彦)
- 助演女優賞(山口智子)
- 脚本賞(三谷幸喜)
- 監督賞(鈴木雅之、河野圭太)
- キャスティング賞
- 第5回ザテレビジョンドラマアカデミー賞
音楽
テーマ曲
- OP:Bon courage!! 〜勇気〜
- 作曲・服部隆之「王様のレストラン オリジナル サウンドトラック」(1995年5月21日)
- ED:平井堅「Precious Junk」(1995年5月13日)
本編に登場する楽曲
放送日程
- 連続ドラマ
各話 | 放送日 | サブタイトル | ミッシェル・サラゲッタのコメント | 演出 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|
第1話 | 1995年4月19日 | この店は最低だ | 人生で起こることは、すべて、皿の上でも起こる。 | 鈴木雅之 | 19.0% |
第2話 | 4月26日 | 復活への第一歩 | 人は皆、神が作ったギャルソンである。 | 河野圭太 | 14.9% |
第3話 | 5月 | 3日ヤメてやる、今夜 | 人生で大事なことは、何を食べるか、ではなく、 どこで食べるか、である。 |
鈴木雅之 | 12.6% |
第4話 | 5月10日 | 偽りの料理の鉄人 | 人生とオムレツは、タイミングが大事。 | 河野圭太 | 20.4% |
第5話 | 5月17日 | 奇跡の夜 | 奇跡を見たければ、その店へ行け。 | 鈴木雅之 | 18.4% |
第6話 | 5月24日 | 一晩だけの支配人 | トマトに塩をかければ、サラダになる。 | 河野圭太 | 14.9% |
第7話 | 5月31日 | 笑わない客 | 歴史は、鍋で作られる。 | 鈴木雅之 | 17.5% |
第8話 | 6月 | 7日恋をしたシェフ | 最高のシェフは、恋をしたシェフ。 | 河野圭太 | 16.4% |
第9話 | 6月14日 | 長い厄年の終り | まずい食材はない。まずい料理があるだけだ。 | 鈴木雅之 | 16.2% |
第10話 | 6月28日 | 去る者、残る者 | 若者よ、書を捨て、デザートを頼め。 | 河野圭太 | 18.7% |
最終話 | 7月 | 5日奇跡 | 人生で起こることは、すべて、皿の上でも起こる。 | 鈴木雅之 | 19.6% |
平均視聴率 17.1%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
- 本来、第10話は6月21日に放送される予定だったが、同日函館空港で全日空857便ハイジャック事件が発生、臨時報道番組が組まれたため、第10話と最終話の放送日がそれぞれ1週ずつ延期になった。
- 特別編(全11話までのダイジェスト)
放送日 | サブタイトル | ミッシェル・サラゲッタのコメント | 演出 |
---|---|---|---|
1995年12月31日 | それはまた別の話スペシャル | 人生で起こることは、すべて、皿の上でも起こる。 | 河野圭太 |
製作
『王様のレストラン』というタイトルは、ドラマ『天皇の料理番』(1980年、TBS)からヒントを得たものである(店名の「La Belle Équipe」(フランス語で「良き仲間」の意味は前述の同名映画から)。ちなみに『天皇の料理番』は同じく関口静夫プロデューサー(当時テレパック)が制作に携わった作品でもある。
三谷幸喜によると、本作は「フレンチレストランを舞台に『がんばれベアーズ』がやりたい」として発注を受けた[2]。
三谷は作品を制作するに当たって制約条件を自ら課することを好み、本作品では話が全てレストランの中で完結することを制約条件としている。
第8話「恋をしたシェフ」は、千石役の松本幸四郎が同時期に出演していた舞台の関係でどうしても出演が難しく、苦肉の策で「千石はしずかの為に外出していた」というプロットが作り出された。
キャスティング
前年のテレビドラマ『警部補 古畑任三郎』の成功により、この作品から三谷自身の発言権が増え、キャスティングに際して三谷の希望がかなり取り入れられたという。
そのため松本幸四郎、筒井道隆、山口智子、鈴木京香といった有名俳優の他、西村雅彦、小野武彦、梶原善、白井晃、伊藤俊人、田口浩正といった実力派の舞台役者が出演し、話題になった。
音楽は服部隆之が担当した。これが三谷・服部コンビによる最初の作品となった。恋愛に重点をおかず、ほとんどがレストランの中に限定された舞台設定は放映当時のドラマとしては珍しかった。
重厚なストーリーを出すために、ナレーションを取り入れた。ナレーションは、暖かいほのぼのした語り口の森本レオが担当した。
ちなみにこのドラマの主題歌である「Precious Junk」は、当時まだ無名だった平井堅のデビュー曲でもあった。毎回のエンディングに流されていたこの曲だが、後の平井との対談で三谷は当初ドラマのイメージと全く異なる楽曲であったと平井に話している。また、曲のサビ入り部分でのカットに毎回の放映時、誰が映るのか、キャストの間でちょっとした話題になっていたとも話している。
劇中の料理
料理監修は服部幸應が担当した。登場する料理も話題になり、特に店のスペシャリティとして登場する「オマール海老のびっくりムース」は、実際に料理を担当した吉野好宏シェフがオーナーをつとめる「シャンドマルス」(東京渋谷)で実際に味わうことができた(現在は閉店)。
東急東横線の学芸大学駅そばの「ビストロ・ボア・ド・ブルー」にて「王様のレストランコース」というコースが用意されていた。だが、こちらも現在は閉店し味わうことはできない。この「王様のレストランコース」(要・予約 一人前7,000円)では、「オマール海老のびっくりムース」と「サーモンの臓物パイ(実際には入手困難なため臓物は使用せず、エスカルゴを中心にした食材を採用していた)」のいずれかをセレクトできた。また、店内には、劇中で使われた小道具(ベルエキップの門にあった紋章・しずかが身に付けていた時計など)と、キャストのサイン、写真などが飾られた専用コーナーも用意されていた。
レギュラーの名前の由来
禄郎と千石の関係を義経と弁慶の関係になぞらえており、鎌倉幕府草創期の幕府関係者の苗字や名をモチーフとして使っている。
- 千石武
- 戦国(せんごく)時代の武士(TVガイド1995年5月12日号46ページより)。武蔵坊弁慶は京で千本の太刀を奪おうと悲願を立て道行く人を襲い帯刀する武者と決闘した(DVD版特典にて三谷幸喜の話より)。
- なお、武蔵坊弁慶は9代目 松本幸四郎をはじめとする高麗屋のお家芸で、勧進帳は不世出の弁慶役者といわれた祖父7代目 松本幸四郎・父8代目 松本幸四郎らも数多く演じている演目である。
- 原田禄郎
- 源義経の通称・九郎(くろう)と、「源」の旁である「原」。
- 磯野しずか
- 源義経の妾である静御前(しずかごぜん)と、静御前の母磯禅師(いそのぜんじ)。
- 三条政子
- 源義経の兄源頼朝の継室北条政子。
- 水原範朝
- 「源」より「さんずい」と「原」と、源義経の兄である頼朝と範頼から1字ずつを用いて範朝。
- 梶原民生
- 梶原景時の梶原。
- 稲毛成志
- 稲毛重成の稲毛。作中で稲毛と畠山は不仲な設定だが、歴史上での稲毛は畠山の謀殺に加わっている。
- 大庭金四郎
- 大庭景義の大庭。
- 和田一
- 和田義盛の和田。
- 畠山秀忠
- 畠山重忠の畠山。
- 佐々木教綱
- 佐々木高綱の佐々木。
- デュヴィヴィエ
- デュヴィヴィエは、店名の由来となった映画『我等の仲間』(原題:La Belle Équipe)の監督ジュリアン・デュヴィヴィエから。なお、作中では店名の「La Belle Équipe」の意味を「良き友」と説明している。
注釈
出典
- ^ “王様のレストラン”. テレビドラマデータベース. 2021年6月21日閲覧。
- ^ エンタの達人・ 三谷幸喜が語る「シナリオ作り」のツボとは?、『日経エンタテインメント!』1997年4月号より。(インターネットアーカイブのキャッシュ)
固有名詞の分類
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