桜宮サーガ 用語

桜宮サーガ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/03 01:37 UTC 版)

用語

作中で起きた事件

バチスタ・スキャンダル[22]
2006年に東城大学医学部付属病院で発生した事件。アメリカから招聘された臓器統御外科助教授・桐生恭一をリーダーとする成功率100%を誇るバチスタ手術専門チーム・「チーム・バチスタ」の手術が相次いで失敗する事態が発生、最終的に術死を調査した田口と白鳥により「チーム・バチスタ」のメンバーの一人が、意図的に連続して術中死を引き起こしたことが発覚した。この事件の影響で東城大学医学部付属病院の患者数が激減し、大学病院初の倒産をも危惧され病院は一時存亡の危機に陥った。
尚、この事件はオートプシー・イメージング(Ai)が決め手となって発覚したが、Aiを用いられなかった他の事例は証拠が無かったため不起訴処分となっている。
桜宮少年通り魔事件[5]
1999年に発生した傷害事件。両親がいない施設育ちの少年が、街角でナイフを振り回して3名に重傷を負わせるという凶行に及んだ。少年は取り押さえられた後、少年法で保護され社会復帰している。
桜宮コンビナート火災[19]
2006年12月に桜宮市の国道55号線(桜宮バイパス)で発生したタンクローリーを含む多重事故。桜宮コンビナートが崖下一帯に広がる場所で、タンクローリーが横風に煽られ崖下に転落・炎上し、さらにコンビナート精製施設に引火し爆発。ショッピングモール「チェリー」のオープン初日であったことから、避難しようとした車両が多重衝突する二次災害に至る。城東デパート火災と同様に、東城大学医学部付属病院に運ばれてくる患者の対応に速水が指揮し活躍した。
城東デパート火災[9]
1991年に発生した火災事件。開業30周年記念行事の一環で行われた、無名時代の水落冴子のライブの最中に火事が発生。十数名の死者及び多数の重軽傷者を出した大惨事となった。また大多数の被災者がスタッフが手薄となった東城大学医学部付属病院に運び込まれる中、1年生医師だった速水が指揮し、この未曾有の事態に対処したことから速水が「ジェネラル・ルージュ」と呼ばれる所以となった。
三枝久広逮捕[14]
2008年に極北市で起きた、極北市民病院産婦人科部長の三枝久広が逮捕された事件。三枝久広が前置胎盤と判断し帝王切開が適用された妊婦が治療の甲斐なく死亡する事件が発端となる。
前置胎盤が子宮口にかかる癒着胎盤が稀な症例であったために三枝に落度は無いとされ、姫宮の提言によって極北市民病院で設置された医療事故調査委員会でも三枝の責任は問われなかったが、極北警察署が医療事故とみなし、医師法第21条届出義務違反を理由に三枝久広逮捕に踏み切った。この事件の影響により現場の産婦人科医が撤退し、地域医療と産科医療に大打撃を与えた。
福島県立大野病院産科医逮捕事件をモデルとしている。
「神々の楽園」リンチ死事件[23]
2007年に「神々の楽園」という新興宗教団体で起こったリンチ死事件。初動捜査時に適切な検視が行われず、同様の犯罪が見逃されていた。警察医の心不全の診断を、警察が虚血性心疾患と偽って公表した。
アリアドネ・インシデント[24]
2009年5月に東城大学医学部付属病院で起こった事件。元警察庁刑事局局長で東城大Aiセンター副センター長の北山錠一郎が、病院地下1階の画像診断ユニットにある縦型MRI「コロンブスエッグ」内にて拳銃射殺され、銃声を聞いて現場に駆け込んだ警察庁初動遊撃室の宇佐見警視により現場に居合わせた高階病院長が拘束されたが、逮捕の前に冤罪と判明する。
新型インフルエンザ・キャメル[16]
2009年に関西最大の都市である浪速府での出来事。ラクダを経由して新型となったインフルエンザが国内初の感染が確認されたため、人の往来の自粛が呼び掛けられ経済的打撃をうける。

委員会・会議

リスクマネジメント委員会[19][22][24]
医療現場で起きた問題点の対策を検討し、そこから引き出された教訓や決定事項を現場に反映させるための組織。バチスタ・スキャンダル以前は呼吸器内科の曳地均助教授が委員長だったが、バチスタ・スキャンダル以降は曳地が不貞腐れて辞任したため、現在は田口が委員長に就任した。副委員長は臓器統御外科の黒崎教授だが、田口が委員長になってからはあまり出席せず、たまに出席しても居眠りをしている。
エシックス・コミティ[19]
倫理問題審査委員会。前リスクマネジメント委員会委員長の曳地が創設した研究や医療問題全般の倫理問題を審査する委員会で、独自の調査権を賦与されている。曳地の置き土産でバチスタ・スキャンダルで恥をかかされた曳地が規約の起草から人員構成にいたるまで、田口を引きずり降ろすために構成したため、影では「対田口リベンジ・チーム」といわれている。曳地は高階病院長の改変草案の一字一句に目を光らせ、病院長介入の余地を完全に封殺した。現委員長は、前委員長の曳地助教授が直々に指名した精神科助教授、沼田泰三。副委員長は三船事務長。
電子カルテ導入委員会[22]
電子カルテを導入するための委員会。前委員長は曳地で、現委員長は田口。リスクマネジメント委員会委員長と同時に任命された。「カルテは患者のものでなく医者のもの」という旧世代医師の時代錯誤の感覚の死守で、電子カルテ導入の進捗が滞っている。
医療事故調査委員会[23]
医療事故問題を解決に導くことができる委員会。この委員会を創設するかどうかを決める会が、厚生労働省で行われた「診療関連死死因究明等の在り方に関する検討会」。通称は「医療事故調査委員会創設検討会」。一般にはさらに略され、「医療事故調・創設検討会」と呼ばれている。座長は相模原大学法学部の田島勇作教授。田口も白鳥に強制的に出席させられた。
院内医療事故調査委員会[14]
極北市民病院で設立された委員会。白鳥が「三枝久広逮捕事件」を見越して、姫宮に設置させた。委員長は今中良夫。
病院環境改善検討委員会[14]
極北市民病院の環境を改善する委員会。委員長は代々外科部長が引き継いでいるため、外科部長になった今中良夫が任命された。
省庁横断的組織防衛会議[16]
通称・マルショウ。キャリア官僚による不祥事をメディアの注目から外すために行われる会議。あらかじめ警察庁に一括して不祥事をストックし、ある省庁が不祥事を起こした際には、それ以外の省庁の不祥事をルーレットで決定し発表することで世間の注目から外すように仕向ける。ノーパンしゃぶしゃぶ事件にも開催された。

その他

パッシブ・フェーズ/アクティブ・フェーズ
パッシヴ・フェーズは心理学を応用した日常場面での「心理読影」に該当する受動的聞き取り調査。アクティヴ・フェーズは心理学を応用する日常場面での「説得」に該当する能動的聞き取り調査。考案者は白鳥圭輔。
ハイパーマン・バッカス[7][10][11][12][21]
作中で放送されている特撮番組のタイトル。ウルトラシリーズの人気に便乗したパクリ企画から始まっているが、主人公が素行が悪い上に酔っ払わないと変身できなかったり、怪獣の所へ向かうのにヒッチハイクや無賃乗車をする他、「甲斐性なし」や「FFK(不倫二股交際)」といった台詞が飛ぶなどおおよそ子供向けらしからぬ内容だが、それらの方向性が子供から大人まで支持されている。
小児科患者の話題の中心として描かれたり[21]、ハイパーマン・バッカスの黄金像作製案が出されたり[12]母子手帳のキャラクターとして描かれる[15] などこれらは一例で、挙げればきりが無いくらい桜宮サーガを構成する作品に散見される。
ハイパーマン・バッカス(架空のヒーロー)
「ハイパーマン・バッカス」のヒーロー。ハイパー一族の中で17人いるハイパー兄弟の1人。3分間変身できる本家越えを目論み、活動時間延長のための体質改善に失敗して酔っ払わなければ変身できなくなっている。ハイパーマン・バッカスに変身するのは不正経理がばれて地球防衛軍をリストラされた辺見タケシ。
シトロン星人
M57星雲のシトロン星出身のハイパーマン・バッカスと敵対する宇宙人。正論を用いて戦うキャラクターで口先勝負ではバッカスを負かしているが、目下バッカスに卑怯な手段を用いられ3連敗中。容姿のかっこよさと強さでバッカスと並ぶ人気を持つ。地球人に化けたシトロン星人を演じる俳優は所謂かっこいいの部類に入る俳優がキャスティングされる。尚、従来のウルトラシリーズのように1話につき怪獣や宇宙人が一体登場するという図式ではなく、純粋に文明を持った星から来ているという至極全うな解釈からシトロン星人は大勢いるという設定となっている。
ハイパー一族
ハイパーマン・バッカスが属する一族。兄弟は17人いる。地球上では2分50秒しか変身できず、本家ウルトラマンを超えられないでいるため、パチモノへの厳しい視線を受けざるをえなくなっている。
スナイプAZ1988[6]
高階権太が持参した食道自動吻合器で、歪んだライフルのような見た目をしている。直腸癌の超低位前方切除術用に開発されたのを高階が食道切除用に改良した。この道具を用いた手術ではリーク(縫合不全)・ゼロに抑えられるという実績があるが、佐伯清剛はオモチャとよんでいる。なお、「スナイプAZ1988」は作中の造語だが、道具自体は正式な手術道具である。
ボンクラボヤ[12]
1988年に平沼鉄工所が開発した深海五千によって発見された新種のホヤで、300気圧以上の圧力をかけると真っ赤に変色する。黄金地球儀と共に「桜宮水族館・深海館」の目玉となる。
ウスボンヤリボヤ[12]
1990年に発見された新種。深海生物だが常圧下でも生きることができ、東城大学海洋研究所はこのホヤの発見でホヤ研究の世界最先端施設となる。
医鷲旗大会[8]
年1回、夏に開催される医学部学生による剣道大会。優勝しその証として授けられる「医鷲旗」を手にした者は、外科の世界で大成するといわれており、過去には高階権太や清川吾郎が手にしている。医鷲旗の意匠は東城大学医学部剣道部の糸田教授曰く「キンキラした旗」とのこと。
ダイレクト・アナストモーシス[20]
冠状動脈バイパス手術の進化型として位置づけられている手術。他の静脈や動脈を詰まった血管の代わりの迂回路とするバイパス手術とは異なり、詰まった血管自体を除去し新しい血管に取り替えるという方法を用いるが、高度な技術を要するため、世界で天城雪彦のみが可能としている。
凍眠八則[10]
ゲーム理論の権威者・曾根崎伸一郎教授がスリーパー(曾根崎教授が名付けたコールドスリープ被験者)の人権制限について言及したもので「モルフェウス・プリンシプル」とも称され、各条項は短文でありながらも隙の無い内容となっており「人体特殊凍眠法」成立の基盤となる。曾根崎教授がコールドスリープを“凍眠”と表現した造語は間もなく社会に定着することとなる。



  1. ^ 野性時代』(角川書店)2009年1月号「海堂尊 解体新書」より。
  2. ^ a b ジェネラル・ルージュの伝説 海堂尊ワールドのすべてより
  3. ^ 同一人物による複数の小説や楽曲がどれを読んでも聞いても「この人の作品だと」認識するのは、その人物が持つ虚数空間が同じだからという解釈によるもの。
  4. ^ 『文蔵』 2009年7月号より
  5. ^ a b c 螺鈿迷宮
  6. ^ a b c d e f g ブラックペアン1988
  7. ^ a b c d e 医学のたまご
  8. ^ a b c d e f g ひかりの剣
  9. ^ a b c d ジェネラル・ルージュの伝説
  10. ^ a b c d e モルフェウスの領域
  11. ^ a b 玉村警部補の災難
  12. ^ a b c d e 夢見る黄金地球儀
  13. ^ a b c ジーン・ワルツ
  14. ^ a b c d e f g h 極北クレイマー
  15. ^ a b c d マドンナ・ヴェルデ
  16. ^ a b c d ナニワ・モンスター
  17. ^ a b c d e 極北ラプソディ
  18. ^ a b c d e 田口・白鳥シリーズ
  19. ^ a b c d e f ジェネラル・ルージュの凱旋
  20. ^ a b c d ブレイズメス1990
  21. ^ a b c ナイチンゲールの沈黙
  22. ^ a b c d チーム・バチスタの栄光
  23. ^ a b イノセント・ゲリラの祝祭
  24. ^ a b アリアドネの弾丸





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