染髪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/25 10:07 UTC 版)
染髪には、一般的なカラーリングの他、ヘアマニキュアやブリーチなど様々な種類がある。髪の毛の色を好みで明るくすること、老齢による白髪を染めることがよく行われる[1]。
髪染め(かみぞめ/かみそめ)、染毛(せんもう)、ヘアカラーリング、もしくは単にカラーリングともいう。
歴史
古代の染髪剤は植物から採取されていた[2]。よく知られているものに、ヘンナ、インディゴ, en:Cassia obovata、センナ、ウコン、そしてアムラがある。他にもkatam (buxus dioica)、黒くるみの殻、赤黄土そしてリーキが使われていたことも知られている。古代アッシリアではハーブを使って髪を染めるレシピがあった[3]。古代エジプトでは植物のヘンナを用いて染髪をしていた。古代ギリシアの歴史家シケリアのディオドロスはケルト人がブロンドに染める習慣があったことを記述している[4][5]。
日本では、『平家物語』において、平安時代末期に斎藤実盛が白髪を墨汁でもって染めて最期の合戦に臨んだことが知られる。
1661年の書籍『Eighteen Books of the Secrets of Art & Nature』には、髪を黒、金、緑、赤、黄、そして白に染める様々な手法が説明されている[6]。
自然の染料ではなく化学合成による染髪剤は、1860年代に発見されたp-フェニレンジアミン (PPD) を材料としてロレアルの創設者であるジェーヌ・シュエレールが1907年に開発・発売したものである[7]。1947年、ドイツの美容品会社ヘンケル (Schwarzkopf) が世界初の自宅髪染め製品"Poly Color"を発売した[8]。
アレクサンドリアのクレメンスはコルキスの王女メーデイアが髪染めを考案したという伝承を伝える[9]。
色合い
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基本となる色をここでは紹介する。
- 灰 - 灰色(アッシュ)をベースにした、ややくすんだ色合いのことだが、ヘアカラーでは元となる髪の色と合わせるために、ブルーが強い色合いである。
- マット - 緑色をベースにした、ややくすんだ色合いのこと。枯葉色とも言われる。日本人特有の髪の赤みを抑える。
- カッパー - 十円硬貨のような赤銅色。日本人の髪質はやや赤みがあるので最も定着しやすく、褪色も遅いと言われる。
- 紫 - カッパーに近づくとピンク、アッシュに近づくとラベンダーなどと称される。白髪をカバーしたいときに適量用いると白髪に出やすい、黄色味を目立たなくする効果がある。
- 黄色 - ベージュとも称される。髪の明度をあげて用いると自然な明るさがでる。
- 黒 - 青みがかったブルーブラックや、ややくすんだアッシュブラックなど様々な種類がある。
各色名については各メーカーのヘアカラー剤を参照のこと。
- ^ 毛染めによるアレルギーに御注意!
- ^ Corbett, J. F. Hair Colorants: Chemistry and Toxicology; Micelle Press: Dorset, U.K., 1998; Thompson, R. H. "Naturally Occurring Quinones" Academic Press: New York, 1957.
- ^ BBC. “BBC - Radio 4 Woman's Hour -The History of Hair Dye”. 2019年10月19日閲覧。
- ^ “The Celts”. www.ibiblio.org. 2018年3月27日閲覧。
- ^ “Diodorus Siculus, Library of History - Exploring Celtic Civilizations”. exploringcelticciv.web.unc.edu. 2018年3月27日閲覧。
- ^ Wecker, Johann Jacob (1661). Eighteen Books of the Secrets of Art & Nature. pp. 82–84
- ^ Pointer, Sally (May 1, 2005). The Artifice of Beauty: A History and Practical Guide to Perfume and Cosmetics. The History Press. ISBN 978-0750938877
- ^ “Schwarzkopf >COMPANY >History Milestones of success”. 2015年2月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月14日閲覧。
- ^ 秋山学、アレクサンドリアのクレメンス『ストロマテイス』(『綴織』)第 1 巻─全訳─
- ^ “「白髪ぼかしとは」=”. a-w-a.co.jp/hennasalonsomari. 2024年1月14日閲覧。
- ^ 兵庫県川西市立多田中学校・学校の黒染め措置により接触性皮膚炎となった問題
- ^ 宮城県立蔵王高校・黒染め強制問題
- ^ 『社会学』栗田宣義p158-159
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