日本航空の運航機材
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導入予定機材
- ボーイング737-8【21機】
- 2023年3月23日に発注[8]、2026年度から導入する見込みである。737-800の一部を置き換えるが、残りの機材の置き換えについては737-10型やエアバス機も含めて検討されるに留めており、まだ未定である。
- エアバスA321neo【11機】
- 2024年3月21日に発注[9]。国内線の767-300ER型機を置き換える予定。
- エアバスA350-900【21機】
- ボーイング787-9【10機】
- 2024年3月21日に発注[9]。2027年度より6年程度かけて導入する予定であり、ZIPAIR Tokyo用の機材も含む。
国内線運航機材
2024年4月現在。
国内線においては、最も需要の大きい国内幹線路線(羽田と伊丹、新千歳、福岡、那覇を結ぶ路線、及び伊丹と那覇を結ぶ路線)には最新鋭のエアバスA350-900型機[10]とボーイング787-8型機[11][12]が充当されている。ボーイング787-8型機は羽田 - 伊丹路線に集中的に投入されている(羽田 - 福岡や羽田 - 新千歳での運用もされている)。
また羽田と広島、鹿児島を結ぶ路線のような準幹線ではボーイング767-300ERが充当されることが多い。その他の地方路線ではボーイング737-800をメインで使用する[13]。
羽田空港発着路線ではJAL本体の機材による運航が多いが、伊丹空港発着路線では子会社のジェイエア機材での運航が大半である[注釈 2]。機材はエンブラエル E170[14]とエンブラエル E190を使用する。
2020年以降は新型コロナウイルス感染症による国際線需要減退の影響もあり、国際線で運用されていたボーイング777-200ER(GEエンジン採用機)を国内線転用して2023年秋頃まで運航していた。「クラスJ」として普通席プラス数千円で国際線仕様のビジネスクラス席を体験できたため各所からの人気が高かったが、2023年末頃までに全機が退役となった。
- エアバスA350-900【15機】[注釈 3]
- ボーイング787-8【4機】[注釈 4]
- 退役するボーイング767-300型機の更新機材として、2017年9月に4機を追加発注[11]。2019年9月に受領し、羽田 - 伊丹・福岡・新千歳路線にて運用中。座席数は291席仕様(ファーストクラス:6席/クラスJ:58席/普通席:227席)である。
- ボーイング767-300ER【16機】[注釈 5]
- 開発中止となったボーイング787-3の代替機種として、国内線用に導入された。ボーイング787-3に搭載予定だった新型クラスJシートが搭載されている。国際線のB787導入に伴い、国内転用された機材もある。なお、ファーストクラス席はこの国内線に転用された機材にのみ設けられている。座席数は261席仕様(クラスJ:42席/普通席:219席)・252席仕様(ファーストクラス:5席/クラスJ:42席/普通席:205席)の2パターンがある。
- ボーイング737-800【35機】[注釈 6]
- マクドネル・ダグラス社のMD-81やMD-90の更新機材として導入された。これらの機材と比較して良燃費であり、座席数も多い特徴がある。かつてはJALエクスプレス(JEX)所属機としてもB737-800が運航されていた[注釈 7]。現在はJAL本体と日本トランスオーシャン航空(JTA)の2社で導入されており、JAL本体では主に羽田空港発着の地方路線に使われている。新型コロナウイルス感染症により、当初存在した50機のうち数機が退役、またはJTAへの移籍となっている。座席数は165席仕様(クラスJ:20席/普通席:145席)であり、JALとJTAで共通。
国際線運航機材
2024年4月現在。
国際線では、欧米の長距離路線ではフラッグシップ機としてエアバスA350-1000型機及びボーイング777-300ER型機が充当されている。長距離路線からハワイなどの中距離路線クラスではボーイング787シリーズ(-8型及び-9型)が、中距離路線ではボーイング767-300ERが、アジア路線など近距離路線ではボーイング737-800がそれぞれメインに使われる。
2012年から使用しているボーイング787型機は従来の大型機では採算が取りづらかったボストン・サンディエゴ・ヘルシンキ路線などにおいて活躍している[17]。
- エアバスA350-1000【3機】[注釈 8]
- 国際線の新フラッグシップ機。2021年5月に13機を確定発注[18]、2024年1月から運航開始。既存のボーイング777-300ER型機の更新機材となる。詳細は下記「A350の導入」項を参照。
- ボーイング777-300ER【13機】[注釈 9][19]
- 国際線のフラッグシップ機。羽田空港・成田空港を発着する長距離路線で主力として活躍している。かつては国際線接続便として成田・伊丹、中部線にも投入されていたことがある[20]。2024年からは上記A350-1000型機の更新を受け順次退役する予定であったが、2024年3月時点ではこの年の1月に発生した羽田空港地上衝突事故で生じた機材全損の埋め合わせとして羽田・福岡線などの国内線を運航するケース[21]が増えている。全機が4クラス244席仕様。
- ボーイング787-9【22機】[注釈 10]
- ボーイング787-8【19機】[注釈 11]
- 中長距離国際線用の主力機材。当初は25機を運用していた[22]が、初期に導入された6機[注釈 12]は子会社のZIPAIR Tokyoに移管されている。全機がビジネス・エコノミーの2クラス仕様であり、JA821JからJA835Jまでの初期導入9機は206席仕様、JA836JからJA845Jまでの10機は186席仕様である。後者ではビジネスクラスに「JAL SKY SUITE」の座席を装備。787-9と同様、両仕様共にエコノミークラスは世界でも珍しい「2-4-2」の座席配置である[24]。
- ライバル社の全日本空輸(ANA)が787-8型機を2011年10月に就航させてから半年後となる2012年4月、JALは新規就航路線となる成田 - ボストン路線に本機種を初投入した。余談だが、本機種の初号機「JA822J[25]」は当初「太陽のアーク」塗装で2011年12月に披露されていた。しかし、翌年の就航時には同年4月に発表された現在の新生「鶴丸」塗装に変更されている[26]。
- ボーイング767-300ER【9機】[注釈 13]
- ボーイング737-800【7機】[注釈 14]
- 日本航空の国際線では唯一の単通路機材。台湾・中国路線など近距離の国際線に就航しており、国内線運用されることも少なくない。ビジネスクラスには「スカイラックスシート」が装備されている。全機が2クラス144席仕様。
出典
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- ^ 国内線 機内座席配置
- ^ 国際線 機内座席配置
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- ^ JAL、2023年からA350-1000導入
- ^ ローンチカスタマー。ただし、ボーイング社の公式ページにはエールフランスがローンチカスタマーと表記されている。
- ^ 2024年3月現在はB737-800型機を使用することが多い。
- ^ 国際線機材だが、サービスはあくまで国内線であり国際線で使用されるシートモニター等は原則として使用できない。
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注釈
- ^ ただしジェイエアや日本エアコミューターをはじめとする子会社では、ブラジル・エンブラエル社、欧州・ATR社、カナダ・ボンバルディア社の航空機をA350の導入以前から運用している。
- ^ 2024年3月現在、伊丹空港発着路線でJAL本体で運航されているのは新千歳(B737-800)、成田(B737-800)、羽田(B787-8・B767-300ER等)、奄美大島(B737-800)、那覇(A350-900)の5路線のみ。この他、JACのATR 42-600で運航されている但馬・屋久島の2路線を除き、伊丹発着便は全てジェイエアで統一されている。
- ^ JA01XJ~JA12XJ、JA14XJ~JA16XJ。JA13XJは事故のため焼失。
- ^ JA846J~JA849J。
- ^ JA601J~JA603J、JA610J~JA615J、JA622J~JA623J、JA655J~JA659J。
- ^ JA301J~JA302J、JA306J~JA309J、JA311J、JA314J、JA316J、JA318J~JA319J、JA322J~JA323J、JA327J~JA347J、JA349J。
- ^ 2014年10月にJEXがJAL本体に吸収合併された際に全機がJAL本体に移籍となった。
- ^ JA01WJ~JA03WJ。
- ^ JA731J~JA743J。
- ^ JA861J~JA882J。
- ^ JA821J、JA823J、JA829J~JA845J。
- ^ JA822J、JA824J~JA828J。
- ^ JA606J~JA608J、JA616J、JA621J。
- ^ JA304J~JA305J、JA312J、JA315J、JA317J、JA320J~JA321J。
- ^ JA653J~JA654J。他1機のレジは未定。
- ^ 元「20th ARASHI THANKS JET」塗装
- ^ 元「首里城再建応援」デカール機。A350那覇便就航初便に充当された機体でもあった。
- ^ 元「みんなのJAL2020ジェット(3号機)」塗装
- ^ 羽田〜伊丹便A350初便に充当された機体。
- ^ DC-8-30: 4機 / DC-8-50: 16機 / DC-8-60: 33機 / DC-8-60F: 5機
- ^ JA8012、JA8032、JA8040、JA8051、JA8054、JA8061の6機が事故で大破。
- ^ JA8119は事故で大破。
- ^ ローンチカスタマー
- ^ コメット2は、コメットシリーズ最初の機材であるコメット1を改良し、胴体長の延長(延長された長さ0.94 m)や、燃料搭載量の増加などが行われたものである。
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