日本のタクシー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/14 00:53 UTC 版)
概要
法的定義など
日本におけるタクシー事業の法的位置づけとしては、道路運送法(昭和26年法律第183号)第3条第1号ハで定義される『一般乗用旅客自動車運送事業』の類型の一つで、具体的には「一個の契約により国土交通省令で定める乗車定員未満の自動車を貸し切つて旅客を運送する一般旅客自動車運送事業」とされている。乗車定員の上限については国土交通省令である道路運送法施行規則(昭和26年運輸省令第75号)第3条の2で「11人(未満)」とされていることから、「一個の契約により乗車定員10人以下の自動車を貸し切つて旅客を運送する一般旅客自動車運送事業」と読み替えることができる[注 1]。道路運送法においてタクシー事業とハイヤー事業は明確な区分がないが、タクシー業務適正化特別措置法(昭和45年法律第75号)第2条第2項において、ハイヤーを「運送の引受けが営業所のみにおいて行なわれるもの」と定義づけており、それ以外をタクシーと称している。
タクシーに係わる法令として、道路運送法、タクシー業務適正化特別措置法の他、特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法(タクシー事業適正化・活性化特別措置法)、旅客自動車運送事業運輸規則、一般乗用旅客自動車運送事業標準運送約款などがある。
事業用自動車を示す緑地に白字(軽自動車のタクシーは黒地に黄字)、基本的に、3ナンバー又は5・7ナンバー(乗用登録)のナンバープレートがつけられるが、一部のタクシーでは、1ナンバーまたは4ナンバー(いずれも貨物登録)の車両をベースとする事業者もある[注 2]。
自家用自動車を用い、タクシー営業に必要な許可を取らずに行われるタクシー営業(自家用自動車のナンバープレートが白地であることから『白タク』(しろタク)と呼ばれる)は「自家用自動車は有償で運送の用に供してはならない」と定めた道路運送法第78条に違反する行為である[注 3]が、インバウンド需要に対応できるタクシードライバー不足もあって、訪日外国人旅行客を狙った在日外国人による白タク行為が顕在化するようになってきた[1]。こうしたことから、2024年には近年のタクシードライバー不足の解消策の一つとして、タクシー事業者の管理の下で地域の自家用自動車や一般ドライバーによって有償で運送役務を提供することを可能とする制度(自家用車活用事業、通称『日本版ライドシェア』)が創設された[2]。
市場規模
全国の市場規模は2009(平成21)年度でおよそ1兆8000億円、2010(平成22)年度で1兆7279億円。最大であった1991(平成3)年度の6割程度まで落ち込んでいる[3]。
規制緩和によって大都市圏を中心に多くの地域でタクシー台数が過剰となり、2009年(平成21年)10月にはタクシーの減車を促すタクシー事業適正化・活性化特別措置法が施行された[3]。この結果、全国に先がけて減車が進められた東京地区ではタクシー台数が最大時から約2割減少、2010年(平成22年)7月以降には一台あたりの売上高が増加に転じ、翌年3月の東日本大震災発生まで8か月連続で増加した[3]。
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