新幹線1000形電車
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運用実績
1962年6月より鴨宮基地を研究拠点としてモデル線でシステム全体の試験を開始。徐々に試験速度を高めて、同7月に110km/h,9月に160km/h,10月31日に200km/hを記録し、クモヤ93000のスピードレコードを越えた。1963年(昭和38年)3月30日には速度向上試験が行われ、B編成が当時電車方式として世界最高速度の256km/hを記録した。これを記念し、B編成に記念プレートがつけられた。また、同6月8日にA編成とB編成で併結運転を行った。
モデル線での運用開始の2か月後の1962年8月、A編成は観測ドームなどを設置し、架線試験車に改造された。
さらに、1964年(昭和39年)8月10日にA編成が941形救援車(廃車まで救援車としての出番はなかった)に、B編成が同年7月22日に922形電気試験車に改造された。1975年(昭和50年)8月15日に0系1,2次車解体のため、浜松工場に新設された新幹線車両の車体解体設備の試運転材料となり、A・B両編成とも廃車解体された。
その他
- 2005年(平成17年)3月23日に、日本郵政公社からこの車両がデザインされた特殊切手が発売された[4]。
- 新幹線が開業する前からメディアで紹介されていた車両のため、開業前後に出版された歴史漫画などにはこの車両が新幹線として紹介されている。実物は廃車・解体されたが、これら書籍の一部は改訂・増刷を重ね今でも入手可能なものもある。また、作画の際の参考資料に本形式の写真を使用したのか、文芸漫画作品等でも本形式の特徴(ボンネット側面中央の列車番号表示用の小窓、単純な逆L字形の静電アンテナ)が見られることがある。
- B編成1003には、左前照灯下に「日本国有鉄道」と塗装されている写真が複数存在するが、これはアメリカの雑誌LIFEのカメラマンが、撮影のために国鉄に書かせたもので、「日本文字がないとどこの国の車かわからないから」というのがその理由であった。関係者の「ちょっぴりしゃくにさわったが、言うとおりにしてやった」との記事が残っている[5]。
- 2014年に放送されたテレビドラマ『妻たちの新幹線』には本形式が登場しているが、博多総合車両所で保存されていた0系(22-1047)を改造して似せたものを撮影したものである。
保存車
1000形として保存されている車両はないが、旧C編成の21-1・22-1・16-1は0系としての営業運転終了後に交通科学博物館に収蔵された。のちに新設された京都鉄道博物館にも引き継がれ、保存されている。
また、A編成とB編成のパンタグラフが鉄道博物館に保存されている。
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21-1
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22-1
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16-1
注釈
出典
- ^ 高橋団吉 編『新幹線をつくった男 島秀雄物語』小学館、2000年、p.218頁。ISBN 9784093410311。
- ^ 【日本の高速鉄道 その誕生と歴史】第11回「新幹線試験用車両」 - 乗りものニュース。2014年9月8日発信、2018年6月17日閲覧。
- ^ 「鉄道ファン」1964年5月号 6P 新幹線の走るまで24 量産旅客電車誌上見学 星晃
- ^ 平成17年特殊切手「科学技術とアニメ・ヒーロー・ヒロインシリーズ第7集」の発行 (日本郵便)
- ^ 「鉄道ファン」1963年1月号 新幹線の走るまで14 時速200キロ達成 西尾源太郎
固有名詞の分類
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