広島市 地理

広島市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/03 01:02 UTC 版)

地理

中心部から南
中心部から北

位置

南は瀬戸内海に面し、広島湾となっている。 市の中心部を流れる太田川の河口に開けた三角州上に市街地が形成されている。太田川デルタを中心に広島平野が形成されているが、それを取り囲むように市の西部・北部・東部は丘陵地帯となっている。

地形

市域の80%は丘陵部であり、平地部は太田川デルタの海抜ゼロメートル地帯と北の祇園大橋(海抜5m)から可部(海抜22m)にかけての河谷平野部がほぼ平地部であるが[10]、その周辺の山腹は宅地化が進んでおり安佐南区の伴南は標高約220m、山本新町は約197m、西区の己斐大迫は173m、古田台196mなどで造成地は山の中腹あたりまで広がっている[11]。もちろんデルタ地帯からの連続では無い地域では佐伯区湯来町の杉並台のように標高400m 近いところもある。広島市の最高地点は佐伯区湯来町と廿日市市玖島にまたがる大峯山(おおみねやま)で標高1040mである[12]

以上の広島市の造成地などを含めた可住地面積率は3割ほどで市域の7割は山林である[13]

山地

主な山

河川

主な川

湾岸

島嶼

主な島

気候

広島市
雨温図説明
123456789101112
 
 
46
 
10
2
 
 
64
 
11
2
 
 
118
 
15
5
 
 
141
 
20
10
 
 
170
 
24
15
 
 
227
 
27
20
 
 
280
 
31
24
 
 
131
 
33
25
 
 
163
 
29
21
 
 
109
 
24
15
 
 
69
 
18
9
 
 
54
 
12
4
気温(°C
総降水量(mm)
出典:気象庁
インペリアル換算
123456789101112
 
 
1.8
 
50
36
 
 
2.5
 
52
36
 
 
4.7
 
58
41
 
 
5.6
 
68
50
 
 
6.7
 
76
59
 
 
8.9
 
81
68
 
 
11
 
88
75
 
 
5.2
 
91
77
 
 
6.4
 
84
70
 
 
4.3
 
75
59
 
 
2.7
 
64
48
 
 
2.1
 
54
39
気温(°F
総降水量(in)

沿岸部から中山間地域までを市域にもつため気候は複雑である。市域北部(安佐北区、安佐南区、佐伯区北部)は日本海側気候瀬戸内海式気候の境界に当たるが、市域南部は瀬戸内海式気候で晴天の日が多く温暖である。は暑く、瀬戸内海特有のも発生する。しばしば摂氏35度以上の猛暑日を記録する。には空気が乾燥して晴天になる日が多いが、冬型の気圧配置が強まると北西の季節風の影響で雪が降ることもある。山間部の気温緯度の割に低く、冬にはよく氷点下まで下がる。降雪日数は瀬戸内海沿岸都市の中では多いが、積雪は市北部を除けばそれ程多くはならない。しかし、稀に雪雲が絶えず日本海より供給され続け市内中心部でも10から15センチ程度の大雪に見舞われることもある。路面凍結も起こり、国道488号のように冬期は閉鎖される道路もある。冬からにかけては、中国大陸由来の黄砂が飛来して視界が霞んだり、うっすら積もることもある。広島気象台は1987年12月22日に中区の江波山公園から繁華街の中区上八丁堀に移転したため、気温などがデータ上大幅に上昇した。旧広島気象台は広島市江波山気象館として保存されている。

広島市の年降雨量は1349mm[14]で全国平均(1596mm)より少ないが、瀬戸内でも顕著な少雨地域である岡山市(921mm)や高松市(872mm)よりは多い。年間降水日数は90日で、全国5番目に降水日の少ない県庁所在地である[15]


広島市広島地方気象台)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 18.8
(65.8)
21.5
(70.7)
23.7
(74.7)
29.0
(84.2)
31.5
(88.7)
34.4
(93.9)
38.7
(101.7)
37.9
(100.2)
36.9
(98.4)
31.2
(88.2)
26.3
(79.3)
22.3
(72.1)
38.7
(101.7)
平均最高気温 °C°F 9.9
(49.8)
10.9
(51.6)
14.5
(58.1)
19.8
(67.6)
24.4
(75.9)
27.2
(81)
30.9
(87.6)
32.8
(91)
29.1
(84.4)
23.7
(74.7)
17.7
(63.9)
12.1
(53.8)
21.1
(70)
日平均気温 °C°F 5.4
(41.7)
6.2
(43.2)
9.5
(49.1)
14.8
(58.6)
19.6
(67.3)
23.2
(73.8)
27.2
(81)
28.5
(83.3)
24.7
(76.5)
18.8
(65.8)
12.9
(55.2)
7.5
(45.5)
16.5
(61.7)
平均最低気温 °C°F 2.0
(35.6)
2.4
(36.3)
5.1
(41.2)
10.1
(50.2)
15.1
(59.2)
19.8
(67.6)
24.1
(75.4)
25.1
(77.2)
21.1
(70)
14.9
(58.8)
8.9
(48)
4.0
(39.2)
12.7
(54.9)
最低気温記録 °C°F −8.5
(16.7)
−8.3
(17.1)
−7.2
(19)
−1.4
(29.5)
1.8
(35.2)
6.6
(43.9)
14.1
(57.4)
13.7
(56.7)
8.6
(47.5)
1.5
(34.7)
−2.6
(27.3)
−8.6
(16.5)
−8.6
(16.5)
降水量 mm (inch) 46.2
(1.819)
64.0
(2.52)
118.3
(4.657)
141.0
(5.551)
169.8
(6.685)
226.5
(8.917)
279.8
(11.016)
131.4
(5.173)
162.7
(6.406)
109.2
(4.299)
69.3
(2.728)
54.0
(2.126)
1,572.2
(61.898)
降雪量 cm (inch) 3
(1.2)
3
(1.2)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
2
(0.8)
8
(3.1)
平均降水日数 (≥0.5mm) 6.8 8.3 10.6 9.9 9.7 11.9 11.6 8.6 9.6 7.1 6.9 7.6 108.6
平均降雪日数 (≥0cm) 8.2 6.5 2.3 0 0 0 0 0 0 0 0.2 4.6 21.8
湿度 66 65 62 61 63 71 73 69 68 66 67 68 67
平均月間日照時間 138.6 140.1 176.7 191.9 210.8 154.6 173.4 207.3 167.3 178.6 153.3 140.6 2,033.1
出典:気象庁 (平均値:1991年-2020年、気温極値:1879年-現在)[16][17]


広島(広島地方気象台・江波山公園)・1961 - 1990年平均の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C°F 8.3
(46.9)
9.1
(48.4)
12.6
(54.7)
18.2
(64.8)
22.5
(72.5)
25.3
(77.5)
29.3
(84.7)
30.9
(87.6)
27.1
(80.8)
22.0
(71.6)
16.4
(61.5)
11.2
(52.2)
19.4
(66.9)
日平均気温 °C°F 4.0
(39.2)
4.5
(40.1)
7.7
(45.9)
13.4
(56.1)
17.8
(64)
21.4
(70.5)
25.7
(78.3)
26.9
(80.4)
22.8
(73)
17.0
(62.6)
11.4
(52.5)
6.5
(43.7)
15.0
(59)
平均最低気温 °C°F 0.4
(32.7)
0.7
(33.3)
3.3
(37.9)
8.9
(48)
13.4
(56.1)
18.0
(64.4)
22.7
(72.9)
23.6
(74.5)
19.2
(66.6)
12.7
(54.9)
7.2
(45)
2.5
(36.5)
11.1
(52)
出典:理科年表
三入(安佐北区)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 16.6
(61.9)
20.4
(68.7)
23.0
(73.4)
29.8
(85.6)
33.7
(92.7)
35.0
(95)
38.9
(102)
37.8
(100)
36.9
(98.4)
30.2
(86.4)
24.9
(76.8)
19.9
(67.8)
38.9
(102)
平均最高気温 °C°F 8.4
(47.1)
9.6
(49.3)
13.5
(56.3)
19.8
(67.6)
24.5
(76.1)
27.6
(81.7)
31.0
(87.8)
32.7
(90.9)
28.4
(83.1)
22.7
(72.9)
16.6
(61.9)
11.1
(52)
20.49
(68.89)
平均最低気温 °C°F −0.4
(31.3)
0.0
(32)
2.5
(36.5)
7.4
(45.3)
12.4
(54.3)
17.6
(63.7)
22.1
(71.8)
22.7
(72.9)
18.6
(65.5)
11.8
(53.2)
6.1
(43)
1.5
(34.7)
10.19
(50.35)
最低気温記録 °C°F −8.1
(17.4)
−8.6
(16.5)
−5.0
(23)
−1.2
(29.8)
3.2
(37.8)
8.8
(47.8)
14.8
(58.6)
15.3
(59.5)
8.0
(46.4)
1.7
(35.1)
−2.7
(27.1)
−6.0
(21.2)
−8.6
(16.5)
降水量 mm (inch) 60.3
(2.374)
75.2
(2.961)
127.8
(5.031)
138.9
(5.469)
182.9
(7.201)
256.7
(10.106)
291.4
(11.472)
143.1
(5.634)
196.0
(7.717)
92.9
(3.657)
74.9
(2.949)
56.7
(2.232)
1,696.8
(66.803)
平均降水日数 (≥1.0 mm) 9.9 10.0 11.1 10.0 10.0 11.6 11.9 8.5 10.2 7.1 7.6 9.0 116.9
平均月間日照時間 96.9 110.0 146.2 174.9 183.7 138.0 149.4 180.7 147.0 161.3 131.3 109.2 1,728.6
出典:気象庁

災害

水害

市域では豪雨・台風に伴う太田川の氾濫・洪水が歴史上何度も起きている。台風被害は1943年9月、1945年9月(枕崎台風)、1950年9月など9月・10月に集中している。 太田川放水路が開通する以前は、デルタ地帯の内の河川がたびたび氾濫し、1943年の水害では旭橋など(山手川)、新橋(元安川)、駅前橋(猿猴川)、広瀬橋など(天満川)、柳橋(京橋川)などが水位上昇に伴い流失している[18]

原爆投下1ヶ月後に襲った枕崎台風では原爆で建造物がダメージを受けていたところに太田川の堤防決壊などが加わり、 県下の死者1199人以上、行方不明者897人、罹災者13万人以上を出す惨事となった[19]。 1960年代以降は、太田川放水路開通や高瀬堰大芝水門設置などの治水対策により下流デルタにおける決壊・洪水は起きていない。一方でデルタ地帯では近年でも高潮による浸水被害が起きている[20]

1991年9月の台風19号(りんご台風)では、広島市で最大瞬間風速58.9メートルなど猛烈な風による高潮被害・塩害が広がり、長時間停電したり、街路樹や柑橘類などの果樹が枯死したりする被害が起きた。中国電力はこれをうけて管内の電柱に塩害対策を施したが、2004年9月6日の台風18号接近では市内で最大瞬間風速60.2メートル(広島地方気象台観測史上1位)の暴風が吹いて再び大きな被害を出し、対策不足が指摘された。

1999年6月末の集中豪雨(6.29豪雨災害)では広島市と呉市に被害が集中し、市内では佐伯区と安佐北区を中心に死者19名・家屋全半壊100棟を超す被害があったため、災害救助法および被災者生活再建支援法の適用を受けている。

2014年8月20日未明には市北部で3時間雨量が204mm(安佐北区三入)などの猛烈な雨が降り、安佐北区可部・安佐南区八木・同山本・同緑井などで同時多発的に大規模な土石流が発生し、死者74名、重軽傷者44名、家屋の全半壊255棟などの甚大な被害が生じた(→平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害)。

2018年7月の西日本豪雨では、安芸区矢野東で土砂崩れにより約20棟の住宅が倒壊。安佐北区では土砂崩れにより3人が死亡したほか、東区でも土砂災害が発生した。23人が死亡、2人が行方不明、全壊129棟、半壊233棟[21]となった。

土砂災害危険箇所

広島市は土砂災害危険箇所を合計6040か所指定している。内訳は安佐北区2085か所、佐伯区1019か所、安佐南区985か所、安芸区843か所などとなっている[22]高度経済成長期の人口増に伴い宅地開発が進んだが[23]、造成対象地域は多くが平野部周縁の傾斜地・谷あいであったため、土砂災害の危険が指摘された。特に1999年の6.29豪雨災害の後に調査・研究が進み、指定数が増えた。

地震

市域の多くを占める太田川デルタは中国山地から流出した真砂土による沖積平野のため地盤は軟弱で[24]、地震ハザードステーションの地震動予測地図では市北部の低地部(長束〜可部)では「30年以内に震度6弱以上の地震」が起きる確率は26%以上としている[25]。沿岸部の確率はこれより小さい。

太田川デルタでは江戸時代以降に6回の大地震に遭遇している[26]。2001年3月24日には安芸灘を震源とする芸予地震マグニチュード6.4)が発生し、広島市でも震度5強(西区、安佐南区)を観測した。市内では死者は出なかったが、多数の負傷者が出たほか宅地造成区域の法面が崩れたり(安佐南区相田町)、道路法面が沈下・亀裂を起こしたりした(西区己斐上)。また草津港(広島港草津地区)では岸壁が崩れる被害があった[27]

地域

広島市中心部周辺の空中写真。太田川河口デルタ上に市街地が形成されている。
2008年5月21日撮影の198枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

行政区

安佐北区
安佐南区
東区
中区

広島市は以下の8区で構成される(自治体コード順)。 人口はいずれも2022年11月1日時点の推計人口。

コード 区名 人口
(人)
面積
(km²)
人口密度
(人/km²)
34101-1
  中区
143,245 15.32 9,350.2
34102-9
  東区
117,884 39.42 2,990.46
34103-7
  南区
144,308 26.46 5,453.82
34104-5
  西区
187,961 35.61 5,278.32
34105-3 246,347 117.03 2,104.99
34106-1 136,046 353.33 385.04
34107-0 75,356 94.08 800.98
34108-8 140,050 225.43 621.26
合計 1,191,197 906.68 1,313.8

当初は7区だったが、1985年、合併した佐伯郡五日市町を佐伯区とし8区となった。

旧市内

おおむね1970年代以前から広島市だった区域。

新市内

おおむね1970年代以降合併により広島市となった区域。

行政区画の変遷

編入自治体名の後の括弧内の数字は編入時の人口と面積である。

広島市と周辺町村

広島市は1889年4月1日に市制が施行された全国31都市の1つで、それ以後は周辺の郡に所属する町村を編入合併していった。その中で安佐郡は1971年から1973年までの3年間で全域が広島市に編入され(なお、当該地域は、1980年の政令指定都市移行で安佐南区・安佐北区を設置)、佐伯郡も広島市・大竹市・廿日市市・江田島市となり消滅した [28]

安芸郡も広島市や呉市への編入が進んだが、現存する府中町海田町熊野町坂町は、現在に至るまで単独町制を維持している。このうち、府中町は人口5万人を維持し続けており、単独市制移行も視野に入れている。

この背景には、これら4町は広島市のベッドタウンとして機能し人口の流出が留まっていることや、財政基盤が強く、特に府中町にはマツダの本社、海田町には同社の関連企業及び陸上自衛隊第13旅団司令部があり、法人市町村民税や基地交付金などによってこの傾向が顕著であることが挙げられる。しかし、住民の日常生活や社会基盤整備では広島市との関係が深く、広域での水道や交通網の整備が進められている。

2014年に広島市は総務省から「新たな広域連携モデル構築事業」に選定され、翌年にこれは連携中枢都市圏として法律上の裏付けのある制度となった。これに基づき広島市は、府中町をはじめとする周辺の市町と相次いで「連携中枢都市圏形成に係る連携協約」を締結、2022年4月現在で12市15町が参加する広域連携となった[29]

地名

旧広島市には海や干拓に関連した地名、太田川下流域には古代からの水運に由来する地名がある。

  • 島 - 江波(江波島)、白島(はくしま・箱島)、仁保仁保島)、比治山(日地島)、吉島(古くは葭島と書き、葭の茂っている中州の意味とされる)
  • 川 - 打越(洪水の冠水を堤防を壊して排水する「内越」から)、流川町(縮景園の排水路として開かれた流川に由来)、薬研堀(通りに沿う水道の名に由来)、川内(太田川と古川に挟まれた中州に由来)、天神川(尾長天満宮から流れる天神川に由来)、横川(太田川がここから西に分流)、広瀬(天満川がカーブする内側に広い瀬が広がっていたことに由来)、可部(河戸、河の口。太田川の合流点であったことに由来)
  • - 草津(神武天皇の「軍津」=いくさつ)、古江(「古ヘ天子ノ御船着シ古キ入江之故事」に由来)、向洋(向い灘)
  • - 加古町(藩船の水主「かこ」が由来)、舟入(船舶の停泊した入り江)、船越(沖合いを行きかう船に由来)、帆立(祇園)
  • 漁業 - 江波(漁場の餌場)、小網町(網を打つ漁民が多く居住し、網打小路と呼ばれたため)、蟹屋町(蟹売りが歩いていた町)
  • 商業 - 紙屋町(伊予国から広島に移り住んだ紙商、伊予屋九郎左衛門に由来)、十日市町(安芸高田市吉田の十日市場を移したといわれる)
  • 神社寺院 - 胡町(1603年建立の胡子神社に由来)、住吉町(航海の神、住吉神社)、国泰寺町安国寺恵瓊が開基した新安国寺が国泰寺と改称された)、寺町(寺院が多く集まっていることに由来)、袋町(大黒天の袋をとって「袋町」と命名)
  • 藩政関連 - 基町(毛利氏時代以来の広島開基地という意による)、幟町(藩主の旗印をまかされていた御旗の士が居住していたことによる)、八丁堀(広島城の外堀の1辺の長さが約八丁(約880メートル)であったことに由来)、大手町(広島城の大手門に由来)、京橋町(西国街道京橋
  • その他 - 堀越(平清盛が向洋半島に娘を埋葬した際、遺体を荒らされないため半島を島にするために堀を掘ったことによる)

人口

広島市と全国の年齢別人口分布(2005年) 広島市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 広島市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性

広島市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より


広島城下の人口は、江戸時代中期の正徳5年(1715年)には7万人ほどであったと推定されている。明治維新後の1869年には8万8607人であったが、1871年の廃藩置県の際には藩士や奉公人などの転出により7万2715人に減少した。1889年の市制施行時には8万3387人に回復し、日清戦争以降に人口が本格的に増加した。1920年の第1回国勢調査では16万510人と長崎市に次ぐ全国8位だったが、1925年の第2回国勢調査では19万5731人と六大都市(当時の6位は横浜市)に次ぐ全国7位となり、以降原爆投下による激減まで広島市の定位置となる。1929年には周辺7町村を編入する市域拡張を実施し、1942年には戦前最高の約42万人となった。しかし、第二次世界大戦の激化により減少し、1945年の原爆投下で壊滅的な被害をうけた(1945年11月時点の人口は13万7197人)。その後疎開者・避難者や出征者の帰還等に伴い1950年 には約29万人まで回復し、1965年頃には50万人に達した。その後は安芸郡、安佐郡、佐伯郡など周辺町村を吸収合併し、市域は10倍近くに拡大、人口は1985年に100万人を突破した[30]。県全体の人口は1998年に約289万人と最大となり以降は自然減・社会減が続いているが、市の人口は増加率は鈍化しているが微増が続いている。それも2020年前後には減少に転ずると推定されている[31]。 広島市の人口は、2020年10月時点で120万人となった[32]

現広島市域の人口の推移[33][34]
調査年次 人口(人) 世帯数(戸) 世帯規模 備考
総数 増減 [35] 総数 増減 [35] 人/戸
大正9年 1920 305,773 67,420 4.54
昭和5年 1930 382,697 76,924 25.2% 83,728 16,308 24.2% 4.57
15年 1940 463,670 80,973 21.2% 100,489 16,761 20.0% 4.61
(22年) 1947 387,477 -76,193 -16.4% 93,504 -6,985 -7.0% 4.14 増減は1940年比
25年 1950 447,174 -16,496 -3.6% 105,742 5,253 5.2% 4.23 増減は1940年比
35年 1960 590,972 143,798 32.2% 155,939 50,197 47.5% 3.79
45年 1970 798,540 207,568 35.1% 247,941 92,002 59.0% 3.22
55年 1980 992,736 194,196 24.3% 346,718 98,777 39.8% 2.86
平成2年 1990 1,093,707 100,971 10.2% 407,899 61,181 17.6% 2.68
12年 2000 1,134,134 40,427 3.7% 463,135 55,236 13.5% 2.45
22年 2010 1,173,843 39,709 3.5% 512,907 49,772 10.8% 2.29 2021-10-31更新
令和2年 2020 1,201,281 27,438 2.3% 553,993 41,086 8.0% 2.17 2021-10-31更新

広島市域の大半を占める山間部や山間部・島嶼部の隣接自治体では人口減および少子化・高齢化が急速に進んでいる。太田川下流デルタ(中区・南区・西区・東区など)と下流部(安佐南区他)では、60歳以上の人口比率は23%、20歳未満は20%であったが、安芸太田町では60歳以上の人口比率は50%、20歳未満は13%であった(平成17年国勢調査)[20]

区ごとの人口の推移

広島市の人口動態は自然増減(=出生-死亡)が2017年以降は減少に転じており、社会増(=転入-転出)で若干の増加となっている[31]。中区では1960年代、南区は70年代にいち早く減少に転じている。人口増加地区は安佐南区で合併後の1975年から2010年にかけて人口は10万人増加し178%となった。同じ期間に中区は約1万8千人減少し88%、南区は約3万人減少し82%となった[36]。中区と南区では20世紀後半に継続的な人口流出があったが、21世紀に入り増加に転じている(都心回帰)。

地域別人口推移[33][34](現市域、単位:人)
行政区 昭和40年 昭和45年 昭和55年 平成2年 平成12年 平成22年 令和2年 増減
1965年 1970年 1980年 1990年 2000年 2010年 2020年 10年前
全市 696,845 798,540 992,736 1,093,707 1,134,134 1,173,843 1,201,281 +2.34%
中区 167,682 155,914 138,486 134,651 124,719 130,482 142,746 +9.40%
東区 61,527 88,580 117,286 122,715 123,258 120,751 119,397 -1.12%
南区 164,177 171,615 151,534 143,938 135,467 138,190 145,889 +5.57%
西区 119,067 139,293 155,424 178,486 179,519 186,985 190,327 +1.79%
安佐南 56,060 83,779 157,728 175,211 204,636 233,733 247,118 +5.73%
安佐北 49,016 55,978 113,238 144,446 156,387 149,633 139,040 -7.08%
安芸区 39,837 51,128 65,775 70,039 75,435 78,789 77,127 -2,11%
佐伯区 39,479 52,253 93,265 124,221 134,713 135,280 139,637 +3.22%

人口と社会環境

太田川の河口デルタにある西区、中区、南区の地域(旧広島市域にほぼ相当)の面積は現市域の9%を占め、市の人口の39%が居住している。第2次・第3次産業の経済活動はこの3区に集中しており、製造品出荷額の70%、商品販売額の82%をこの地域が占める。農業など第1次産業就業者は88%がこの3区以外の市民で、安佐北区(2479人)、安佐南区(1876人)、佐伯区(991人)に多い。

都市機能も旧市街に集中しており、昼間人口は中区で平方kmあたり5万人以上、西区と南区で1万人以上となっている。同5千人以上の地域は、東が海田町、西が廿日市、北が安佐南区大町まで連なっている。広島都市圏の機能の分散が進展し、中心部への昼間人口流入は減少する一方で佐伯区、廿日市市、広島IC周辺、広島大学が立地する東広島市などで増加傾向にある。この状況に対し交通インフラ、特に道路整備が遅れており、広島市の人口百万人あたりの自動車専用道の長さは11kmと、札幌市(21 km)・仙台市(27 km)・福岡市(30 km)と比較して短い[37]

広島市の各種統計(2012年)[38]
広島市 中区 東区 南区 西区 安佐南 安佐北 安芸区 佐伯区
総面積[39] 905.4 15.3 39.4 26.1 35.7 117.2 353.4 94.0 224.4
可住地[39] 283.5 15.3 17.9 22.9 29.2 43.8 84.2 26.0 44.4
可住地比率 31% 100% 45% 88% 82% 37% 24% 28% 20%
人口(万人)
総人口 117.4 13.0 12.1 13.8 18.7 23.4 15.0 7.9 13.5
15歳未満 16.8 1.3 1.8 1.8 2.7 4.1 2.0 1.2 2.0
(比率) 14% 10% 15% 13% 14% 18% 14% 15% 14%
65歳以上 23.1 2.7 2.5 2.8 3.4 3.9 3.6 1.6 2.7
(比率) 20% 20% 21% 20% 18% 17% 24% 20% 20%
昼間人口 117.4 24.4 10.2 15.6 18.8 18.5 12.8 6.4 10.7
人口/可住地
人/km2
4,141 8,534 6,753 6,040 6,415 5,342 1,777 3,034 3,049
社会基盤
1住宅当たり
延べ面積 m2
79.5 56.94 83.81 69.84 70.24 83.67 103.64 90.25 93.29
医師数 3156 919 184 1016 274 232 234 101 196
1千人あたり 2.69 7.04 1.52 7.35 1.47 0.99 1.56 1.28 1.45
歯科医師数 1177 239 67 377 137 152 81 36 88
小学校数 147 16 13 19 18 26 27 9 19
中学校数 80 7 7 12 13 15 11 5 10
高校数 45 8 5 6 9 6 6 1 4
経済基盤 - 人口・就業者(人)、額(億円)
労働力人口 593,489 67,072 60,946 72,511 95,067 110,880 79,117 39,954 67,942
第1次就業者 7,186 207 313 261 408 1,876 2,479 651 991
第2次 124,063 9,324 11,796 14,732 17,516 23,797 21,561 10,960 14,377
第3次 420,128 51,953 44,510 52,039 70,413 77,763 49,586 25,783 48,081
耕地面積[39] 30
事業所数 58,049 17,097 3,982 8,092 9,232 7,533 5,070 2,167 4,876
製造品出荷額 18,683 690 120 9,489 2,974 1,251 1,893 1,804 462
商品販売額 76,967 33,467 1,668 13,051 16,313 4,591 1,840 1,813 2,223
広島市 中区 東区 南区 西区 安佐南 安佐北 安芸区 佐伯区

人口集積率

広島県の市町村数(参考)
年月 政令市
(政令市除く)
町村 備考
1960年10月 0 12 98 110 昭和の大合併
1980年10月 1 11 75 87 1980年4月、広島市が政令市に指定
2000年10月 1 12 73 86 平成の大合併
2015年10月 1 13 9 23

広島県の人口は1998年の288万5617人をピークに減少しているが[40]、広島市の人口は増加が続いている。2009年時点では、2015年以降人口減少に転ずると予想されていた[41]。そのため、広島市の広島県における人口比(人口集積率)は上昇傾向にある。

当時の市域をもとにした過去および現在の広島市の人口、広島県に占める人口集積率は次の通り[42]。なお、沼田町 (広島県)安佐町可部町祇園町安古市町佐東町高陽町瀬野川町白木町熊野跡村安芸町矢野町船越町を、1985年には五日市町を、2005年には湯来町を合併している[43]


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  114. ^ 伊藤みさ (2017年9月29日). “広電バスが広島市内一律180円”. https://tabetainjya.com/archives/cat_3/180/ 2021年8月20日閲覧。 
  115. ^ 神尾寿 (2009年11月4日). “地方銀行と交通ICがコラボ”. ITMedia. 2021年8月20日閲覧。






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