官子譜 成り立ち

官子譜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/10 14:40 UTC 版)

成り立ち

明の時代には囲碁の名手が多く現われ、その末期の梁渓の過百齢もその一人であり、『官子譜』『三子譜』『四子譜』などの優れた棋書を残した。このうち『四子譜』は序盤、中盤について、「官子譜」が終盤(官子、ヨセ)についてのものだった。

その後『官子譜』には曹元尊が手を加えた。清の時代になり、陶式玉は、囲碁において終盤の死活やヨセの重要性に着眼し、1689年康熙28年)に『官子譜』の編注に着手し、6年をかけて1694年(康熙33年)に完成して、榕城(現在の福建省福州市)で出版した。この時の校訂協力者には、呉瑞徴・婁子恩・蔡隣卿がいる。陶式玉は、蠡県県令などをしていた後、『易経』研究でも名を上げたが、山陰(現在の浙江省紹興市)に帰郷して『官子譜』にあたった。また序文において陶式玉は号の存斎を名乗っている。

内容

死活や攻め合いなど1478題を収めており、原本(陶版)は上中下の三巻で構成され、上540題、中558題、下380題とされる。また「玄玄碁経」から収録したものもある。

陶版の序文としては、魚丘厚庵(朱弘祚)・胡献徴・呉貞吉から寄せられている。

出版物

日本では、以下の出版物がある。

  • 西片朝三編『官子譜 (上)(中)(下)』令人堂出版部 1938年
  • 呉清源解説、三堀将編集『官子譜 囲碁手筋の源流 (1)-(4)』平凡社東洋文庫) 1977-78年
  • 橋本宇太郎、小山靖男解説『官子譜抄—手筋の宝典』山海堂 1980年、改訂版2004年(死活を中心に304題を収録)
  • 高木祥一編『官子譜 (上)(下)』教育社 1995年(164題を収録)



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