夏井いつき 人物・家族

夏井いつき

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/07 05:40 UTC 版)

人物・家族

生家では、明治時代から特定郵便局を開設。夏井の幼少期まで局長を務めていた祖父は、近隣の家庭で子どもが生まれるたびに子どもへの命名を託されるほどの名士であった。夏井自身も、俳号の「いつき」の由来である本名の「伊月」を祖父から付けられた。

母校の宇和島東高校へは、生家からバスで片道2時間ほどかけて通っていたという[27]

学生時代はバレーボールの選手で、現在のリベロに相当するポジションに就いていた。中学校の教師時代にも、地元の教員チームに参加している。ちなみに、教師時代には、教え子やバレーボール仲間から「原田知世に似ている」と言われたという。

中学校の教師だった25歳の時に、教師仲間の男性と結婚。教師の仕事に愛着を持ちながら、結婚後に1男1女の2人の子どもを授かった。しかし、30歳の頃にが他界。その影響で体調を崩したを、松山市内にある夫の実家で介護する必要に迫られたことから、やむなく教職を辞した[7]。退職の際には、当時の教え子に対して、「これから俳人になる」と約束したという。

さらに、俳人としての活動を始めてから10年後(40歳の時)に、実母が脳腫瘍を発症。俳人としての活動だけで生計を立てることがままならない状況で、姑と実母の介護に疲弊したことから、「2人の実子を引き取る」という条件で離婚を余儀なくされた[7]。ちなみに、俳号の苗字に用いている「夏井」とは、元夫の姓でもある[28]

離婚後は、「(俳句と関連のない案件や、俳句の広報につながらない案件を除いて)依頼された仕事はすべて引き受ける」というスタンスで、俳人としての活動に没頭。「俳人になる」という前述の約束を守るべく、あえて教職へ復帰せず、「次の仕事につなげたい」との一心で話術を磨いた。句会などの活動を通じて知り合った縁から、家庭にトラブルを抱える複数の児童を、保護者の了承を得たうえで「御幸(みゆき)ハウス」と称して自宅に無償で住まわせたことがある。

また、俳人仲間と共同で有限会社マルコボ.コムを設立。夏井自身は、「(再婚相手の加根を含めた)夫婦2人の終活会社」として株式会社夏井&カンパニーを設立したことを機に退社している。

現在の夫である加根は、夏井より8歳年上で、かつて博報堂の関西支社に勤務[29]。CMプロデューサーとして、「マロニーちゃん」(中村玉緒が出演するマロニーのテレビCMシリーズ)などを手掛けていた[30]。夏井が46歳だった2003年(平成15年)に、インターネット上で配信する番組への出演を夏井へ依頼。出演自体は諸般の事情で実現しなかったが、かねてから趣味で俳句を詠んできた[29]こともあって、夏井との交際を始めた。その後は、関西支社のある大阪から松山を訪れるたびに、夏井の自宅で実子などの面倒を見ていたという。夏井自身は生活苦などを理由に再婚を渋っていたが、49歳だった2006年(平成18年)に、「(自分は50代の後半で)歳を取っているけど、結婚しましょう」という加根からのプロポーズをきっかけに再婚。加根は、後に博報堂を定年で退職すると、松山市内で夏井との同居を始めた。現在は、フリーランスの立場で、映像プロデューサーとしての活動を継続[31]。その一方で、夏井の仕事先にマネジャーとして同行するなど、公私にわたって夏井を支えている[7]2014年には、株式会社夏井&カンパニーを設立するとともに、代表取締役へ就任した[2]

妹はチェリストナサニエル・ローゼンと結婚している。

2017年度(平成29年度)から、帝塚山学院大学リベラル・アーツ学部の客員教授として教職に復帰。就任後は、俳人として活動するかたわら、俳句の集中講義を担当している[3]

和服を着るのは『プレバト!!』の収録や関連イベントへ出演する場合のみで、他の番組(『NHK俳句』など)には洋装で出演している。夏井によれば、「『プレバト』の和装はコスプレのようなもので、普段は洋服しか着ない」という[32]


  1. ^ 夏井いつき『絶滅危急季語辞典』(ちくま文庫)「ローマ字の日」の項目参照
  2. ^ a b c 夏井&カンパニーウェブサイトより
  3. ^ a b 夏井いつき氏,客員教授に就任(帝塚山学院大学公式サイト2017年2月13日付記事)
  4. ^ a b c d e 講師紹介 夏井いつき 愛媛大学法文学部 公共政策論特講「現代社会と著作権」
  5. ^ 俳都松山大使・夏井いつきさん 松山市ホームページ
  6. ^ “毒舌先生”夏井いつき 公私ともに支える夫との「熟年再婚」秘話明かす|スポーツニッポン(2016年10月24日)
  7. ^ a b c d 2016年10月24日にTBSテレビ制作・全国ネットで放送された特別番組『結婚したら人生劇変!○○の妻たち』より
  8. ^ 夏井いつきプロフィール|2017年公式サイト瀬戸内・松山写真俳句コンテスト 2022年1月25日閲覧
  9. ^ 第15回俳句甲子園 審査員長プロフィール” (PDF). 俳句甲子園 大会公式サイト (2013年2月14日). 2013年5月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月25日閲覧。
  10. ^ 俳都松山、全国へ発信 夏井いつきさん大使就任愛媛新聞ONLINE(2015年5月15日)2020年2月26日閲覧
  11. ^ 第44回 放送文化基金賞 受賞一覧【個人・グループ部門】公益文化法人 放送文化基金 2020年2月26日閲覧
  12. ^ ゲスト審査員決定”. 第69回NHK紅白歌合戦. 日本放送協会 (2018年12月19日). 2018年12月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月25日閲覧。
  13. ^ 種田山頭火賞|春陽堂書店|明治11年創業の出版社[江戸川乱歩・坂口安吾・種田山頭火など]”. www.shunyodo.co.jp (2019年5月22日). 2023年8月12日閲覧。
  14. ^ a b 2016年11月26日に全国ネットで放送されたTBSテレビ・毎日放送の共同制作番組『サワコの朝』より
  15. ^ a b 「プレバト俳句」夏井先生に聞く芸能人ホントの実力|日刊スポーツ「梅ちゃんねる」(2016年9月1日)
  16. ^ 俳句の街まつやま俳句ポスト365
  17. ^ マユミーヌDiscography
  18. ^ モトモトの特徴や魅力を紹介する「五・七・五」♫|NIFREL公式サイト(2016年6月20日)
  19. ^ 《夏井いつき先生×NIFREL》『生きもの五七五・スペシャル句会ライブ』を11/27に開催♪|NIFREL公式サイト(2016年10月25日)
  20. ^ Facebook上のNIFREL公式アカウント内の記事|2016年11月25日
  21. ^ a b 『プレバト!!』夏井いつきの俳句本、異例のベストセラー「種まき運動の成果」|テレビドガッチ(2015年12月9日)
  22. ^ (日本語) キスマイファン必見!Kis-My-Ft2『王国の蝶』誕生秘話を語る!, https://www.youtube.com/watch?v=JfOxbatyq34 2022年10月6日閲覧。 
  23. ^ 三省堂 令和3年度版中学校教科書『現代の国語』3年生用に夏井の文章が採用されました!(『夏井いつきの「いつき組日誌」』2020年4月5日付記事)
  24. ^ 三省堂令和3年度版中学校教科書『現代の国語』シリーズ 内容紹介動画
  25. ^ 『夏井いつきの100年俳句日記』2016年11月23日付記事「サントリー『一万人の第九』の人たちが作る~一万人の俳句~」
  26. ^ 『夏井いつきの100年俳句日記』2020年12月25日付記事「『1万人の第九 つながろう、今』のほんの数秒」
  27. ^ Ms Wendy|注目の人 俳人/夏井 いつきさん
  28. ^ 夏井いつきの100年俳句日記
  29. ^ a b もうひとつの名前|東京コピーライターズクラブ リレーコラム(2009年9月29日)
  30. ^ [夏井いつき]“毒舌俳句先生”の私生活公開 あのCMのクリエーターと熟年結婚|マイナビニュース(2016年10月21日)
  31. ^ 大阪コピーライターズ・クラブ会員
  32. ^ 俳句集団【itak】第19回イベント抄録【第一部】
  33. ^ 令和五年度文化庁長官表彰名簿
  34. ^ 愛媛県ゆかりの著名人からのお祝いメッセージ 俳人 夏井いつきさん”. ハタチ〜オトナビトプロジェクト〜 (2021年1月8日). 2022年6月13日閲覧。
  35. ^ NHK俳句”. NHK. 2023年4月1日閲覧。






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