名古屋西川流 二世西川鯉三郎の名古屋をどり

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名古屋西川流

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/20 13:30 UTC 版)

二世西川鯉三郎の名古屋をどり

1940年昭和15年)に、西川石松の孫娘近藤静子の婿養子星合茂(近藤茂・西川茂)が二世西川鯉三郎を名乗り家元になったため、名古屋西川流の運営は、織田家士族)の西川幾・嘉義母娘と対立した西川石松(女役者)[3]の子孫・近藤家に入れ替わった。初世鯉三郎と二世鯉三郎との間にも師弟関係や血縁関係などは何もない。こうして、現在の名古屋西川流は初代家元西川鯉三郎との血縁関係はなく、この石松の孫司津からの血筋である。

二世鯉三郎は亡くなるまで周囲に「名古屋に行き東京に帰る」と漏らしていた。二世鯉三郎襲名と家元襲名もすんなりとは行かず、名取試験も一般受験者と同列扱、しかも当時の名古屋西川流の規則で「名取になっても2年間素行期間を見る」ということで、正式な家元襲名はだいぶ年数がたっていた。

1945年(昭和20年)から二世鯉三郎が名古屋をどりを開催した。1983年(昭和58年)に二世鯉三郎の長男西川右近(近藤雅彦)が三世家元を継ぎ、2014年平成26年)9月に右近の長男西川千雅(近藤千雅)が四世家元を継承した。

分裂と分派

1983年(昭和58年)7月31日に二世鯉三郎が亡くなり、西川右近が名古屋西川流三世家元を継ぐと、流派で内紛が起こり、家元の右近は1985年(昭和60年)4月8日に記者会見を開いて分家の実姉西川左近の絶縁を発表した[8]。1985年4月16日、左近も名古屋西川流の分家問題や名取免許授与をめぐり紛糾している問題で記者会見した。左近の分家独立は当時の新聞、週刊誌とマスコミを騒がせた。左近は分裂して東京で「西川流鯉風派」創流。

名古屋を拠点とする赤堀流、工藤流、内田流や、新舞踊の一派である芝流も、名古屋西川流の高弟によって創られた流派である。

門弟二代目西川式丸の弟子西川仲丸は新西川仲丸と改名し1956年に「新西川流」創流。

不祥事

三世家元西川右近(当時64)は名古屋国税局の税務調査を受け、2001年までの6年間で約1億5000万円の申告漏れを指摘されていたことが2003円6月14日に分かった。同国税局はこのうち約1億3000万円を所得隠しと認定し、重加算税を含め、約8000万円を追徴課税(更正処分)した[9][10]


  1. ^ 『少年時に観た歌舞伎の追憶』坪内逍遥 著、日本演芸合資会社出版部、1920年、pp47-53(国立国会図書館デジタルコレクション)。2023年6月10日閲覧。
  2. ^ a b 尾崎久弥 1971, p. 58.
  3. ^ 長田若子 2012, p. 73.
  4. ^ 北見昌朗. “愛知千年企業 大正時代編 <コラム>日本国中を席巻した“名古屋美人””. 北見式賃金研究所/社会保険労務士法人北見事務所. 2022年7月4日閲覧。
  5. ^ 田中加代. “日本の伝統芸能における「芸」の伝承に関する教育思想史的考察 -日本舞踊家西川鯉三郎の芸道教育の系譜および特色をめぐって-”. 愛国学園短期大学. 2022年7月4日閲覧。
  6. ^ 小寺融吉. “日本の舞踊(創元選書75)234頁「西川石松と花子」”. 創元社、昭和23/. 2022年7月4日閲覧。
  7. ^ 長田若子 2012, p. 151.
  8. ^ 「西川左近」の写真・グラフィックス・映像”. KYODO NEWS IMAGELINK(イメージリンク). 共同通信社. 2024年2月20日閲覧。
  9. ^ 日本経済新聞. “「西川流」家元所得隠し、門下生謝礼金、6年間で1億3000万円。”. 日本経済新聞社、2003年6月14日. 2023年9月30日閲覧。
  10. ^ 「日本舞踊の西川流家元が申告漏れ=6年間で1億5千万円−名古屋国税局」時事通信 2003年6月14日


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