北硫黄島
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 10:23 UTC 版)
概要
東京の約1,170km南[1]、父島の南南西207kmに位置し、火山列島の最北端の島。東西約 2.1km、南北約 3.3km、標高792mの榊ヶ峰(さかきがみね[2])を有する。島の山峰は南側にある榊ヶ峰と北側にある清水峰(標高665m)に二分されている[1]。明治期から太平洋戦争まで、主に母島からの移住者が集落をつくり生活していたが、戦時中の強制疎開で無人島になった[1]。
島はほとんどが断崖で[1]、有人島時代は傾斜地のわずかな平面に集落が存在したが、例外的に榊ヶ峰の標高700m付近にに三万坪と呼ばれる広大な平坦面があり、有人時代には放牧場とされていた[3]。また、島周辺は常に波が高く、船の接岸は容易でない。島の周辺には「丸根」「丸根南小島」が存在する[注釈 1]。
2009年7月22日皆既日食の観測が島近海の船上から行われ、日本放送協会(NHK)が中継放送した。
絶滅の恐れがあるとされ特殊鳥類に指定されている希少なシマハヤブサの生息地であったが、環境省のレッドリストによると既に絶滅との判断がなされている[4]。小笠原自然文化研究所によると人間が移入させてしまった外来ネズミ(クマネズミ)による海鳥営巣地の壊滅が原因とのこと[5]。
-
南西から。右の高峰が榊ヶ峰。
-
北西から。
-
北西から。
注釈
出典
- ^ a b c d e “北硫黄島”. 小笠原村. 2022年3月31日閲覧。
- ^ 日本の主な山岳標高 - 国土地理院、2017年6月閲覧
- ^ 日本の火山 北硫黄島(画像ページ16) - 産業技術総合研究所 地質調査総合センター、2017年6月閲覧
- ^ “日本のレッドデータ検索システム”. jpnrdb.com. 2021年10月17日閲覧。
- ^ “https://twitter.com/ibo_sznbnk/status/1249605127733837825”. Twitter. 2021年10月17日閲覧。
- ^ 日本の火山 北硫黄島(画像ページ5) - 産業技術総合研究所 地質調査総合センター、2017年6月閲覧
- ^ a b c 海域火山データベース:噴火浅根 - 海上保安庁、2020年6月閲覧
- ^ a b 中野俊, 古川竜太、「火山列島,北硫黄島火山の地質概要」 『地質調査研究報告』 2009年 60巻 7-8号 p.395-405, doi:10.9795/bullgsj.60.395
- ^ 気象庁-噴火浅根
- ^ a b 海上保安庁 海域火山データベース -噴火浅根
- ^ 気象庁-噴火浅根の火山情報
- ^ “個別火山データ 395 ver. (991222)”. http://arukazan.jp/. 2020年3月19日閲覧。
- ^ 巽好幸『富士山大爆発と阿蘇山大噴火』幻冬舎、2016年、70頁。ISBN 978-4-344-98420-2。
- ^ a b 日本の火山 北硫黄島 - 産業技術総合研究所 地質調査総合センター、2017年6月閲覧
- ^ 気象庁-噴火浅根 有史以降の火山活動
- ^ “小笠原諸島の海底火山「噴火浅根」で噴火 母島の南西約160㌔”. 朝日新聞 (2022年3月28日). 2020年3月28日閲覧。
- ^ “9.国内外の主な火山現象による津波観測記録一覧表、10.個別火山の津波発生要因に関する調査結果の詳細”. 原子力規制委員会. 2022年1月10日閲覧。
- ^ 気象庁-海徳火山
- ^ a b c d e f g h i j k 清水浩史『秘島図鑑』河出書房新社、2015年、022-025頁。ISBN 978-4-309-27615-1。
- ^ 明治24年勅令第190号(島嶼所属名称、明治24年9月10日付官報所収、 原文)
- ^ 田中琢「周辺からの視点」(田中琢・佐原真著『考古学の散歩道』岩波新書(新赤版)312 1996年第9版)179ページ
- ^ 2009年(平成21年)10月27日環境省告示第43号「北硫黄島鳥獣保護区を指定した件」
- ^ 2009年(平成21年)10月27日環境省告示第44号「北硫黄島特別保護地区を指定した件」
- ^ “小笠原諸島の海底火山「噴火浅根」で噴火 母島の南西約160㌔”. 朝日新聞 (2022年3月28日). 2020年3月28日閲覧。
固有名詞の分類
- 北硫黄島のページへのリンク