列車 概説

列車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/16 14:13 UTC 版)

概説

列車の定義は国によって微妙に異なる。

定義

(鉄道の歴史が長い)イギリスでは、1993年鉄道法英語版83(1)条において、列車 (train) を「(a)2両またはそれ以上の鉄道車両が連結されたもので、少なくともそのうち1両は機関車であるもの、(b)他の鉄道車両と連結されていない機関車」と定義している[2]機関車方式が前提となった定義を掲載している)。なおOxford Dictionaryでは「機関車や(車両と)一体化したモータ群(integral motors)によって動かされる、一連の連結された鉄道車両や貨車」という定義を掲載しており、機関車方式以外も想定している。[3]

アメリカ合衆国アッチソン・トピカ・アンド・サンタフェ鉄道1948年の運行規程では列車を「客貨車の有無にかかわらず、1両またはそれ以上の機関車が連結されており、標識類が示されたもの」と定義していた[4]

日本においては国土交通省の定めた、2002年施行の鉄道に関する技術上の基準を定める省令第2条13項で、「停車場外の線路を運転させる目的で組成された車両をいう」とされている[5]。日本では、「電車」という言葉で鉄道の線路を走る車両すべてを指すことがあるが[6]、電車は本来は電力によって走行する鉄道車両のことを指しており[7]、列車であるためにはどのような動力源を用いていてもよい[8]。(日本では)専門的には、停車場)の外の線路を運転させる目的で組成された車両のことを特に「列車」と呼び、同じ車両であっても運転させる目的をもたずに留置されているようなものは列車ではなく、単なる車両である[9]

(上述のイギリス、アメリカ、日本の法規や運行規定の定義で、三国とも同様だと判るが)、車両数に関係なく、動力車単独であっても「列車」となりうる[10]

種類

列車はその目的、運転時期、使用動力車、性質などにより分類できる[10]

語源

英語の「train トレイン」の語源は古フランス語名詞の「train トラン」(男性形)や 「traine トレーヌ」 (女性形)である。これは古フランス語の「trahiner」という動詞から派生する。これは更にラテン語の「trahere」(=引く、引っ張る)にたどり着く[3]


  1. ^ 平凡社『世界大百科事典』「列車」、土田廣 執筆。
  2. ^ Railways Act 1993”. legislation.gov.uk. 2018年2月12日閲覧。
  3. ^ a b Oxford Dictionary Lexico "train"
  4. ^ Atchison, Topeka and Santa Fe Railway (1948). Rules: Operating Department. pp. 7 
  5. ^ 鉄道に関する技術上の基準を定める省令”. e-gov. 2018年2月12日閲覧。
  6. ^ 『鉄道のひみつ』pp.96 - 97
  7. ^ 電車”. コトバンク. 2018年2月11日閲覧。
  8. ^ a b 土田廣. “列車”. コトバンク(日本大百科全書). 2018年2月11日閲覧。
  9. ^ a b c d e f g h i j k l m n 『鉄道辞典 下巻』pp.1775 - 1776
  10. ^ a b 列車”. コトバンク(世界大百科事典 第2版). 2018年2月11日閲覧。
  11. ^ 『国鉄/JR列車編成の謎を解く』pp.3 - 5
  12. ^ 『国鉄/JR列車編成の謎を解く』pp.186 - 192
  13. ^ 『国鉄/JR列車編成の謎を解く』pp.129 - 132
  14. ^ 『国鉄/JR列車編成の謎を解く』pp.139 - 148
  15. ^ 『国鉄/JR列車編成の謎を解く』pp.148 - 152
  16. ^ 『国鉄/JR列車編成の謎を解く』pp.101 - 105
  17. ^ 『国鉄/JR列車編成の謎を解く』pp.88 - 92
  18. ^ 『国鉄/JR列車編成の謎を解く』pp.59 - 66
  19. ^ 『国鉄/JR列車編成の謎を解く』pp.67 - 72
  20. ^ 『国鉄/JR列車編成の謎を解く』pp.132 - 136
  21. ^ 『車両研究で広がる鉄の世界』pp.15 - 17
  22. ^ 『鉄道工学ハンドブック』p.218
  23. ^ 『鉄道工学ハンドブック』pp.213 - 214
  24. ^ a b 『鉄道工学ハンドブック』p.214
  25. ^ 『鉄道工学ハンドブック』pp.214 - 216
  26. ^ 『鉄道工学ハンドブック』pp.216 - 218
  27. ^ 『鉄道工学ハンドブック』p.222
  28. ^ a b 『鉄道工学ハンドブック』p.223
  29. ^ a b 『電気鉄道ハンドブック』p.445
  30. ^ 『電気鉄道ハンドブック』pp.446 - 447
  31. ^ 『電気鉄道ハンドブック』pp.436 - 443
  32. ^ a b c d 『ダイヤグラムで広がる鉄の世界』p.52
  33. ^ 『日本国有鉄道論』pp.148 - 152
  34. ^ 『日本国有鉄道論』pp.152 - 155
  35. ^ 『日本国有鉄道論』pp.155 - 156
  36. ^ 『鉄道辞典 下巻』pp.1760 - 1761
  37. ^ 『日本国有鉄道論』pp.156 - 157
  38. ^ 『日本国有鉄道論』pp.158 - 159
  39. ^ 観光列車”. JTB総合研究所. 2017年11月18日閲覧。
  40. ^ a b c Penny Morris (2017年4月12日). “Three Types of Modern Freight Trains”. Our Pastimes. 2018年2月17日閲覧。
  41. ^ Jarrett Zielinski. “UNIT VS. MANIFEST TRAINS” (PDF). CRUDE MARKETS & RAIL TAKEAWAY SUMMIT CANADA 2013. 2018年2月17日閲覧。
  42. ^ 『日本国有鉄道論』pp.161 - 163
  43. ^ Unit train”. Encyclopædia Britannica. 2018年2月17日閲覧。
  44. ^ What is Intermodal”. ユニオン・パシフィック鉄道. 2018年2月17日閲覧。
  45. ^ a b c 『鉄道工学ハンドブック』p.211
  46. ^ 『鉄道辞典 上巻』p.265
  47. ^ a b c d e f 『ダイヤグラムで広がる鉄の世界』p.53
  48. ^ 『新版 鉄道用語事典』p.234
  49. ^ 『新版 鉄道用語事典』p.31
  50. ^ 『鉄道工学ハンドブック』p.210
  51. ^ 『新版 鉄道用語事典』p.291
  52. ^ 『新版 鉄道用語事典』p.388
  53. ^ 『新版 鉄道用語事典』p.314
  54. ^ 『現代国語例解辞典』第二版、 1993年、小学館、279頁。ISBN 4-09-501032-0
  55. ^ a b 『日本国有鉄道論』pp.149 - 151
  56. ^ 幻の「寝台新幹線」構想 食堂車は高速化で姿消す 東海道新幹線、開業50年(上)”. NIKKEI STYLE (2014年9月8日). 2018年2月16日閲覧。
  57. ^ 『電気鉄道ハンドブック』p.428
  58. ^ 『電気鉄道ハンドブック』p.429
  59. ^ a b 『国鉄・JR列車名大事典』pp.14 - 35
  60. ^ 「ネームド・トレイン50年」
  61. ^ 『小池滋のヨーロッパ鉄道 歴史と文化II』pp.85 - 86
  62. ^ 『小池滋のヨーロッパ鉄道 歴史と文化II』pp.86 - 87
  63. ^ 『貨物鉄道百三十年史 中巻』pp.261 - 263





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