刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/05 07:18 UTC 版)
内容
- 法の目的
- この法律は、刑事収容施設(刑事施設、留置施設及び海上保安留置施設をいう。)の適正な管理運営を図るとともに、被収容者、被留置者及び海上保安被留置者の人権を尊重しつつ、これらの者の状況に応じた適切な処遇を行うことを目的とする。(1条)。
- 刑事収容施設の定義
- 刑事施設とは、「懲役、禁錮又は拘留の刑・・・の執行のため拘置される者、刑事訴訟法・・・の規定により勾留される者及び死刑の言渡しを受けて拘置される者を収容し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設」をいう(3条)。具体的には、刑務所・少年刑務所・拘置所の3つをいう。
- 留置施設とは、警察法及び刑事訴訟法の規定により、都道府県警察の警察官が逮捕する者又は受け取る逮捕された者であって、留置されるもの及びこれらの者が刑事訴訟法の規定により勾留される場合に刑事施設に収容することに代えて、留置施設に留置するものを留置し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする。(14条)
- 海上保安留置施設とは、海上保安庁法及び刑事訴訟法の規定により、海上保安官又は海上保安官補が逮捕する者又は受け取る逮捕された者であって、留置されるものを留置し、これらの者に対し必要な処遇を行う施設とする(25条)。刑事訴訟法の規定により勾留される場合になった者を収容はできない。
- 刑事施設の基本及びその管理運営に関する事項
- 刑事施設の運営の透明性を確保するために、刑事施設視察委員会の設置、組織及び権限について定める。(7条)
- 被収容者の処遇
- 被収容者の権利及び義務の範囲を明らかにするとともに、その生活及び行動に制限を加える必要がある場合につき、その根拠及び限界を定める。
- 被収容者に対し、適正な生活条件の保障を図るとともに、医療、運動等その健康の維持のために適切な措置を講ずる。
- 受刑者に矯正処遇として作業を行わせるとともに、改善更生及び円滑な社会復帰を図るため必要な指導を行うものとすること。矯正処遇は、受刑者ごとに作成する処遇要領に基づき、必要に応じ、専門的知識及び技術を活用して行うこと。自発性及び自律性を涵養するため、生活や行動に対する制限は、受刑者処遇の目的を達成する見込みが高まるに従い順次緩和されるものとすること。改善更生の意欲を喚起するため、優遇措置を講ずるものとすること。一定の条件を備える受刑者について、円滑な社会復帰を図るため、職員の同行なしに外出及び外泊することを許すことができるものとすること。その他受刑者の改善更生の意欲を喚起し、社会生活に適応する能力の育成を図るための処遇方法を定める。
- 面会、信書の発受等の外部交通についての規定する。
- 一定の刑事施設の長の措置についての審査の申請、身体に対する違法な有形力の行使等についての事実の申告等の不服申立て制度を規定する。
- 労役場留置者、監置場留置者及び被監置者の処遇については、刑事施設被収容者の規定を準用。(289条)
- 刑事施設の長及び指定する職員は、刑事訴訟法の規定に基づき、刑事施設における犯罪について、特別司法警察職員となる規定の明文化
- 留置施設の基本及びその管理運営に関する事項
- 留置施設の運営の透明性を確保するために、留置施設視察委員会の設置、組織及び権限について定める。(20条)
- 被収容者の権利及び義務の範囲、その生活及び行動に制限を加える必要がある場合につき、その根拠及び限界については、刑事施設の場合と同様な規定がある。
- 海上保安留置施設の基本及びその管理運営に関する事項
- 収容期間が短期である(刑事訴訟法による拘留に移行した場合は収容できない)ため、視察委員会は設置されない
- 被収容者の権利及び義務の範囲、その生活及び行動に制限を加える必要がある場合につき、その根拠及び限界については、刑事施設の場合と同様な規定がある。
固有名詞の分類
日本の法律 |
金属鉱業等鉱害対策特別措置法 特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律 農地法 銃砲刀剣類所持等取締法 |
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