佐伯一麦 佐伯一麦の概要

佐伯一麦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/07 08:03 UTC 版)

佐伯 一麦
(さえき かずみ)
誕生 佐伯 亨(さえき とおる)
(1959-07-21) 1959年7月21日(64歳)
日本宮城県仙台市
職業 小説家
言語 日本語
国籍 日本
最終学歴 宮城県仙台第一高等学校
活動期間 1984年 -
ジャンル 小説
代表作 『ショート・サーキット』(1990年)
『ア・ルース・ボーイ』(1991年)
『ノルゲ Norge』(2007年)
渡良瀬』(2013年)
『山海記』(2019年)
主な受賞歴 海燕新人文学賞(1984年)
野間文芸新人賞(1990年)
三島由紀夫賞(1991年)
木山捷平文学賞(1997年)
大佛次郎賞(2004年)
野間文芸賞(2007年)
毎日芸術賞(2014年)
伊藤整文学賞(2014年)
芸術選奨(2020年)
デビュー作 『木を接ぐ』(1984年)
ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

筆名の「一麦」は、敬愛する画家ゴッホが麦畑を好んで描いたことにちなむ。

来歴・人物

1959年、宮城県仙台市に生まれる。宮城県仙台第一高等学校卒業後に上京し、週刊誌記者や電気工など様々な職業を経験する。1984年、「木を接ぐ」により作家デビューしてからしばらくの間は電気工と作家活動とを両立させる(その間、1980年代末からしばらくは茨城県古河市の配電盤工場に勤務したこともある)。1990年、電気工時代の経験をもとにした作品集『ショート・サーキット』をまとめる。1991年、『ア・ルース・ボーイ』で若くして父親になってしまう青年を描く。

その後、離婚して仙台に帰郷、草木染め作家の神田美穂と再婚する。1995年からの連載『遠き山に日は落ちて』で東北の町での妻との生活を描く。そのころから何度かノルウェーを訪れ、1997年には、妻の留学に付き添いノルウェーに1年間滞在する。2007年、この経験を元に『ノルゲ Norge』を書く。

電気工をしていた20代にアスベストの被害で肋膜炎にかかり、以後、喘息の持病を抱えながら執筆を行なっている。2007年にはアスベストの被害を追ったルポルタージュ『石の肺』を刊行した[1]

2010年からは大佛次郎賞(第37回から第45回まで)と野間文芸賞(第63回から)の選考委員を務めている。

2011年の東日本大震災は、作並温泉で被災。大年寺近くの高台にある集合住宅の自宅は、停電、断水し、部屋がめちゃめちゃになり、2日がかりで片付けた。そのとき見た変わり果てた海の風景に衝撃を受けたという[2]

2020年、仙台文学館第3代館長に就任。

受賞

映画化

  • 1996年、『一輪』を基にしたVシネマ『F.ヘルス嬢日記』(東映ビデオ)が公開される。
  • 『ア・ルース・ボーイ』の映画化が奥山和由製作、細野ひで晃監督、小嶺麗奈主演で企画され、作品も完成していたが、奥山と製作会社の松竹との関係が悪化したために公開が頓挫する。1999年、仙台市の太白図書館開館記念行事の中でのみ公開された。
  • 2017年、『光の闇』全8章の1章である「二十六夜待ち」が越川道夫監督、井浦新黒川芽以主演で同年12月23日にテアトル新宿をはじめ、全国順次公開された。

  1. ^ 『東京新聞』2007年4月7日 Webバックナンバー
  2. ^ 『佐伯一麦さん 連載小説開始 震災3年 杜の都の日常』2014年6月17日読売新聞朝刊29面
  3. ^ 令和元年度(第70回)芸術選奨文部科学大臣賞及び同新人賞の決定について”. 文化庁 (2020年3月4日). 2020年6月6日閲覧。


「佐伯一麦」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「佐伯一麦」の関連用語

佐伯一麦のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



佐伯一麦のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの佐伯一麦 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS