レーティッシュ鉄道Ge2/4形電気機関車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/08 10:17 UTC 版)
Ge2/4 221-222形
1945、46年に203、204号機を出力増強、近代化して221、222号機に改番したもので、機械部分はSLM、電機部分をBBCが担当し、実際の改造はレーティッシュ鉄道のラントクアルト工場で実施されて、改造費用は1機172,000スイス・フランである。なお、入換機に改造された201、202、206号機とは異なり外観はほぼ原形のまま、本線の小列車などに使用できるよう改造されている。
車体
- 車体はほぼ原形と同一であるが、機器類の変更にともなって一部明取窓をルーバーに変更している。また、発電ブレーキの設置にともない屋根上のパンタグラフを1基撤去して発電ブレーキ用抵抗器を設けたほか、正面窓間の前照灯の上に標識灯が設置されている。なお、機器類が軽量化されたため、機器室内に2.2tのバラストを積載している。
- 塗装も原形と変わらず茶色で、後に屋根のみ銀色に変更されている。また、切抜文字類も原形のものを踏襲している。
走行機器
- 外観は変化は少ないが、走行機器は一新されており、交流整流子電動機をタップ切換で制御する通常の制御方式となっている。
- 主変圧器は主電動機の容量増により450 kVAとなっており、タップ切換は13段である。
- 主電動機は機械室内のもともとデリー反発電動機が設置されていた場所にBBC製のTyp ELM 683交流整流子電動機を1台設置しており、主電動機直接駆動から2段減速式に変更して、ジャック軸からサイドロッドで動輪に動力を伝達する方式としている。なお、この主電動機はスイス国鉄のRe4/4 I形の10001-10026号機と同一のものであり、1時間定格は221 kWから450 kWに強化されている。また、主電動機および主変圧器冷却油の冷却は機械室内に設置されたファンによる強制通風式である。
- ブレーキ装置は真空ブレーキと手ブレーキから発電ブレーキ、空気ブレーキ、入換用空気ブレーキ、列車用真空ブレーキ、手ブレーキの構成に変更されている。
- 台枠は原形と同じ板台枠構造で、先台車のみ変更され、全軸距が200 mm短縮、横動量は100 mmとなっている。
改造
- 221号機は1957年、222号機は1954年に真空ポンプを新型に交換するなどの更新改造を行っている。
- さらに221号機は1973年、222号機は1972年に更新改造を行い、制御装置の変更などを行っている。
主要諸元
- 軌間:1000 mm
- 電気方式:AC 11 kV 16 2/3 Hz架空線式
- 最大寸法:全長8700 mm、全幅2550 mm、全高4032 mm(パンタグラフ折畳時)、全軸距5800 mm、固定軸距2600 mm
- 自重:34.8 t(機械部分20.1 t、電機部分重量12.5 t、バラスト2.2 t、動輪周上重量21.8 t)
- 動輪径:1070 mm
- 先輪径:710 mm
- 走行装置
- 主制御装置:タップ切換制御
- 主電動機:BBC製Typ ELM 683交流整流子電動機×1台(1時間定格出力450kW、39.3 km/h)
- 減速比:5.070
- 牽引力:39 kN(1時間定格、39.3 km/h)、70 kN(最大)
- 最高速度:65 km/h(1951年以降55 km/h)
- ブレーキ装置:空気ブレーキ、入換用空気ブレーキ、列車用真空ブレーキ、手ブレーキ
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