レオポルト・モーツァルト 音楽理論家

レオポルト・モーツァルト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/13 21:08 UTC 版)

音楽理論家

レオポルトは音楽理論家としても有名で、彼の自費出版した『ヴァイオリン奏法』(Versuch einer gründlichen Violinschule)は、ジュゼッペ・タルティーニのヴァイオリン奏法に関する論文「Trattatodimusica secondo la vera scienza dell'armonia」からの借用を多く含むが、ドイツでは高い評価を受け、1751年に英語、1761年にフランス語、1766年にオランダ語、1804年にロシア語に訳されたほか、1800年迄に第4版まで版を重ねるなど、ヨーロッパ中で読まれ、今日まで出版され続けている。

作曲家

作曲家としてのレオポルト・モーツァルトの実力は、同時代の著名な作曲家と比較して、明らかに劣っている。またそれを一番よく理解をしていたのは、他ならぬレオポルト自身であった。我が子であるヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの並外れた才能が明らかになった1762年ウィーン旅行以降、レオポルトが積極的に作曲することはあまりなくなった。

作曲に関して、歴史上いくつかの興味ある事例がある。

1923年上オーストリアOberösterreich)、ランバッハドイツ語版ベネディクト派の修道院で、モーツァルト親子のものとされる1769年と記された2つの交響曲、通称『ランバッハ交響曲』の筆写譜が発見された。どちらが、どちらを作曲したかが長年論議されてきたが、現在の説では、『新ランバッハ交響曲』がレオポルトの作品。『旧ランバッハ交響曲』はヴォルフガングの10歳の時、1766年ハーグ滞在中の作品という説が強い。

世界的に有名な『おもちゃの交響曲』はレオポルトの作品であるという説がある。これは1951年、レオポルトの作曲とされるカッサシオン(全7曲)が、バイエルン州立図書館から発見され、その一部が『おもちゃの交響曲』と同一であったことに起因する。しかし近年の研究でこの中の『おもちゃの交響曲』で使用されている3楽章はチロル出身の作曲家エトムント・アンゲラーの作曲だということが判明した。

代表作品

  • 2つのホルンのための協奏曲 変ホ長調(1752年)
  • シンフォニア・パストラーレ ト長調(1755年)
  • シンフォニア ニ長調『田舎の結婚式』(1756年)
  • 『橇すべりの音楽』ヘ長調 (1756年)
  • 『ナンネルの音楽帳』(1759年)
  • トランペット協奏曲 ニ長調(1762年)
  • 『ヴォルフガングの音楽帳』(1762年):ヴォルフガングの7歳の誕生日に贈った32の小曲集。第25曲『アングレーズ』は日本において教材としてよく演奏される。
  • シンフォニア ト長調『新ランバッハ』(1766年)
  • シンフォニア・ブルレスカ ト長調 (1770年)
  • カッサシオン(全7楽章。ただし、うち第3、4、7楽章はエドムント・アンゲラー作曲『おもちゃの交響曲』である。)
  • アルト・トロンボーン協奏曲 ニ長調



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