ミューチュアル・ファンド
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摘発
2003年9月3日、ニューヨーク司法当局がヘッジファンドのカナリー・キャピタルとバンカメ・バンク・ワン・ジャナス・キャピタル・ストロング・キャピタル・セキュリティ・トラストを不正競争の疑いで捜査した。この6社はミューチュアル・ファンドを利用した短期取引と時間外取引の協定を結んでおり、カナリーが数千万ドルの不正な利益をあげていたとされる。これをきっかけに別件の不正取引が次々に摘発されて、ミューチュアル・ファンドをめぐる一大スキャンダルとなった。そして行政監督院GAO が証券取引委員会の検査官絶対数が不足し犯罪照会手続が比較的ルーズであることなどを指摘した。そして委員会は2003年から2005年にかけて過剰な規制を敷いて業界の反発を受けた[22]。
時間外取引にいう「時間」とは、ミューチュアル・ファンドの取引がその日の東部時間の午後4時までに受け付けた注文を当日の基準価格で処理し、遅れた注文は翌日の基準価格で行う仕組みをさす。そして時間外取引とは、ヘッジファンドなど一部の機関投資家に対して午後9時ごろまで当日の基準価格による注文を受け付け、不当な利益をあげていたとされる手口である[22]。
短期取引、たとえば日本で知られているデイトレードは合法である。しかし、ミューチュアル・ファンドは管理コスト節減とパフォーマンス維持のため、解約手数料を高くしたり取引回数を制限したりする。それを一部の投資会社が出し抜き、大口顧客との間で短期取引を認めていた。本件では外国株式で運用しているミューチュアル・ファンドにおいて、時差を利用し基準価格に古い価格を適用していたが、これを時差裁定という[22]。
後から関係の分かった投資会社にはモルガン・スタンレーの他に、国の近代化を主導したドイツ銀行、タクシス家と資本関係のあったワコビア、GPIFの運用委託先であるゴールドマン・サックス、債券の巨人パシフィック・インベストメント・マネジメントなどがある。
注釈
- ^ redeemable securities 1種 または俗にmutual fund share これ自体をミューチュアルファンドと表現することもある。会社型・契約型それぞれにいう株式・受益証券。
- ^ MMF は、財務省証券、コマーシャル・ペーパー、譲渡性預金などの低リスクな短期金融商品に投資する。この中でCP が1991年にMMF 総資産の4割を占めた。
- ^ 1974年のエリサ法が導入
- ^ アルドレッド投信は、1941年10月にボストンのゴードン・ハンロン(Gordon B. Hanlon)というブローカーが支配権を握った。
出典
- ^ Hazenberg, Jan Jaap (2020-06-08). “A New Framework for Analyzing Market Share Dynamics among Fund Families”. Financial Analysts Journal 76 (3): 110–133. doi:10.1080/0015198X.2020.1744211. ISSN 0015-198X.
- ^ その株式をふくむ概念。三木 概説(一)
- ^ a b 金融経済用語集
- ^ a b c d e 野村 2003
- ^ YahooFinance Microsoft Corporation NasdaqGS
- ^ YahooFinance JPMorgan Chase & Co. NYSE
- ^ 1940年投資会社法第2条(a)(31)
- ^ 三木 概説(六)
- ^ “Five UK Mutual Funds Partner on Blockchain Trading Project”. CoinDesk. (2016年2月8日)
- ^ “Lipper Analytical Agrees to Sell Fund-Data Firm to Reuters Group”. ウォールストリート・ジャーナル. (1998年7月24日)
- ^ 三木 概説(一)
- ^ 概説(二)
- ^ a b 池島正興「戦後アメリカの国債管理と国債」『経済研究所年報』第27巻、成城大学、2014年4月、129-161頁、ISSN 0916-1023、CRID 1050282677558838144。 この部分だけ段末に付したものと出典を異にする。
- ^ 永田(上).
- ^ 永田(下).
- ^ 日本証券経済研究所 金融危機発生後の世界の投資信託の動向 2009年6月16日
- ^ a b 三谷進 『アメリカ投資信託の形成と展開』 日本評論社 2001年 第8章, ISBN 453555207X.
- ^ Mira Wilkins, Harm G. Schröter, The Free-standing Company in the World Economy, 1830-1996, Oxford University Press, 1998, p.379
- ^ 1940年投資会社法第18条(f)
- ^ 1940年投資会社法第30条
- ^ アンソニー
- ^ a b c 佐賀 2005
- ^ 古谷栄男 ビジネスモデル特許の事例 1999.12
- ^ a b 代田 2001
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