プリングルズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/25 13:37 UTC 版)
パッケージ
プリングルズのパッケージは従来袋詰めだったチップスを均一に積み重ねるために、1966年にアメリカの有機化学者フレドリック・バウアーが設計し、1970年に特許を取得した。バウアーはこのパッケージに誇りを持っており、2008年に彼が死去した際には、遺言によって遺体の一部がプリングルズの筒に入れられて葬られた[17]。
パッケージは内側にアルミをライニングした紙の筒と金属製の底、プラスチック製のキャップで構成される。環境問題に関して分別廃棄に不適なパッケージのため不満の声が上がっている。イギリスリサイクル協会のサイモン・エリンCEOは2017年に行われたインタビュー上で、金属、紙、プラスチックの分離が困難なプリングルズのパッケージは、環境を考えると「悪夢」だと語っている[18]。プリングルズの広報は、当パッケージには鮮度を保ち汚染を防ぐ機能があり、新鮮なチップスを提供する事で食品の無駄を最小限にしていると述べている[19]。また、日本ケロッグはリサイクルのための分解方法や、物入れなどの再利用法を提案している[20]。類似した形状を持つヤマザキビスケットのチップスターの場合、1992年以前はプリングルスと同様な構成の容器を使用していたが、1992年からは「地球にやさしいチップスター」をテーマに、蓋および底面を含め、全て紙製に変更している[21]。ただしポテトチップス自体はアルミ蒸着フィルムの袋に入っているため、容器の中に直接ポテトチップスが入っているプリングルスとは状況が異なる。
イギリスにおける法闘争
イギリスでは低所得者救済のため、生活必需品の消費税率を低く、嗜好品の税率を高くする軽減税率の政策を採っている。プリングルズは嗜好品にあたるポテトスナックとして17.5パーセントの課税対象商品とされていたが、米P&G社はジャガイモの使用量が50%以下である事、当局の定めるポテトスナックの基準が「ポテトチップ、ポテトスティックなどポテトやジャガイモ粉、ジャガイモのでんぷんを原料とした菓子類」であるなどを理由にポテトチップスではない(嗜好品ではない)と主張して争った。2008年7月の一審では英高等裁判所がP&G側の主張を認める判決を下した[22]が、2009年5月の二審で英控訴院が逆転判決を下し[23]、P&Gは敗訴。プリングルズはポテトスナックに分類され課税対象となることで決着した。
アメリカ合衆国におけるプリングルズ
ダブルカプセルパックなどといわれる2ケース入り商品などがある。袋入りや、3ケースセット、日本でも販売されているミニケース商品などがある。カロリーをおさえたものとして代替油脂のオレストラが含まれている場合があり、これが下痢や血便、腹痛などの副作用を引き起こすため、テレビ番組などで揶揄されることがあった[要出典]。
2005年より一つ一つのポテトチップに、赤や青の食用色素でスポーツや音楽などに関するクイズや豆知識などを印刷した「プリングルズ・プリンツ」を販売している。日本でも2006年に豆知識や王様ゲームを印刷した「プリングルズ プリントチップス」としてセブン-イレブンなどで限定発売していた。子供たちが学校に携行するランチにポテトチップスがつく場合がある[要出典]。食べ過ぎを防ぐために少量しか入れられない「携帯プリングルズケース」もある。プリングルズの自動販売機が存在する。軍用レーションにプリングルズが付属している場合がある。
- ^ a b Chapman, Michelle (2011年4月6日). “Pringles sold to growing empire”. The Sun News. Associated Press. オリジナルの2013年2月4日時点におけるアーカイブ。 2011年4月6日閲覧。
- ^ “ACNielsen Study Finds 43 Brands Have Billion Dollar Global Presence”. ACNielsen. 2011年9月25日閲覧。
- ^ http://www.freepatentsonline.com/2286644.html
- ^ Martin, Andrew (2011年9月25日). “Once a Great Flop, Now Sold for Billions”. The New York Times
- ^ “History of Pringles”. P&G. 2011年9月25日閲覧。
- ^ “Pringles sold by P&G to Kettle Chips firm Diamond Foods”. BBC News. (5 April, 2011) 2011年9月25日閲覧。
- ^ “Diamond Foods Issues Statement Regarding Termination of Pringles Transaction” (英語). ダイヤモンド・フーズ. 2012年2月17日閲覧。
- ^ “ケロッグ、ポテトチップス「プリングルズ」買収”. 読売新聞. (2012年2月16日) 2012年2月17日閲覧。
- ^ 「プリングルズ」ブランド商品の販売店契約を締結 - 森永製菓株式会社。日本ケロッグ、森永製菓と 2013 年以降のプリングルズ販売店契約で合意 - 日本ケロッグ合同会社
- ^ “「プリングルズ」販売店契約終了のお知らせ”. 森永製菓株式会社(2020年2月10日作成). 2020年2月10日閲覧。 “森永製菓、「プリングルス」販売店契約を終了 3月末、日本ケロッグが販売へ”. 時事通信(2020年2月10日作成). 2020年2月10日閲覧。
- ^ “プリングルズは「開けたら最後! You can't stop!」なのにフタがついている理由”. ロケットニュース24 (2011年8月16日). 2011年9月25日閲覧。
- ^ co-manufacturing 2015-10-24閲覧
- ^ Kellogg Company News Room - News Releases/Statements
- ^ Jakim confirms Pringles is halal | Free Malaysia Today 2015-10-24閲覧。Malaysia: Kellogg to build RM425m halal plant 2015-10-24閲覧
- ^ 日本ケロッグ、「プリングルズ」刷新で日本仕様に 米ケロッグ、マレーシア新工場稼働 |日本食糧新聞・電子版 2015-10-24閲覧
- ^ “「プリングルズ やみつきガーリック バター風味」発売。「食欲解放!濃厚フレーバーシリーズ」第1弾”. グルメWatch(株式会社インプレス). 2023年4月4日閲覧。
- ^ "Ashes of man who designed Pringles packaging buried in crisp can" - The Guardian、2008、2018年5月13日閲覧。
- ^ "プリングルズの容器 イギリスのリサイクル協会が「最悪の包装」と認定" - livedoor News、2017年5月20日、2018年5月13日閲覧。
- ^ "Pringles tubes and Lucozade Sport bottles are the 'villains' of the recycling world, says trade body" - The Independent、2017年5月18日、2018年5月13日閲覧。
- ^ Recycle - 日本ケロッグ、2018年5月13日閲覧。
- ^ “チップスター | ヤマザキビスケット”. www.yamazaki-biscuits.co.jp (2020年2月10日). 2023年8月14日閲覧。
- ^ 英法廷の判決、プリングルズはポテトスナックではない!?(exciteニュース)
- ^ “Pringles lose Appeal Court case”. BBC News. (2009年5月20日)
固有名詞の分類
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