フィアット・パンダ
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モータースポーツ
1984年ダカール・ラリーにイタリアの女性TV司会者のÉvelyne Dhéliatの搭乗車含む6台のパンダ4x4がエントリー。しかし全車リタイアに終わっている[18]。1985年も3台が参戦するが、完走には至っていない[19]。
2007年ダカール・ラリーに、グループT2規定(市販車クラス)で改造されたパンダクロス4x4、その名も「パンダカール(PanDakar)」がフィアットのワークスである「チーム・フィアット・パンダカール」から参戦。車重は約1,400kgで、ほぼ市販車そのままの1.3Lディーゼルターボエンジンを搭載する。ランチアでWRCを連覇した世界王者ミキ・ビアシオンと、彼のランチア時代の同僚で1993年ダカール総合優勝者のブルーノ・サビーがドライブした[20]。なおビアシオンはランチア時代のチームメイトだったマルク・アレンを最初に誘ったが、ひと目見て拒否されてしまった。大型オフロードSUVに対する挑戦としてパンダカールは注目され、高めの平均速度と、硬い路面のテクニカルな第2ステージでの好タイムを記録するが、ビアシオンは第4ステージ、サビーも第5ステージでそれぞれ砂丘でスタックし、リタイアした[21]。翌年パンダカールはイタリアに新しく発足したプライベーターのオロビカ・レイドチーム[22][23]に売却され、バハ・ハンガリアンへと参戦した[24]。2009年のバハ・スペインとバハ・ハンガリアンではディーゼル車クラスで3位となった[25]。2011・2012・2014年はダカールにも参戦するが、いずれも完走は果たせなかった。
2017年ダカールには、フィアットの支援を受けたオロビカ・レイドチームにより、グループT1規定で3代目をベースとしたパンダカールが3年ぶりに復活。開発の自由度が極めて高い同規定では戦闘力の見地からワンオフの鋼管フレームを用いたプロトタイプ車両にするのがほとんどだが、このパンダカールのフレームは市販車のものを使っている。エンジンは砂丘の急斜面を上る必要により、100馬力しかない1.3Lディーゼルエンジンから、172馬力の1.9Lディーゼルターボエンジンに換装されている。小さいボディサイズゆえのサスペンションストローク量の不足に悩まされたが、2017年にイタリア人のジュリオ・ベルゼレッティが総合56位で念願の完走を果たした[26][27][28]。
余談だが「Pan」はチェコ語では「ミスター(仏訳すると"ムッシュ")」という意味であり、即ちチェコで「Pan Dakar」というとトラック部門のレジェンドであるカレル・ロプライスを指す[29]。
- ^ マリ=フランス, ポクナ 高野優訳 (1993年5月31日). フィアット イタリアの軌跡に挑んだ企業. 早川書房. ISBN 4-15-203560-9
- ^ 斎藤, 浩之 (2000年7月). “パンダってナンダ?「パンダはすべてに理由がある」”. カーマガジン (ネコ・パブリッシング) (265).
- ^ 80年代輸入車のすべて- 魅惑の先鋭 輸入車の大攻勢時代. 三栄書房. (2013). pp. 19. ISBN 9784779617232
- ^ なお、652 ccのモデルに限り日本国内で軽自動車としての登録が2018年現在でも可能である
- ^ a b c d 森本太郎 編『世界の自動車オールアルバム 2020年』三栄書房、2020年8月8日、101頁。ISBN 978-4-7796-4170-1。
- ^ Panda初の四駆「FIAT Panda 4×4」(フィアット パンダ フォー バイ フォー)- 国内の輸入車四駆モデルとして最廉価 - - フィアット クライスラー ジャパン 2014年9月25日
- ^ 「FIAT Panda MT」(フィアット パンダ エムティー)- Pandaならではのドライブの楽しさを、100万円台でご提供 - - フィアット クライスラー ジャパン 2014年10月23日
- ^ 「FIAT Panda 4x4 Adventure Edition」 - FCAジャパン 2015年1月21日
- ^ 「Fiat Panda 4x4 Comfort」を発売 - FCAジャパン 2015年6月24日
- ^ Panda Easy」を仕様変更 - FCAジャパン 2015年11月4日
- ^ Panda 4x4 Terra(テッラ)」を発売 - FCAジャパン 2015年11月4日
- ^ Panda 4x4 Foresta(フォーバイフォー・フォレスタ)」を発売 - FCAジャパン 2018年7月5日
- ^ Panda 4x4 Italiana(フォーバイフォー・イタリアーナ)」を発売 - FCAジャパン 2018年11月1日
- ^ Panda 4x4 Succosa(フォーバイフォー・スッコーサ)」を発売 - FCAジャパン 2019年7月3日
- ^ Panda Street 4x4 (ストリート・フォーバイフォー)」を発売 - FCAジャパン 2022年1月6日
- ^ フィアット、直列2気筒「ツインエア」エンジン生産終了 「Grazie TwinAirキャンペーン」を実施 - Car Watch 2023年10月20日(2023年11月27日閲覧)
- ^ “フィアット限定車「Panda Cross 4×4」を発表”. Stellantisジャパン (2023年11月27日). 2023年12月4日閲覧。
- ^ Classement du Paris Dakar 1984
- ^ Classement du Paris Dakar 1985
- ^ Fiat PanDAKAR
- ^ Fiat PanDAKAR Leaves the Dakar Rally
- ^ 2013年にF1ドライバーのアレックス・カフィも所属し、トラックで参戦
- ^ Un po’ di storia di Orobica Raid
- ^ 2008 FIAT PANDA HEAD OFF ROAD HUNGARY
- ^ Giulio Verzeletti
- ^ この挑戦はイタリア車(フィアット車)初の完走と喧伝されているが、実際には1979年の開幕初年度にフィアット・カンパニョーラが数台完走している。
- ^ FIAT PANDA CROSS 4×4 “PANDAKAR”
- ^ Meet the man who crossed the desert by Panda
- ^ Karel Loprais, Pan Dakar, by dnes oslavil 74. narozeniny
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