ヒマラヤスギ属 ヒマラヤスギ属の概要

ヒマラヤスギ属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 00:05 UTC 版)

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ヒマラヤスギ属
フランス式の庭に植えられるヒマラヤスギ
分類新エングラー体系
: 植物界 Plantae
: 裸子植物門 Pinophyta
: マツ綱 Pinopsida
: マツ目 Pinales
: マツ科 Pinaceae
: ヒマラヤスギ属 Cedrus
学名
Cedrus Trew
和名
ヒマラヤスギ属
英名
Cedar
  • 本文参照

形態

樹形

クリスマスツリー状の形になるものもあるが、モミ属トウヒ属が綺麗な円錐状になるのと比べて、マツ属のように荒れて崩れた印象を与えるものが多い。樹高は30-40mで、まれに60m近くに達するものもあるという。ヒマラヤスギ属の枝には2種類あり、旺盛に伸びて私たちが「枝」と認識する長枝の他に、葉の付け根にあるごく短い枝である短枝がある。これはマツ科のマツ属やカラマツ属と同じである。

葉は原則として短枝の先に束になって生えるだけで長枝には生えないが、枝先の若い長枝に限り葉をつける。これはカラマツ属も同じである。

花・球果

球果はマツ科共通で鱗片の集まった形状をしている。ヒマラヤスギ属のそれは全体的な形はモミ属のものと似ているが、よりずんぐりとしている。球果は樹上で分解しながら種子を散布する。種子には翼がある。

生態

他のマツ科と同じくヒマラヤスギ属樹木の菌類共生菌根を形成する。樹木にとっては菌根を形成することで、土壌中の栄養分の吸収促進や菌類が作り出す抗生物質等による病原微生物の駆除等の利点があり、菌類にとっては樹木から光合成産物の一部を分けてもらうことができる。土壌中には菌根から菌糸を介し同種他個体や他種植物に繋がる広大なネットワークが存在すると考えられている[1][2][3][4][5][6]。共生する菌類の子実体は人間がキノコとして認識できる大きさに育つものが多く、中には食用にできるものもある。


  1. ^ 谷口武士 (2011) 菌根菌との相互作用が作り出す森林の種多様性(<特集>菌類・植食者との相互作用が作り出す森林の種多様性). 日本生態学会誌61(3), p311-318. doi:10.18960/seitai.61.3_311
  2. ^ 深澤遊・九石太樹・清和研二 (2013) 境界の地下はどうなっているのか : 菌根菌群集と実生更新との関係(<特集>森林の"境目"の生態的プロセスを探る). 日本生態学会誌63(2), p239-249. doi:10.18960/seitai.63.2_239
  3. ^ 岡部宏秋,(1994) 外生菌根菌の生活様式(共生土壌菌類と植物の生育). 土と微生物24, p15-24.doi:10.18946/jssm.44.0_15
  4. ^ 菊地淳一 (1999) 森林生態系における外生菌根の生態と応用 (<特集>生態系における菌根共生). 日本生態学会誌49(2), p133-138. doi:10.18960/seitai.49.2_133
  5. ^ 宝月岱造 (2010)外生菌根菌ネットワークの構造と機能(特別講演). 土と微生物64(2), p57-63. doi:10.18946/jssm.64.2_57
  6. ^ 東樹宏和. (2015) 土壌真菌群集と植物のネットワーク解析 : 土壌管理への展望. 土と微生物69(1), p7-9. doi:10.18946/jssm.69.1_7
  7. ^ 清水建美 (1997) ヒマヤラスギ 『朝日百科 植物の世界 第11巻』 258 - 259, 朝日新聞社.


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