ヒマラヤスギ属 人間とのかかわり

ヒマラヤスギ属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 00:05 UTC 版)

人間とのかかわり

ヒマラヤスギ属の樹木は、冬季の気温が-25℃を下回らない温帯で園芸用の飾り木として人気がある。またその耐久性にも注目され、紀元前1,000年に作られたイスラエルソロモン王の神殿に使われていたのが有名である。またこの木は屋根材として防寒の目的にも用いられている。さらにヒマラヤスギおよびこれから得られる精油は天然の虫除け剤として使われ、結婚の際に持参するホープチェストはヒマラヤスギから作られることが多い。トルコを中心とした地中海地方ではヒマラヤスギの大規模な植林が行われており、毎年5,000万本以上の苗が植えられている。

下位分類

ヒマラヤスギ属は4種に分類される[7]

  • Cedrus atlantica
北アフリカのアトラス山脈に分布
  • C. brevifolia
キプロス島固有種。
ヒマラヤ西部に分布。ヒマラヤスギ属の最大種で樹高は60mに達することもある。25-60mmである。球果にはわずかに畝がある。
トルコレバノンからモロッコにかけての地中海地方の山に自生する。葉は深緑から青緑色で、8-25mmである。球果はなめらかである。

語源

ラテン語名の cedrus と属の学名の Cedrus はともにギリシア語の kedros に由来する。ギリシア語とラテン語で kedros と cedrus は、現在ヒマラヤスギ属とビャクシン属に含まれる植物を表す言葉であった。ビャクシン属はギリシアに自生していたが、ヒマラヤスギ属は自生していなかった。そして kedros という言葉は中東に由来するものではなく、ギリシア内でビャクシン属を表す言葉として発生し、後に同じように強い香りを発するヒマラヤスギについても表すようになっていったと考えられている。cedar という言葉はヒノキ科センダン科ギョリュウ科など強い香りを発する他の種の樹木の名前の一部にも使われている。

脚注


  1. ^ 谷口武士 (2011) 菌根菌との相互作用が作り出す森林の種多様性(<特集>菌類・植食者との相互作用が作り出す森林の種多様性). 日本生態学会誌61(3), p311-318. doi:10.18960/seitai.61.3_311
  2. ^ 深澤遊・九石太樹・清和研二 (2013) 境界の地下はどうなっているのか : 菌根菌群集と実生更新との関係(<特集>森林の"境目"の生態的プロセスを探る). 日本生態学会誌63(2), p239-249. doi:10.18960/seitai.63.2_239
  3. ^ 岡部宏秋,(1994) 外生菌根菌の生活様式(共生土壌菌類と植物の生育). 土と微生物24, p15-24.doi:10.18946/jssm.44.0_15
  4. ^ 菊地淳一 (1999) 森林生態系における外生菌根の生態と応用 (<特集>生態系における菌根共生). 日本生態学会誌49(2), p133-138. doi:10.18960/seitai.49.2_133
  5. ^ 宝月岱造 (2010)外生菌根菌ネットワークの構造と機能(特別講演). 土と微生物64(2), p57-63. doi:10.18946/jssm.64.2_57
  6. ^ 東樹宏和. (2015) 土壌真菌群集と植物のネットワーク解析 : 土壌管理への展望. 土と微生物69(1), p7-9. doi:10.18946/jssm.69.1_7
  7. ^ 清水建美 (1997) ヒマヤラスギ 『朝日百科 植物の世界 第11巻』 258 - 259, 朝日新聞社.


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