パフィオペディルム・サンデリアヌム パフィオペディルム・サンデリアヌムの概要

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > パフィオペディルム・サンデリアヌムの解説 > パフィオペディルム・サンデリアヌムの概要 

パフィオペディルム・サンデリアヌム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/05/14 09:51 UTC 版)

パフィオペディルム・サンデリアヌム
Paphiopedilum sanderianum

Frederick Sander: Reichenbachia I (1888)
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ラン科 Orchidaceae
: パフィオペディルム属 Paphiopedilum
: パフィオペディルム・サンデリアヌム P. sanderianum
学名
Paphiopedilum sanderianum (Rchb.f.) Stein
シノニム
和名
オバケトキワラン
英名
Paphiopedilum sanderianum

概説

大型種[2]で、温暖から高温の地域で生育し、カリマンタン島の岩生植物である[3]。成体は2-5個の赤みを帯びた茶色の花を幅7–10センチメートルで同時に開花させる。側花弁は淡黄色に暗紫紅色を帯び、リボンのようによじれ、数十センチメートルほど垂れる[2]。各個体は4-5枚の光沢を帯びた淡緑色の葉をつけ、その葉は長さ45センチメートル、幅4–6センチメートルである[4]。花の寿命は5–7週間である。染色体数は2n=26[4]

種小名のsanderianumは、ヘンリー・フレデリック・コンラッド・サンダーにちなむ[2]

経緯など

最初の発見は、1885年ヘンリー・フレデリック・コンラッド・サンダーの収集家仲間であるJ.フェルスターマン(J. Foerstermann)によって成され、時に1メートル超にもなる花弁の長さゆえに著名となった。この花弁の長さは、ラン科のみならず、すべての花の中で最長である[5][6][1]。その後、多くの交配で親種として利用されてきたが、その雑種は1つとして親のような異常な長さの花弁に成長する種はなかった[7]20世紀に入ってすぐに、栽培株が失われ、野生個体群も絶滅したと考えられたが、1978年にイワン・ニールソン(Ivan Nielson)に再発見された[8]。野生の個体群は、グヌン・ムル国立公園で保護されている。

生育環境

耐寒性常緑多年草[1]。グヌン・ムル国立公園周辺に分布し、標高は100–500メートル、開花の時期は4月から6月である。急峻な苦灰岩質の石灰岩岩峰の頂上付近でみられ、生育環境の平均気温は22-25°Cである。適度な深い影で、石灰質のpH 7.3-7.5でコケや落ち葉、根が岩に付着した環境を好む。通年で多くの降雨が必要である。[4]


  1. ^ a b c パフィオペディルム・サンデリアヌム(Paphiopedilum sanderianum)”. かぎけんWEB. 株式会社 科学技術研究所 (2013年12月22日). 2016年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月12日閲覧。
  2. ^ a b c 小学館(1989):456ページ
  3. ^ IOSPE, http://www.orchidspecies.com/paphsanderianum.htm
  4. ^ a b c http://www.slipperorchids.info/paphdatasheets/polyantha/sanderianum/index.html
  5. ^ 「世界一」のランの花 同時に3種類咲きました!”. 国立科学博物館 筑波実験植物園 (2013年12月). 2016年5月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月14日閲覧。
  6. ^ 【今だけ!】筑波実験植物園で3つの世界一のランが同時開花”. 大人の社会見学ニュース. エキサイト. 2016年5月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月14日閲覧。
  7. ^ Alexander, Crynan. "PAPHIOPEDILUM SANDERIANUM Orchidaceae", Curtis's Botanical Magazine Volume 1, Issue 1, pages 3–6, April 1984
  8. ^ "Paphiopedilum sanderianum - the holy grail of orchids", KEW


「パフィオペディルム・サンデリアヌム」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「パフィオペディルム・サンデリアヌム」の関連用語

パフィオペディルム・サンデリアヌムのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



パフィオペディルム・サンデリアヌムのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのパフィオペディルム・サンデリアヌム (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS